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お役立ち情報コラム

家庭菜園&家庭園芸 (2019年6月)

私の食育日記  新ジャガ、新タマネギの季節

 この頃になるとスーパーでつい手に取ってしまうのが、新ジャガイモ、新タマネギです。
 暖かくなりだすと目にするこの新ジャガイモ、新タマネギ。通常、ジャガイモやタマネギは、収穫した後貯蔵され、その後一年中安定的に出荷されています。しかし、この新ジャガイモや新タマネギは収穫してすぐに出荷されます。また、新ジャガイモは通常より早めに収穫され、小粒で皮が薄くみずみずしいのが特徴です。新タマネギは通常のタマネギのように乾燥をさせていないので、柔らかく、辛味も少なくなります。まだまだ味付けもせず野菜本来の味を知ってもらいたい離乳食の時期には、この新ジャガイモと新タマネギはうれしい存在です。
 栄養面に注目していくと、新ジャガイモは普通のジャガイモよりもビタミンCが多く含まれます。さらに野菜は皮の近くが最も栄養が豊富な部分。皮が柔らかい新ジャガイモならば皮ごと食べられるため、より無駄なく栄養をいただくことができます。また、タマネギの栄養といえば、辛味成分である硫化アリルです。これはビタミンB1の吸収を助けてくれる他、血液をさらさらにして動脈硬化を抑えてくれるといわれています。そんな硫化アリルは水に弱いため、タマネギの辛味を取ろうと長く水にさらすと、この硫化アリルも水に溶け出してしまいます。また熱にも弱いため、生で食べることができる新タマネギは、タマネギのいいところを丸ごといただくことができます。加熱するときは油を使う方が成分を残したまま食べることができます。
 この二つに共通することは通常のものより水分量が多いということです。そのため、長期保存は向いていません。買ってきたら袋から出し新聞紙などでくるみ、風通しが良く、光の当たらない冷暗所への保存が必要です。取れたての野菜は、できるだけ早くおいしいうちにいただきたいです。

岡村 麻純(おかむら ますみ)
1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。


ベランダでできるキッチンガーデン  スイスチャード(ヒユ科フダンソウ属)

 チャードとはフダンソウのことです。アカザ科に分類されてきましたが、DNAが決める新分類ではヒユ科になりました。ヒユ科の野菜にはホウレンソウやビート、オカヒジキなどもあります。
 野菜が主に八百屋で売られていた時代、フダンソウは夏場の葉物として重宝されてきました。生産者と消費者がコールドチェーン(低温流通)でつながった現在は、夏でもホウレンソウや小松菜がスーパーに並んでいます。ホウレンソウや小松菜がいつでも食べられるようになると、フダンソウは泥臭いと嫌われ、ほとんど栽培されなくなりました。
 ところが、20世紀末にカラフルで癖の少ないスイスチャードが日本に導入され、直売所や家庭菜園で人気になりました。葉の軸が赤、白、黄色、それらの中間色にも分かれ、とてもきれいなので、観賞用として鉢植えや花壇の縁取りなどにも利用されています。
 フダンソウは暑さにも寒さにも強いので、漢字では「不断草」と書きます。スイスチャードはベランダでも簡単に栽培できます。
 深さ15cm以上のプランターに市販の培養土を入れ、条間15cmの筋まきにします。種は皮が厚いので、一昼夜水に漬けて十分吸水させてからまくと発芽が早まります。種が隠れる程度に覆土して、軽く鎮圧します。発芽するまで乾燥しないように、たっぷり水やりをします。
 子葉が開き切った頃から、葉と葉が重なり合った場所を間引いていきます。間引いた物は、ベビーリーフとしてサラダの色添えに利用できます。追肥は、1週間に1度、1000倍の液肥を施します。最終的に株間を15cmにします。
 草丈が10cmくらいになった物から順次収穫します。取り遅れると、アクが出て筋っぽくなります。若い葉を摘み取り収穫もできます。
 ホウレンソウと同じように、おひたしやあえ物、炒め物にご利用ください。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。


あなたもチャレンジ! もぎたての味を楽しむトウモロコシ

 もぎたての新鮮な味は格別で、夏の家庭菜園の立役者、スタミナ源としても魅力です。糖分の多いスイートコーンの品種改良は急速に進み、平成の初めごろに比べるとビタミンB群やCが約1.5倍に増えている物もあり、栄養価の充実した健康食材になっています。
 イネ科の作物なので、野菜畑の連作障害を避けるための輪作に組み入れるにも好適です。
 高温好み(適温は22~30度)なので、十分暖かくなってから種まきします。関東南部以西の平たん地では5月上旬以降が良いでしょう。図のように黒色ポリフィルムでマルチをし、株間30cmぐらいに、1カ所3粒まきし、育つにつれて間引き、草丈17~20cmになった頃間引いて1本立ちにします。
 粒がぎっしり付いた良品を得るには、雌穂に雄穂の花粉が十分に付くことが大切です。そのためには株数をある程度多く、1列植えよりも複数植えにしましょう。少ない株数で花粉不足が懸念されるときには、開花した雄穂の下辺りを手のひらで軽くたたいて花粉を散らし、下方の雌穂に付きやすくしてやりましょう。
 葉の働き(光合成)を良くするために、下の方から出た脇芽は取り除かないで葉数を多くします。また雌穂は上の方の一番大きい1穂だけ残し、他の小さい雌穂は取り除きます。
 追肥は草丈40~50cmの頃と、先端の雄穂が出始めた頃の2回、化成肥料を与えます。施肥量の目安は、1株当たり大さじ1杯としますが、前作の残渣(さ)が多く、葉の緑が濃く旺盛に育っていたら適宜量を減らしてください。2回目の追肥の後、株元が小高くなるほど土寄せし、株元の不定根を多く伸ばし風で倒れるのを防ぎます。
 収穫は絹糸の先が黒褐色に変色した(受粉後22~26日)ころです。先の方まで十分膨らんでいることを確かめてからもぎ取ります。
 近くに異品種があると、その受粉によって雌穂の粒に花粉親の形質が現れます。これをキセニアといいます。例えばあまり甘くないスイートコーンの近くで栽培すると、味や品質が著しく低下してしまいます。
 交雑率は花粉親株と種子親株の距離が離れるほど低くなり、距離0.3mの平均交雑率は23%、10~50mでは0.1~0.3%と極めて低くなるという調査データがあります。参考にしてください。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
板木技術士事務所●板木利隆


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