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お役立ち情報コラム

今月の農業(2019年10月)

米

来年の稲作に向けての準備

◎水田の雑草の多い田には反転プラウ耕が効果的!!
 今年は、田植後に「藻」が多く発生し、除草剤の効き目が悪かったり、苗の生育が不揃いになった圃場が目立ったようです。
 「ワキ」や「藻類、表層剥離」は、雑草や稲ワラ、堆肥などの有機物を未熟な状態で鋤き込み、水温、地温20~30℃で湛水状態が続くと微生物が活発に活動し、有機物の分解により藻類が発生しやすくなります。
 この現象を防ぐには、春先の代かき時に雑草や稲ワラ、堆肥などの有機物を未熟な状態で残さないことが大切です。
 水稲の収穫作業が終わったら、なるべく気温が高い時期に「とれ太郎」などの土作り肥料や堆肥などの土作り資材を散布し、プラウによる反転耕耘を実施してください。また、冬期間は水田の水はけをよくし、乾燥した時期を見計らって1~2回深耕し、雑草や有機物などを十分腐熟させるようにしてください。プラウ耕ができないときには、土がよく乾いた時期にロータリ耕で、できるだけゆっくりした速度でなるべく深く粗目に何度か耕耘してみてください(湿田状態でこね回すことは避けてください)。
 この作業は水田の土作りとしても大変重要な作業です。ぜひ実行してください。

藻を退治する秘訣
 田植後に藻が大量発生したときは、夜間に落水して翌日に灌水するなどして、新しい水に入れ換えてみましょう。
 大雨が降れば、藻や表層剥離、ワキは自然に消滅しますので、水の入れ換えは不要です。
 また、水温が30℃以上になれば、アオミドロや藻は死滅します。
 藻が発生したままで除草剤をまくと、ジャンボ剤やフロアブル剤の拡散が悪くなるので除草効果が著しく低下します。除草剤を撒く前に水を入れ換えるなどの対策をしておきましょう。

◎水田の均平作業
 近年、転作跡や圃場の大区画化によって、田面の「凸凹」が目立つようになって来ました。水田の「凸凹」は、「凸」の部分は雑草が生えたり除草剤が効かない、「凹」の部分では苗が冠水したり、生育が遅れたり、圃場全体の排水がうまくできない等の不都合が起こります。
 今年も、一発除草剤の効果が十分でなく、中期剤を追加散布されたところもかなりあったようですが、除草剤の効果は、散布時の水管理で大きく変わります。つまり、除草効果を高めるためには、田面を均平にならし、畦などからの水漏れを防いで、一定期間(少なくとも4~5日間)は4~5㎝の水深を保つことが重要です。
 圃場が小さい場合や「凸凹」の差が少ない場合には、水稲作付け時に、耕起や代かきのときに手直しができますが、圃場が大きい場合や「凸凹」の差が多い場合には、レーザーレベラーのような機械で均平作業を行います。

「レーザーレベラーによる均平」
 レーザーレベラーは、レーザー発信機によって田面の高さの基準となるレーザー光線を水平に発光し、トラクタの作業機が田面の高さと基準の高さとの差を検知して土を削ったり盛ったりして田面を均平化にする機械です。
 均平作業を行うときは、田面の雑草や作物残渣などをプラウで耕起し、田面をきれいにしてから田面がよく乾いたら写真のようにレーザーレベラーで均平作業を行います。レーザーレベラーの機械は写真のようにトラクタ本体に直接装着する方式と牽引する方式があります。圃場の区画が30 a以下の場合など区画が狭い場合にはトラクタ本体に直接装着する方式が小回りしやすいようです。
 均平作業ができたら、圃場の周囲に溝を付けて田面がよく乾くようにしておきましょう。

◎土作り
「水田には堆肥を入れよう」

 昔から「稲は地力で作る、麦は肥料で作る」と言われます。堆肥を施用すると、作物の生育に必要な養分を補給するとともに、土壌の物理性や化学性を改善し、作物が生育しやすい土壌環境を整えます。稲の収穫作業が終わったらなるべく早く稲ワラや麦ワラなどの作物残渣とともに牛糞などの家畜糞尿をよく醗酵させたものを散布してください。散布する量は、一般的には10a当り1~2tくらいが適量です。
 多すぎると水稲が生育過剰になったり、還元障害が起きたりするので注意してください。
 なお、土作りには、堆肥などの有機物と合わせて「とれ太郎」などの作物の必須養分を補給することが重要です。完熟堆肥が散布できないときには「ふりかけ堆肥エコ」を10a当り60~80㎏程度と「とれ太郎」などを散布してください。土作りを徹底すると、異常高温や冷害などの気象変動に対する作物の抵抗力も強くなります。

「プラウ耕のすすめ」
 プラウで反転耕耘を行うと、表面の土、雑草、ワラなどを土中に埋め込み、下層の土を表面に引き出す反転効果と、硬くなった耕盤を砕いて作物の根を生育しやすくする効果があります。また、土層は適度な粗さになり、空気を含みやすく、排水もよくなります。
 一般にいうプラウは、トラクタで牽引しながら、金属や樹脂を貼り付けた曲面で土壌を切断し、反転していきます。水田で40~60馬力級で牽引する場合、16インチ2連のプラウで耕幅は80㎝、耕深は約20~30㎝程度となります。水田で使用する場合には、リバーシブルプラウを使用すると土の移動が少なくて能率的です。
 駆動ディスクプラウは、PTO動力でディスクを回転させて土を反転させる方式です。4~6枚の円板を回転させ、土壌を内側に反転します。刈り株の埋め戻しや水田の荒起こし作業を能率よくできます。トラクタの大きさは、ディスク4枚で25馬力程度、ディスク6枚で30~40馬力程度の小型で可能です。ディスクプラウは、円板が回転するのでロータリ耕耘と同じ感覚で簡単に作業ができます。また、土中に石や根株等の障害物があっても乗り越えることができ、機械を損傷することなく作業は能率的です。

「麦作予定地にもプラウ耕を!」
 麦作予定地には土力じまんや完熟堆肥を散布し、反転プラウ耕や弾丸暗渠を施行すると排水対策が同時に行えます。良質な麦を安定的に多収するためにぜひ実行しましょう。
 プラウ耕や弾丸暗渠の効果を発揮するためには、「施行後に土が十分乾燥」してから播種作業を行うことが大切です。稲の収穫が終わったら、直ちにプラウ耕と圃場周囲の排水対策を行いましょう。





小麦「農林61号」を多収性品種「びわほなみ」に本格転換

 全国の小麦主産地県で60年以上栽培されてきました「農林61号」は関東の主産地県などで、「縞萎縮病」など防除困難な病害が蔓延し、新品種に変換されてきました。その結果、「農林61号」の主産県は本県だけとなり、国内産麦に占める「農林61号」の存在感が大変小さくなりました。
 一方、農業経営全般の情勢を鑑みますと、平成30年度から米の直接支払い交付金(7,500円/10 a)が廃止されたことから、担い手農家や農業法人では、これにかわる収益性確保の方策を強く求められています。
 そのため、当JAとしましては、県の指導方針もあって、実需者の評価がよくて多収性の「びわほなみ」という新しい小麦品種を本格的におすすめしていくことになりました。
 今秋の播種は、種子確保の都合で八幡東支店管内と八幡西支店管内を中心に転換するとともに、他の各支店管内においては試験栽培をすすめ、収量・品質・病害虫抵抗性など栽培上の特徴を確認し、今後に備えることになりました。
 令和2年秋播きは、長田CE・安土CE・大中の湖CEの区域を「農林61号」から「びわほなみ」に本格的に転換予定、令和3年秋にはすべての地区で「農林61号」から「びわほなみ」に転換していく予定です。
 なお、今年から大麦も従来の「ミノリムギ」から「ファイバースノウ」にすべて変わりました。

びわほなみの特徴
 「びわほなみ」は「農林61号」より成熟期が3~4日程度早い、短稈、多収で品質評価も良好ですが、赤かび病にやや弱いという欠点がありますので、従来の「農林61号」より施肥や防除の方法が若干変わります。
 特に、出穂開花期頃には赤かび防除を2回実施し、赤かびの発生が多い年にはさらにもう1回追加防除が必要です。

麦作りの詳細は「令和2年産麦栽培ガイドライン」をご参照ください。

栽培ガイドライン改定の要点
①播種後の初期除草剤に「リベレータ-G」が登場(大豆には使えません)
②春雑草防除(カラスノエンドウ等)に安くて手軽な「MCPソーダ塩」を紹介
③スズメノテッポウ・ハルタデ等には「ハーモニー75DF」を紹介
④「びわほなみ」赤かび病防除2回目に 「チルト乳剤25」を紹介
⑤「びわほなみ」専用施肥設計を紹介

〈すべての麦類〉
品質向上と多収は排水対策がキメテ

 麦類は、種を播いてから芽立ちするまでに湿害にあうと、芽立ちが非常に悪くなり、収量や品質に致命的なダメージを受けます。
 また出穂期以降に湿害を受けると、根の活力が悪くなって葉が黄化枯死し、子実の充実が悪くなり、収量や外観品質、加工適性に関係する成分品質が著しく劣化します。
 このような湿害を回避するためには、降雨後、数時間以内に表面水がすべて地下へ浸透するか、排水溝に排出されるような対策を講じておくことが重要です。圃場の表面排水と暗渠を組み合わせて排水すると効果的です。
 稲刈り直後に圃場周囲の排水溝つくり、弾丸暗渠、反転プラウ耕など状況に応じて工夫してみましょう。





麦

 大豆の収穫適期は大部分の葉が落ちて莢が「カラカラ」と音を立てる時期です。
 コンバインで刈り取るときは、莢が音を立てるようになってから1~2週間後、茎全体の緑色がなくなり手で茎が簡単に折れるようになった時期が収穫適期です。コンバイン収穫では、茎の高い雑草や生葉のついた大豆(青立ち大豆)が残っていると雑草の実や茎の汁が大豆についてしまうことがあります。圃場内の雑草は収穫前には必ず取り除いてください。また、刈り取るときにはコンバインの機体を水平に保つようにし、土を刈り込まないよう注意しましょう。

最近増加している外来雑草に注意
 収穫時に混入すると大豆を汚染するので、確実に抜き取ってください。アサガオ類などのつる性の雑草も同様です。

コンバイン収穫のポイント
●作業時間は、朝露がなくなる11時過ぎから。
●収穫の前には大豆雑草と生葉のついた大豆の茎(青立ち大豆)を確実に抜き取る。
●作業前には、グレンタンク内をこまめに清掃し、作業中にも、時々、タンク内を確認し、土砂や汚粒の混入がないか注意しましょう。

刈払機・ビーンハーベスタによる収穫
●刈取作業を日中に行うと莢が割れやすく、脱粒による損失が多くなるので朝夕の莢水分の多い時間帯に行ってください。
●脱粒作業は、子実水分が高いと脱粒しにくく、汚粒も発生しやすいので地干しや島立てによって子実水分18%以下まで乾燥させてから脱粒作業を行ってください。

乾燥・調製
●仕上げの穀粒水分13.5%です。
 大豆の乾燥は、原則、常温通風乾燥です(火力乾燥はしわ粒が発生しやすいのでなるべく避けてください)。
●異品種、異種穀粒、異物等の混入防止のため、収穫・乾燥・調製作業の前には、機械・搬送用フレコン等を確実に清掃しましょう。





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