お役立ち情報コラム

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ライフ 2024年5月

お米をおいしく楽しもう お米の「品種」

 みんなは普段、どんなお米を食べているか、分かるかな?
「え? どんな? どんなお米って……。普通に白いやつでしょ?」  そう、確かに見た目は白いよね。でも同じに見えて実はいろいろな種類があります。例えば犬を考えてみよう。同じ犬とはいっても、大きい犬や小さい犬、毛が長い犬や短い犬などさまざまだよね。お米もそれと同じ。お米にもいろいろな種類があるんだ。これを「品種」といいます。
「コシヒカリ」「つや姫」「ゆめぴりか」……。もしかしたら聞いたことがあるんじゃないかな? 日本には1000種類も品種があるんだ。栽培されているのは300種類くらいだけれども、それでも多いよね。
「さ、300って……。そんなに味の違いがあるのかなぁ?」
お米は硬さと粘りの違いで味が決まり、品種ごとに性格が異なるんだ。それとお米は農産物だから、地域によって育つお米とそうでないお米がある。沖縄のような暖かい地域で栽培されているお米は、北海道のような寒い地域では栽培できないんだ。気温の違いや太陽が照っている時間の違いによるんだよ。  ではここでほんの一部だけれども品種を紹介してみよう。
今、日本で最も生産量が多いのが「コシヒカリ」。次に多いのが「あきたこまち」「ひとめぼれ」「ヒノヒカリ」の三つで、いずれも「コシヒカリ」から生まれたお米。  
最近は各地でたくさんのお米が生まれていて、「つや姫」は山形県生まれ、「ゆめぴりか」は北海道生まれだ。「コシヒカリ」は福井県生まれだけれども、今では新潟県の生産量が多くなっているよ。  
変わった名前では富山県生まれの「富富富(ふふふ)」。熊本県では「くまさんシリーズ」があって「森のくまさん」「くまさんの輝き」「くまさんの力」というお米があるんだ。  新しい品種は10年以上かけてやっと一つ生まれるんだ。そこまでして品種を生み出す日本人は、本当にお米好きということが分かるね。  

五ツ星お米マイスター●小池理雄
小池精米店三代目店主。1971年東京・原宿生まれ。大学卒業後、出版社、人事制度コンサルティングファームなどを経て、
2006年に小池精米店を継ぐ。それまでの社会経験を生かし、新しいお米屋さんのあり方を常に模索している。

なくそう食品ロス 賞味期限は2割以上短くなっている?

 海外在住の女性から「顆粒(かりゅう)だしのもとは賞味期限が切れてからどのくらい大丈夫なんでしょう? 判断の目安はありますか?」と連絡をもらいました。
あくまで私自身の場合と断った上で「開封したときサラサラしていたら使い、固まっていたら使うのをやめる」と答えました。サラサラしているのが本来の状態だからです。メーカーによって賞味期限は異なりますが、1年半程度が多いようです。東京農業大学で食品保存に関する研究をしていた徳江千代子先生は「本来の賞味期限より2割以上短くなっている」と話しています。消費者庁が賞味期限を決めるときの安全係数を「0・8」としているためです。
例えば、10カ月間おいしく食べられるカップ麺があるとしましょう。企業の多くは10カ月で賞味期限を印字しません。安全係数という1未満の数字をかけ算します。国は0・8以上を推奨していますから、10カ月に0・8をかければ8カ月となります。企業によっては0・5や0・6、0・7を使うケースもあるようです。
なぜ安全係数をかけ算するのでしょう? 加工食品は、同じように作られても個体差が生じます。製造工場を出た後は、直射日光が当たる店頭で売られたり、真夏に車のトランクに入れっ放しにされたりするかもしれません。さまざまなリスクや個体差を考慮し、安全係数をかけて短くしているのです。
徳江先生が「2割以上短い」と言う賞味期限。賞味期限に1・2をかけ算すれば本来の賞味期限が分かります。1年半の賞味期間がある顆粒だしのもとであれば、1・2をかけ算すれば約1年9カ月となり、賞味期限が切れた後、少なくとも3カ月は大丈夫ということになります。賞味期限はおいしさの目安であり品質が切れる日付ではありません。そもそも期限内に使い切れる量を買い、最後まで使い切る習慣が大切ですね。

食品ロス問題ジャーナリスト●井出留美(いで るみ)
株式会社office3.11代表取締役。博士(栄養学/女子栄養大学大学院)修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)
『食べものが足りない!』『SDGs時代の食べ方』『捨てないパン屋の挑戦』など著書多数。

おいしく食べて美しく 食べ物で紫外線対策

  連休が過ぎた頃に体調の異変を感じたり、無気力になったりする人がいるかもしれません。転勤など環境の変化を経験した人に起こりやすく、ストレスが大きな要因だと考えられます。今回はお薦めの栄養素を三つご紹介します。
■ ビタミンB6  魚・肉などのタンパク質に多く含まれるビタミンB6は、幸せホルモンと呼ばれているセロトニンの合成に必要な栄養素です。セロトニンが不足すると不安などを感じやすくなります。料理が苦手な方は魚の缶詰を利用すると手軽に取れます。
■ カルシウム  大豆製品・牛乳などの乳製品に含まれるカルシウムには、神経の興奮を抑制させる働きがあります。ストレスがたまりやすい人にもお薦めの栄養素です。カルシウムの吸収を促進させる働きがあるビタミンDと一緒に取るとさらに良いでしょう。ビタミンDはキノコ、サケなどに含まれています。サケにチーズをのせてトースターで焼くと手軽においしく食べられます。
■ 食物繊維  野菜などに含まれる食物繊維には、血糖値の急上昇を抑える働きがあるため、毎食取るようにしましょう。うどんなどの炭水化物だけでは、食後に血糖値が急上昇し、その後急降下するなど血糖値の乱高下を招きます。血糖値の乱高下は、イライラや気持ちの落ち込みにつながることが分かっています。野菜から食べる「ベジタブルファースト」を実践すると血糖値の急上昇を防ぎ、気持ちも安定しやすくなるでしょう。
野菜をたくさん入れたみそ汁がお薦めです。食物繊維をしっかり取ることができ、体が温まることで気持ちが落ち着き、リラックス効果も期待できます。  おいしく食べて心も体も健康で過ごせる体づくりをしたいですね。

栄養士●吉田 理江(よしだ りえ)
飲食店勤務後、料理研究家のアシスタントを経て独立。栄養指導、健康・ダイエットレシピの作成やコラム執筆、セミナー講師など幅広く活動中。
薬膳アドバイザーやアンチエイジング料理プランナーなどの資格も多数取得。

お天気カレンダー 陽性と陰性の梅雨

 万物は陰と陽でできているという「陰陽説」という考え方があります。陰は静的で消極的で、陽は動的で活発なイメージです。
梅雨にも、陰性の梅雨と陽性の梅雨があります。陰性の梅雨は、しとしととした雨がだらだらと降り続くもので、関東や東北の太平洋側に多い降り方です。一方で、陽性の梅雨は、ザーザーと激しい雨が何日か降り続き、その後何日か梅雨の中休みで晴れ間が広がるようなめりはりのある降り方です。西日本では、このタイプの梅雨が多くなります。
ところが、近年はしとしとタイプの梅雨があまり現れず、関東でも陽性の梅雨になることが増えてきています。その分、梅雨の期間に晴れ間が出ることも多くなりますが、大雷雨になったり、大雨による災害が起こりやすくなったりします。暖かい湿った空気が流れ込みやすくなったことが原因です。これも地球温暖化の影響の一つといえそうです。


気象予報士・防災士 檜山 靖洋(ひやま やすひろ) 1973年横浜市生まれ。
明治大学政治経済学部政治学科を卒業後、印刷会社に就職。
1999年に気象予報士を取得し気象会社へ転職。 2005年からNHKの気象キャスターに。
朝のニュース番組「おはよう日本」の気象情報に出演中。



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