お役立ち情報コラム

生活に役立つ情報や営農情報をお届けします

ライフ 2023年6月

お米をおいしく楽しもう お米の魅力を正しく伝えたい

 私の店は飲食店とのお付き合いが多いですが、以前は安いお米を買い求めるお店が多くありました。  彼らいわく、「同じ茨城県産コシヒカリだけれども、○○商店の方が安い」「客は米の味の違いなんて分かんないよ」「お米代を削って少しでも経費削減したい」など……。
 なぜこのように考えるのでしょうか?それは「農産物だから、産地と品種が同じでも中身は違うことに気付いていない」「お米に関心、知識がない」「お米に食材として重きを置いていない」「お米を工業製品だと思っている(値段しか興味がなく生産者の生活まで思いが至らない)」「炊飯を調理ではなく作業だと思っている」ということが考えられます。
 ところが、ある焼き肉店からこんな話を聞きました。「ウチの売りは米ですよ、米。焼き肉屋だから肉がおいしいのは当たり前。だから他店との差別化でお米選びはこだわりたいです」と。最近このように、今まであまり注目していなかったお米が、実は他店との差別化を図るための有効なツールであると気付いたお店が増えてきたのです。例えば、
①渋谷の鳥料理屋さん……なんとなく「あきたこまち」を使っていたが、親子丼や卵かけご飯といった鶏料理に合うお米を探している!
②六本木の焼き肉屋さん……焼き肉に合うお米を、独自のブレンド米として提供してほしい!
③中目黒の海鮮丼屋さん……海鮮丼なので、何よりおいしいお米。無洗米なんてとんでもない!
④原宿の和食屋さん……新しく店を開くに当たりお米にこだわりたい。ここで手を抜いては料理全体の評判も落ちる。
 お米に力を入れている飲食店は間違いなくメインの食材にも力を入れているはずです。皆さんもお米にこだわっている飲食店に、ぜひ足を運んでみてくださいね。

五ツ星お米マイスター●小池理雄

なくそう食品ロス 家庭で食品ロスを減らすこつ

   最近、太陽光パネルと蓄電池を買って、マンションのベランダで使い始めました。晴天の日や昼間に発電した電力を、スマートフォンやパソコンの充電に使えるようになりました。いざ災害が起きたときの備えにもなるので心強いです。
 災害時に備えて、自宅に食料や飲料水を備蓄している人も多いでしょう。ペットボトル入りのミネラルウオーター、期限が過ぎたからといって、すぐ捨ててはいませんか。ペットボトル水の賞味期限は、飲めなくなる期限ではありません。ガラス瓶と違って、ペットボトルは、容器を介して水が蒸発していきます。ある一定の範囲までは減少も認められますが、決められた範囲を超えて中身が減ると、計量法に違反することになってしまい、販売できなくなります。そこで、ペットボトル入りの水には、明記してある容量の水が、この日までは確実に入っていますよ、ということを示す期限が書いてあるのです。安全性とは無関係なのです。2016年に発生した熊本地震では、全国からペットボトルの水が送られ、地震から3年以上たっても使い切れず、期限が切れた水が130tも余ってしまいました。熊本市は、花壇の水やりや、手足を洗うために使ったそうです。  19年に千葉県を襲った台風では、富津市が配ったペットボトルの水の期限が切れていました。市民から指摘があり、市がおわびし、メディアが報じました。でも、期限が切れているからといって、飲めないわけではないのです。
 日本では毎年のように自然災害が起きています。ペットボトルの水の賞味期限は「容量が担保できる期限である」と、所属している組織や自治体にも教えてあげましょう。水は命の源。貴重な資源です。決して無駄にすることなく、最後まで大切に使いましょう。

食品ロス問題ジャーナリスト●井出留美

おいしく食べて美しく 夏バテ予防にお薦めの食べ物

 梅雨が明けて本格的な夏がやって来ます。暑い日が続くと、だるさ、食欲不振など不調を感じる方も多いのではないでしょうか。そうめん、アイスクリームなどの冷たいものばかり食べると栄養バランスが乱れ、夏バテがひどくなる可能性があります。今回は、夏バテ予防にお薦めの食べ物を三つご紹介します。
【1】豚肉  豚肉に含まれるビタミンB1は、不足すると疲労物質の乳酸が体内に蓄積されます。タマネギ、ニラなどのネギ類に含まれるアリシンがビタミンB1の吸収を高めるため、豚肉と組み合わせて食べると良いでしょう。ビタミンB1は炭水化物に含まれる糖質をエネルギーに変えるために必要な栄養素です。エネルギーの代謝が活発になれば体の機能も高まります。刻んだニラとしょうゆなどをあえたたれを豚肉の冷しゃぶにかけると暑い日でも食べやすいです。
【2】梅干し  梅に含まれるクエン酸は、疲労物質の乳酸を分解し、新陳代謝を活発にする働きがあるため疲労回復効果が期待できます。また、唾液の分泌を促し食欲を増進させる働きもあるため、食欲がないときにお薦めです。梅干しと野菜をあえたり、おむすびの具にすると爽やかな酸味でさっぱりと食べられるでしょう。
【3】スパイス  ショウガ、唐辛子、カレー粉などのスパイスには、胃腸の働きを活発にし、食欲増進効果が期待できます。暑い夏は熱が体内にこもりやすいですが、唐辛子などの辛いスパイスを食べると汗をかき、体内の熱を発散できるので夏バテ予防にお薦めです。いつものメニューに少し加えるだけで、暑い日でも食べやすくなるでしょう。肉を炒めるときにカレー粉を加えると手軽にスパイスを取り入れられますよ。
紹介した食べ物を日々の食事に取り入れて元気に夏を乗り切りたいですね。

栄養士●吉田理江

焼きみそパワーで天下取り

 ■ 家康の好物だった焼きみそ  NHKの大河ドラマで人気の徳川家康は、平均寿命が40歳前後の戦国時代を生き抜き75歳まで長生きしていました。寝たきりにもならず、見事な生涯現役。  戦乱の世を終息させ、平和な時代を実現させています。  その偉大な行動を支えたエネルギー源の一つに焼きみそがありました。家康は香ばしく焼いたみそが大好物で、食事ごとに取っていたと伝えられています。ご飯の味によく合い、食が進んで意欲もどんどん湧いてくるからです。  みそを焼いただけのものもありますが、ショウガを混ぜたり、すりゴマやニンニク、それに甘味のみりん酒を加えて焼きみそにしていたようです。  これをご飯の上にのっけて食べたり、湯漬けといって、現在のお茶漬けのように湯をかけてサラサラと食べるのです。  織田信長も湯漬けが大好物で、今川義元を討つため清洲城を出て桶狭間に向かう直前に、焼きみそと湯漬けをかっ込み食いして、突撃しています。  焼きみそには、アルギニンなどのアミノ酸が多く、男性ホルモンが元気になって、戦うパワーが強くなるのです。 ■ ご飯にとっても合うんです  武将ばかりではなく、一般の武士や足軽たちも焼きみそ好きが多く、いざ出陣となると、自家製の焼きみそを作り腰弁当と一緒に容器に入れて携行しました。  にぎり飯と一緒に食べるのが習慣ですが、焼きみそを器に入れ、そこへ熱湯を注ぎよく溶かして飲用するのです。  アミノ酸の多いタンパク質やビタミン、ミネラルなどが豊富ですから疲労回復や免疫力の強化に役に立ったのではないでしょうか。現代でしたら砂糖を少々加えた方が良いかもしれません。

食文化史研究家・日本の長寿食研究家●永山久夫



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