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お役立ち情報コラム

今月の特集 (2018年2月)      


象情報を農業や暮らしに生かそう


      毎年のように異常気象が取りざたされるように
      なった今、一人ひとりが気象情報を正確に知っ
      て行動することが大切です。
      天気予報はどのように出され、またどう生かす
      のがいいのでしょう。テレビでもおなじみの気
      象予報士・森田正光さんに伺いました。

日本は天気の変動が大きい
 日本人は国民性として、天候の話好きだといわれます。実際、ちょっとしたあいさつにも「今日はいいお天気で」「よく降りますね」などと天候の話題から始めることがしばしばでしょう。
 「これは古代から農耕を主として生活してきた中で、収穫が天候に左右されてきたためであるのと同時に、天候の変動が大きい国だということも影響しています」と森田さん。
 日本海では湿った暖気が発生しやすいし、大陸からは冷たい大陸高気圧がやって来ます。南からは毎年、多数の台風も来ます。山の多い地形も天候を大きく左右します。
 予報がなかった時代には、人々は「月にかさが懸かると雨」といった観天望気(天候に関する言い伝え)をもとに、日々の行動を決めていたものです。
 日本で天気予報がスタートしたのは1884(明治17)年。当時は、あまりに外れることから、「測候所」と3回唱えれば生水に当たらない、雷に当たらないなどといわれたほどでした。昭和になると測候所も増えて、やや的中するようになり、先の大戦ではこのおまじないは禁句に。「弾に当たる」からだそうです。

天気予報は大きく進化している
 「今では気象情報は素晴らしく進化しました。われわれは、全国20ヵ所の気象レーダー、約1300ヵ所の無人観測施設アメダスと、気象衛星ひまわりを三種の神器と呼んでいます。コンピューター解析の精度も上がり、もはや人間による予想は追い付かない次元に達しています。」
 天気予報は、気象予報士が天気図を見て予想すると思っている人は多いはず。ところが今は違います。気象庁からは1日に2回、観測データや、スーパーコンピューターで計算した予報結果が発表されます。
 コンピューターによる予報は、大きく外れることはあまりありません。
 「外れるのは誤差の範囲といっていいでしょう。大きな現象としてはかなり的確です。2016年秋の迷走台風も、常に3日ほど前からの予報円の範囲内に入っていました」
 気象予報士は気象庁発表の結果をベースに、現在の風や雲の様子、観測データなどを見て、時間の経過によるズレを修正したり、細かなエリアごとの予報を出したりしています。
 コンピューターの予報は気温12度でも、実際は10度なら、これから上がるのかそのままなのか。雨の予報なら、小雨か雷雨か、冷たい雨か暖かい雨か。テレビやラジオ、インターネットなどでの天気予報では、そうした気象予報士による修正を加えた情報を出しているわけです。
 「例えば雨雲が雨粒を作ってから地上に落ちるまで10~15分ほどかかります。だから雨雲の位置を見れば10分後にどこで降るか分かります。気象状況は刻々と変化するので、常に最新のデータを見て切り替えていくわけです。

天気予報活用でリスク回避を
 「雨や台風を止めることはできませんが、予報を活用して行動を変えればリスクを回避できます」と森田さん。
 大きな台風が来ると分かっていれば、風雨が来る前に家屋やハウスの補強をしたり、水路を確認したりできます。農作物も早めに収穫したり、未熟な物に対してもなんらかの対策を立てることができるでしょう。
 「1991年に青森を襲った台風ではリンゴ農家に甚大な被害が出ましたが、そのときに木に残った果実は『落ちないリンゴ』として受験生の人気を呼びました。今では各リンゴ農家は台風が近づくと早めに収穫しています」
 詳細な気象情報は、自分から知ろうとしなければ手に入りません。天気予報を小まめに確認するか、詳しい人に聞くのがいいでしょう。もちろん自分で気象庁が発表している雲の動きや降水量、気温などのデータを見て、住んでいるエリアの天候を判断することもできます。広域の予報は曇りでも小さな雨雲が自宅付近に向かっていれば、局地的な雨が降ると分かります。
 昔ながらの観天望気も役立つでしょうか。森田さんは「言い伝えは(1)自然現象、(2)動物の行動、(3)どちらでもないものに分かれます。経験則が生んだ(1)は比較的当たります。『月にかさ』は上空に薄い雲があるからです。(2)は当たるものもありますがはっきりと証明はできません。茶柱が立つと晴れといった(3)はほぼ迷信ですね」とのこと。やはり、確かな天気予報を基に行動を決めるのが良さそうです。

★観天望気のいろいろ★
【1】自然現象   【2】動物の行動  【3】どちらでもないもの
 夕焼けの翌日は晴れ     渡り鳥が早いと雪が多い   火事の後は雨   ×
 山にかさ雲がかかると雨   猫が顔を洗うと雨    ×  茶柱が立つと晴れ ×
 夜中の雷は大雨       ツバメが高く飛ぶと晴れ   鍋底が赤くなると
天気が変わる    ×

         

気象予報士・株式会社ウェザーマップ代表取締役
森田 正光(もりたまさみつ)
 1950年名古屋市生まれ。(財)日本気象協会を経て、1992年フリーのお天気キャスターとなる。同年、気象会社・株式会社ウェザーマップを設立。親しみやすいキャラクターと個性的な気象解説で人気を集め、テレビやラジオ出演の他、全国で講演活動も行っている。