トップページ > お役立ち情報コラム > 今月の農業

お役立ち情報コラム

今月の農業(2018年10月)





来年の稲作に向けての準備


◎水田の均平作業
 近年、転作跡や圃場の大区画化によって、田面の「凸凹」が目立つようになってきました。水田の「凸凹」は、「凸」の部分は雑草が生えたり除草剤が効かない、「凹」の部分では苗が冠水したり、生育が遅れたり、圃場全体の排水がうまくできない等の不都合が起こります。
 今年の稲作でも、一発除草剤の効果が十分ではなく、中期剤の散布を行われたところもかなりあったようですが、除草剤散布時の水管理が除草効果を大きく左右します。除草効果を高めるためには、田面を均一にし一定の水深を数日間保つことが重要です。
 圃場が小さい場合や「凸凹」の差が少ない場合には、水稲作付け前の耕起や代かきのときに手直しができますが、圃場が大きい場合や「凸凹」の差が多い場合には、レーザーレベラーのような機械で均平作業を行います。

○レーザーレベラーによる均平
 レーザーレベラーは、レーザー発信機によって田面の高さの基準となるレーザー光線を水平に発光し、トラクタの作業機が田面の高さと基準高さとの差を検知して土を削ったり盛ったりして田面を均平化にする機械です。
 均平作業を行うときは、田面の雑草や作物残渣などをプラウで耕起し、田面をきれいにします。田面がよく乾いたら写真のようにレーザーレベラーで均平作業を行います。レーザーレベラーの機械はトラクタの本体に直接装着する方式と写真のように牽引する方式があります。圃場の区画が30アール以下の場合など区画が狭い場合にはトラクタ本体に直接装着する方式が小回りしやすいようです。
 均平作業ができたら、圃場の周囲に溝を付けて田面がよく乾くようにしておきましょう。

 ◎土づくり

○水田には堆肥を入れよう

 昔から「稲は地力で作る、麦は肥料で作る」と言われます。堆肥を施用すると、作物の生育に必要な養分を補給するとともに、土壌の物理性や化学性を改善し、作物が生育しやすい土壌環境を整えます。稲の収穫作業が終わったらなるべく早く稲わらや麦わらなどの作物残渣とともによく発酵した牛糞や豚糞などの堆肥を散布してください。散布する量は、一般的には10 a当り1~2tくらいが適量です。
 多すぎると水稲が生育過剰になったり、還元障害が起きたりするので注意してください。
 なお、土づくりには、堆肥などの有機物と合わせて作物の必須養分を補給することが重要です。完熟堆肥が散布できないときには「ふりかけ堆肥エコ」を
10a当り60 kg程度施用し、「とれ太郎」などの土づくり肥料を散布すると効果的です。

プラウ耕のすすめ
 プラウで反転耕耘を行うと、表面の土、雑草、わらなど土中に埋め込み、下層の土を表面に引き出す反転効果と、硬くなった耕盤を砕いて作物の根を生育しやすくする効果があります。また、土層は適度な粗さになり、空気を含みやすく、排水もよくなります。
 一般にいうプラウは、トラクタで牽引しながら、金属や樹脂を貼り付けた曲面で土壌を切断し、反転していきます。水田で4060馬力級で牽引する場合、16インチ2連のプラウで耕幅は80㎝、耕深は約2030㎝程度となります。水田で使用する場合には、リバーシブルプラウを使用すると土の移動が少なくて能率的です。
 駆動ディスクプラウは、PTO動力でディスクを回転させて土を反転させる方式です。4~6枚の円板を回転させ、土壌を内側に反転します。刈り株の埋め戻しや水田の荒起こし作業が能率よくできます。トラクタの大きさは、ディスク4枚で25馬力程度、ディスク6枚で3040馬力程度の小型で可能です。ディスクプラウは、円板が回転するので土中に石や根株等の障害物があっても乗り越えることができ、機械の損傷を防ぐことができます。一方でボトムプラウと比べて、耕深が安定しにくく、土壌の反転が少し劣ります。

麦作予定地にもプラウ耕を!
 麦作予定地には土力じまんや完熟堆肥を散布し、反転プラウ耕や弾丸暗渠を施行すると排水対策が同時に行えます。良質な麦を安定的に多収するためにぜひ実行しましょう。
 プラウ耕や弾丸暗渠の効果を発揮するためには、「施行後に土が十分乾燥」してから播種作業を行うことが大切です。稲の収穫が終わったら、直ちに行いましょう。

 





麦類

 小麦に求められる品質は、外観品質のほかに、「たんぱく質の含量」や「でんぷんの粘り」「灰分」など成分品質の向上も重要です。実需者に信頼される産地づくりを目指して、高品質麦の安定生産に取り組みましょう。なお、当JAでは、小麦は「農林61号」を主力品種としていましたが、平成31年産からは「びわほなみ」という新しい品種を本格的におすすめしていきます。種子確保の都合で地域を限定して、今年は八幡東支店管内を中心におすすめします。
 「びわほなみ」は「農林61号」より若干草丈は短く、わずかに早めに収穫できますが赤かび病に弱いという欠点があります。なお、大麦も従来の「ミノリムギ」から「ファイバースノウ」にかわります。

 

 麦類の品質向上と増収は排水対策がキメテ
 麦類は、種を播いてから芽立ちするまでに湿害にあうと、芽立ちが非常に悪くなり、収量や品質に致命的なダメージを受けます。
 また出穂期以降に湿害を受けると、根の活力が悪くなって葉が黄化枯死し、子実の充実が悪くなります。このため、収量や外観品質、加工適性に関係する成分品質が著しく劣化します。
 このような湿害を回避するためには、降雨後、数時間以内に表面水がすべて地下へ浸透するか、排水溝に排出されるような対策を講じておくことが重要です。圃場の表面排水と暗渠を組み合わせて排水すると効果的です。詳しくは本誌9月号をご覧ください。
 注意事項は栽培暦に記載していますが、詳しくは各支店営農経済課または、担当地域のTACにご相談ください。

 

 
◎上手な播種作業のポイント

 
○播種前の準備
 排水対策、土づくり、雑草防除が何より重要です。排水対策、土づくりは前記のとおりです。
 播種予定地は排水対策とともに土づくりを徹底しましょう。土力じまんとともに、優良な堆肥や石灰窒素を散布し、プラウで深耕すると「土づくり+雑草対策+排水対策」の効果が得られます。堆肥が入手しにくいときはふりかけ堆肥エコを60 kg10a施用してください。
 ㈱グリーンサポート楽農では、堆肥散布、プラウ耕、弾丸暗渠の施行や麦の播種作業の請負を行いますのでご利用ください。

 

雑草・病害虫防除
 近年、麦の収穫前に雑草が増加し、収穫物にまで雑草種子が混入する例が多くなっています。プラウによる反転耕が大変有効ですが、プラウ耕ができない場合や雑草が特に多い圃場では、稲収穫後、全面耕起の前にラウンドアップマックスロードを10a当り300mlを適量の水に薄めて圃場全面にムラなく散布してください(詳しくは農薬の容器のラベルをよく読んで適正にご使用ください)。

 

●種子消毒 
 ベンレートTコートを乾燥種子1
kgあたり5g粉衣

 
●黒節病対策 
 近年、黒節病が増加しています。
 この病気は薬剤では防除しがたいので、採種圃場産の健全な種子を使用し「早播き・厚播き・多肥・湿害」を避けるようにしましょう。
 平坦地では10月中に播種すると発病が多いようです。11月上中旬の適期播種を励行しましょう。

 
●播種適期 
 11月上旬(国道307号線より東の地域は10月下旬から可能)

 
●播種量 
 10aあたりすじ播きで6~8㎏、散播で8~10㎏。必ず種子更新を行いましょう。  

 
●参考 
 播種深は、2~6㎝が適当です。乾燥地ではやや深め、やや多湿条件では浅めに播種・覆土します。深まきで降雨にあうと発芽苗立ちが非常に悪くなります。
 播種後の除草剤は表面の土が白く乾燥するまでに散布してください(降雨が予想されるときは散布しない)。

 

  





大豆

 収穫適期は大部分の葉が落ちて莢が「カラカラ」と音を立てる時期です。コンバインで刈り取るときは、莢が音を立てるようになってから1~2週間あと、茎全体の緑色がなくなり手で茎が簡単に折れるようになった時期が収穫適期です。コンバイン収穫では、茎の高い雑草や生葉のついた大豆(青立ち大豆)が残っていると雑草の実や茎の汁が大豆についてしまうことがあります。圃場内の雑草は収穫前に必ず取り除いてください。また、刈り取るときにはコンバインの機体を水平に保つようにし、土を刈り込まないよう注意しましょう。


●最近増加している外来雑草に注意 
 収穫時に混入すると大豆が汚れますので、確実に抜き取ってください。アサガオ類などのつる性の雑草も同様です。

 

コンバイン収穫のポイント

・作業時間は、朝露がなくなる11時すぎから。

収穫の前には大豆雑草と生葉のついた大豆の茎(青立ち大豆)を確実に抜き取る。

・作業前には、グレンタンク内をこまめに清掃し、作業中にも、時々タンク内を確認し、土砂や汚粒の混入がないか注意しましょう。

 
◎刈払機・ビーンハーベスタによる収穫

刈取作業を日中に行うと莢が割れやすく、脱粒による損失が多くなるので朝夕の莢水分の多い時間帯に行ってください。

脱粒作業は、子実水分が高いと脱粒しにくく、汚粒も発生しやすいので地干しや島立てによって子実水分18%以下まで乾燥させてから脱粒作業を行ってください。

 

◎乾燥・調製

仕上げの穀粒水分13・5%です。大豆の乾燥は、原則、常温通風乾燥です(火力乾燥はしわ粒がしやすいのでなるべく避けてください)。

異品種、異種穀粒、異物等の混入防止のため、収穫・乾燥・調製作業の前には、機械・容器を確実に清掃しましょう。

 

 
TACメンバーのブログ

TAC グリーン近江

農作業をされる皆さんへ

平成26年産共同計算開示 ≪≫ ≪
平成27年産共同計算開示 ≪≫ ≪
平成28年産共同計算開示 ≪≫ ≪
平成29年産共同計算開示 ≪≫ ≪

バックナンバーへ戻る