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お役立ち情報コラム

今月の農業(2019年2月)





水稲

◎平成31年産米の重点技術対策

  平成30年産米は夏の記録的な高温や連続して襲来した台風の影響などにより、一部品種を除いて白未熟粒や倒伏、穂発芽などが多発し、大幅な減収、品質不良となりました。 これからは、「環境こだわり米の安全安心でおいしい米」を安定的に供給し、消費者の信頼を高めることが特に重要です。
 今年は、JAグリーン近江統一の「特別栽培米」を重点に、ブランド確立をめざし、米づくりの基本技術を再確認し、「土づくり」からはじめましょう。

 

 ◎水田には堆肥を入れよう 

  土づくりは、「有機物を補給すること」「稲に必要な養分をバランスよく蓄えること」「根張りをよくすること」が基本です。堆肥や「とれ太郎」などを施用し、深耕を行いましょう。
 堆肥の施用は、作物の養分を与えるだけではなく土壌の物理性や化学性を改善し作物が生育しやすい環境を作ります。毎年の散布適量は、通常1~2t/10a位です。多すぎると水稲の生育過剰による倒伏の原因になるので注意してください。㈱グリーンサポート楽農では、堆肥散布の作業を実施しています。詳しくは、当JA営農振興課または各支店営農経済課へご相談ください。

 

◎「とれ太郎」などの土づくり肥料を散布しよう

  健全な生育を促進し、米の食味向上を図るためには、「とれ太郎」などのリン酸、珪酸、鉄分、苦土、石灰などの養分がバランスよく含まれた肥料を補給することが重要です。また、カドミウムの抑制対策としても石灰分が含まれた肥料が必要です。「安全・安心な米づくり」対策としても土づくり肥料は重要です。
 散布時期は、秋耕起前に散布すると省力的ですが、まだ散布できていない場合は、春耕起前に散布すると秋散布と同様の効果が期待できます。


 当JAでは、土づくり肥料散布用のブロードキャスタを装着したトラクタを準備していますので、ご希望の方は、各支店営農経済課までご相談ください。

 

 

◎耕起は15㎝以上に、稲わらはよく腐らせる

  耕起作業は、土を砕く、前作物残渣や雑草をすき込んで腐熟を促進させる、通気性・保水性をよくする、有機態窒素を無機化させる(乾土効果)等の効果があります。また、深耕は胴割粒の発生を少なくする効果もあるといわれています。はじめにプラウで反転耕を行ない、表面の土がよく乾いたときにロータリ耕を行うのが理想です。
 稲刈り後にロータリで秋耕を行ったときには、冬の間に春の代かきまでに、ほ場が乾いた時期を見計らって1~2回耕起を行い、稲わらや雑草をよく腐熟させておきましょう。
 耕耘前に、とれ太郎や堆肥などの土づくり資材をまだ散布してない場合には必ず散布してから耕起してください。

 

 ◎畦塗り

 水もちが悪いと肥料や農薬成分が流亡しやすく、肥料や除草剤の効果が悪くなるばかりか環境にも悪影響を与えます。畦塗りは、土壌に適度な水分のある時期を見計らって実施しましょう。畦を長持ちさせるためには、畦塗りのあと、畦の土が乾燥してしまわないよう早めに湛水し、畦の乾燥・ひび割れを防止しましょう。

 

 ◎代かき・均平はていねいに!!

 代かき作業は、通常、水田ハローを使用しますが、水の量が多すぎると、わら等の有機物が浮きあがったり、ほ場の凸凹がわかりにくくなります。代かきの水量は、水面から土が半分以上見える程度で行いましょう。
 凸凹の水田では、凸の部分に雑草が生えやすく、凹の部分には苗が冠水したり、直播水稲の発芽・苗立ちがよくない、ほ場全体の排水がうまくできない等の問題が発生します。
 多少の凸凹は代かき時にハローで手直しできますが、ほ場が大きい場合や運土量が多い場合には、レーザーレベラのような機械で均平作業を行います。

 

◎薄播き・健苗育成・細植え
 健苗育成の基本は薄まきです。稚苗1箱当たり播種量は、乾籾で120~150g(催芽籾重は2割増し)とし、太い健苗を育てます。田植は、1株当たり平均3~5本植とします。
 太植えにすると、茎が細くなって倒伏しやすくなり、登熟も低下するので、健苗細植えを励行しましょう。

 

 ◎施肥
 当JAの栽培ガイドラインを参考に、品種・栽培時期・栽培方法などに応じて適量を施用しましょう。堆肥を施用した場合や大豆跡では元肥を3~5割程度減らすなど、輪作体系や施肥方法を考慮した施肥が重要です。
 なお、今年から、環境こだわり栽培を基本に当JA管内共通の特別栽培米をおすすめしています。詳細は、各地域の環境こだわり米部会や各支店営農経済課にご相談ください。
 元肥は、側条施肥以外では、入水前にほ場全面に施用し作土層によくすき込んでおいてください。

 

 ◎「元肥一発施肥」

 緩効性肥料が入った肥料で、元肥と追肥・穂肥を一緒に兼ねた肥料です。元肥分が少なめで、追肥分があまり早く溶出してこない、「じっくり型」タイプの肥料です。通常は元肥を施用するだけで、追肥・穂肥はいらないので大変省力的です(天候・土壌条件により追肥が必要な場合があります)。
 当JAでは、環境こだわり栽培の「みずかがみ」では「みずかがみ基肥一発」を、コシヒカリ・キヌヒカリには「楽すけ(早生用)」、日本晴・ヒノヒカリには「有機入りセラコートR355(中晩生用)」などをおすすめしています。
 「一般栽培」では、「これいいね」と「すご稲」の早生用と中晩生用をそれぞれおすすめしています。

 

 ◎除草剤散布

  除草剤を効果的に使用するには、水管理がなにより重要です。散布時期と散布量は薬剤の包装容器に記載されている説明をよく読んで正しく使用してください。
 除草剤を効果的に使うには、ほ場の表面を均平にし、土が見えない程度に水を張ってから、水口と尻水戸をしっかりと止めてから除草剤を散布してください。
 水もちが悪い田では、あぜ塗りを行うとともに代かきを特にていねいに行い、少しでも水が長持ちするように工夫しましょう。
 水もちが悪い田では、除草剤散布前に苗が沈まない程度にやや深水を張ってから除草剤を散布してください。水が早く減るのを防ぐためにチョロチョロ水を入れ続けると除草剤の効果が非常に悪くなります。除草剤散布後少なくとも3日以上は水を動かさないようにし、水がなくなったら静かに補給してください。

 

 






麦の品質向上と増収は排水対策がキメテ

 今年の麦は、全般には発芽も順調で生育旺盛ですが、これから、湿害の影響が顕著になる時期です。特に、幼穂ができ始める2月頃から出穂期頃に湿害を受けると、根の活力が著しく悪くなり、葉が黄色く枯死し、たんぱく含量などの加工適性に関係する成分品質が悪くなります。毎年、春には雨が続く時期がありますので、湿害を防ぐ対策が特に重要です。

 降雨後の表面水が数時間以内に排出するよう、今一度、排水溝を確認してください。

 麦の湿害対策の秘訣は、「ほ場の表面水が土壌中にしみこむ前に排除すること」です。

●土壌中に水が浸透するまでに表面の水を排除できるよう、ほ場内の溝さらえを徹底してください。

●土壌中に浸透した水を早く排除するには、暗渠排水やサブソイラによる心土破砕やプラウによる反転耕耘が有効です。
 緻密な土壌や地下に硬盤がある場合には麦を播種するまでに実施してください。

●畝立てには、麦を地下水位から遠ざけ、土壌の表面積を増やして空気の流通をよくする効果があります。
 土壌条件と機械の作業幅にあわせて実施しましょう。

 
◎穂肥の施用

 元肥に、「麦パンチ」を基準どおり施用した場合には穂肥えは不要です。「麦用セラコートR2500」を施用した場合には元肥と同じ「麦用セラコートR2500」を施用してください。
 穂肥の時期です。平成31年産麦栽培ガイドラインを参考に適期に施用してください。 〈参考〉麦の湿害発生のしくみ


 麦は湿害を受けると写真のように、生育が著しく悪くなり品質・収量に影響します。湿害は、雨や雪解け水、隣接水田からの漏水などによって、土壌中の水分が過剰になり根の周辺が酸素不足になることが原因です。

 麦は、幼穂ができ始めてから湿害の影響が一段と強くなり、収量・品質に影響しやすくなるので、今からでも、土壌中に過剰な水分を溜め込まないよう、排水対策を工夫しましょう。
 ほ場の表面が低地にあったり、地下に粘土層や鋤床などがあると、水が浸透せず、地下水位が上昇し、土壌中の空間に水が充満し空気不足の状態になります。
 根の周辺が空気不足の状態になると、根の呼吸や土壌中微生物の呼吸によって、土中の酸素が消費され、一段と酸素不足の状態が進みます。
 春先になって、気温、地温が上昇すると、作物や微生物の活動が活発になり、酸素をたくさん使うので、ますます酸素不足の状態がさらに顕著になります。麦は、酸素不足になると根の呼吸が妨げられるので、根の活力が悪くなり、麦株全体の生長が衰えます。
 さらに、土壌中の酸素不足の状態が続くと窒素肥料中の酸素が消費され、脱窒素現象によって窒素成分が失われてしまいます。さらに酸素不足が進むと、鉄、マンガン、イオウが有害な形で蓄積します。
 その結果、麦の葉は黄化し、光合成を行う能力が落ち、茎や穂に貯える養分の蓄積が衰えます。著しい場合には株ごと枯死します。

農作業安全に注意しましょう!!

 建設業や製造業などでの労災事故は過去と比べると大幅に減少していますが、農作業事故は横ばい傾向で、特に、死亡事故や重傷事故が毎年発生しています。特に、本県で発生の多い事故は、コンバイン、刈払機、トラクタの順の発生件数となっています。一昨年に、県が県内の農業集落代表者に行った調査では、全体で40件(うち死亡3件重傷18件)の事故が報告されており、年代別では、7割が60歳以上です。

事故防止の基本的な注意事項

①格納庫及びその周辺

●格納庫内や周辺の整理整頓を行う。

●格納庫内の採光や照明、換気を十分にする。

●道路への出入りに十分なスペースを確保し、見通しをよくする。

②服装・装具のチェック

●袖口のしっかり閉まる作業着、ヘルメット・手袋・安全靴を着用する。

●首タオルや腰タオルは禁物!

③作業内容・場所・時間の確認と共有

●時間に余裕をもって、無理のない作業計画を立てる。

●作業計画はオペレータだけでなく作業者全員が共有する。

●緊急連絡用の携帯電話の確認も(電池切れに注意)。

 

④使用する機械の点検

●基本的な始業点検を必ず行う。

●空気・水・油についての点検と、グリスアップは必ず行う。

●保安部品(制動灯・後退灯・方向指示器・前照灯・警報器等)の確認を忘れずに行う。

●可倒式安全フレームは起こして、しっかりと固定する。

⑤作業機の確認

●部品や外観に異状はないか。

●必要に応じて、揺動・摺動する所への注油を行う。

●作業機の取付方法は正常に行われているか、ボルトやナットの欠損や曲がり、折れはないか。

⑥作業機の着脱

●作業機の着脱は、平坦なところで行う。

●機械へ乗車する前には周りに危険がないか確認をしてから乗車する。

●作業機昇降装置の確認を行う。

●作業機を外す場合、作業機が安定するよう、補助具がある場合は必ず付けてから行う。

●作業機の着脱時は必ずエンジンを停止する。

●作業機の脱着を行うときは、トラクタと作業機の間には絶対入らない。

●作業機の装着方法・順番・調整は確実に行う(クイックヒッチの場合の着脱は、周囲の人に注意しながら慎重に行う)

●作業機装着後は、正常に作動するかを確認。油圧装置を利用するものは、油圧ホースの接続を確認する。

⑦格納庫から道路へ出るとき

●トラクタの周りを確認してから乗車する。

●エンジン始動後、エンジンの音と排気ガスの色を確認する。

●作業機昇降装置の確認を行う。

●左右ブレーキの連結を確認する。

⑧道路走行上の注意

●一般車両より速度が遅いことを自覚し、他の交通車両の走行を妨げないように注意する。
 対向車両等と離合する場合は、路肩や壁などに寄りすぎないよう注意する。

●道路交通法を遵守して走行する。

*農業機械は道路運送車両法ではほとんどが小型特殊自動車に区分されますが、道路交通法の運転免許の区分では大型特殊免許が必要となるものがあるので注意してください。

*ほ場の中でトラクタを運転するのに免許は必要ありませんが、不特定多数の者が自由に通行できる場所(一般の道路のほか駐車場や公園を含む)を通行する場合には運転免許証が必要です。

●免許の種類

*長さ4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.8m以下、最高速度15㎞/h以下の全ての条件を満たす場合は小型特殊自動車免許が、1つでも条件を超えれば大型特殊免許が必要になります。

*道路を走行する場合は、道路運送車両法により、車両登録(ナンバー取得)が必要です。

*道路運送車両法では、農業用トラクタは、最高速度が35㎞/h以下であれば小型特殊車両となり、市町村が交付する小型特殊自動車用のナンバープレートが必要です。

⑨ほ場への侵入

●トラクタから降りて進入路を確認する。

●走行ギヤは低速にし、ゆっくりと侵入。

●作業機など長い場合や広い場合は、畦や立木等にぶつからないように注意する。

●草が多く、側溝などが見えにくい場合は草刈りを、その他障害物がある場合は目印を付ける。

⑩ほ場からの退出

●進入路の傾斜角を小さくしましょう。進入路付近は、耕うんにより進入時より深くなっている場合があるため、慎重に走行する。

●ほ場から退出するときは、進入路の傾斜にそって垂直方向に走行する(斜面に対して斜めに上がると転倒する危険があるので注意)。

●また、作業中左右ブレーキの連結を外していた場合は、進入路に入る直前に連結する。

●トラクタに付着した泥や土は、ほ場内か進入路で落とし、公道を汚さないようにする。

●格納してトラクタを降りるまで気を抜かずに、注意しながら安全な行動をとる。  

 

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