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お役立ち情報コラム

ライフ(2018年12月)

健康百科 胸焼けと胃食道逆流症

 食後や夜寝ているときに胸焼けが時々起こるという方はいませんか。もしそうであれば、胃液が食道に逆流する「胃食道逆流症」の疑いがあります。
 もともと食道と胃の境目には周囲を取り巻く筋肉(下部食道括約筋)で締められていて、普段は胃液を逆流させないための仕組みが備わっています。食物が食道から送られてくると、その筋肉が緩んで、境目が開いて食べ物が胃の中へと入ります。
 ところが、何らかの原因で境目を締めている筋肉が緩むと、胃液の逆流が起こります。食道が横隔膜を貫く部分を「食道裂孔(れっこう)」といいますが、特にお年寄りでは、胃の一部が横隔膜の上にはみ出す「食道裂孔ヘルニア」を伴うことが多く、そうなると食道と胃の境目は緩くなり、胃液の逆流が起こりやすくなります。
 若い年代でも、限度を超えて食べ過ぎたり飲み過ぎたりすると、やはり境目が緩んで胃液の逆流が頻繁に起こります。特に夜遅い時間に多量に飲食した後、すぐ寝ると、姿勢の影響もあって、より逆流が起こりやすくなります。
 胸焼けが週に1~2回ある人は一度受診する必要がありますが、胃食道逆流症と診断された場合は、食生活など日常生活の見直しが必要です。まず食べ過ぎ、飲み過ぎないこと、食べてすぐ横にならないことです。食後1~2時間は横になるのを避けます。
 食べ物としては、肉類など脂肪の多い食べ物、チョコレートや和菓子などの甘い物、アルコール飲料を取り過ぎないことが大切です。

佐久総合病院名誉院長 松島松翠

お米で健康 摂取エネルギー(カロリー)は増えている?

 さて、クイズです。戦後(1945年)と現在の日本人。1日に摂取しているエネルギー(カロリー)はどのように変化したでしょう。増えたでしょうか?
 減ったでしょうか? それともあまり変わらないでしょうか?昔の日本人の体形を思い浮かべると、スマートで、でもパワフルで力のあるような姿がイメージされます。それに比べて現在はメタボリックシンドロームを懸念するように、肥満気味の人が増えています。
 そこから考えると、カロリーは増えたように思いますが、なんと減っているのです。ダイエットするためには、カロリーを減らさなければならないと思っている人には衝撃の事実かと思いますが、これが現実。大切なのは、その中身とバランスです。
 カロリーとは、タンパク質、脂質、炭水化物の三つの栄養素の熱量の合計値です。戦後を見てみると太ると敬遠されがちな炭水化物の比率は約8割。それに比べて現在の脂質は3~4倍に増えています。同じ炭水化物といっても戦後は玄米などのお米や雑穀、芋類などから摂取していますが、小麦粉から作られたパスタなどの麺類やパン、お菓子なども増えているでしょう。太る原因は炭水化物(お米)でしょうか?
 炭水化物は太る。もちろん脂質(油・脂)も太る。ではタンパク質だけが太らない食べ物でしょうか? タンパク質源である肉や魚もタンパク質だけでできているわけでなく、炭水化物や脂質も含まれています。太る食べ物や栄養素があるわけではなく、大切なのはバランスなのです。しっかりご飯、みそ汁にメインのおかずや野菜や海藻などの入った副菜をいただく本来の和食に戻すと、自然とバランスの取れた食事になります。

管理栄養士・雑穀料理家 柴田真希

お天気カレンダー 寒さに負けないユズ

 12月22日は二十四節気の「冬至」です。太陽の高度が1年の中で最も低くなり、太陽の光が頼りなく感じられます。昼間の長さが1年の中で最も短い日としても知られています。冬至を境に昼間の長さが長くなり始めることから、太陽が生まれ変わる日ともされています。
 冬至にはゆず湯に入る風習がありますね。ゆず湯に入れば、寒い冬に風邪をひきにくくなるといわれます。そんなユズは、高知県など四国地方が主な産地です。かんきつ系の果実だけあって、やはり温暖な所で作られるのかというとそうでもなく、高知県でも山間部の冷え込みの厳しい所が多いようです。ユズはかんきつ系の中では寒さに強く、東北でも栽培できるそうです。寒さの中でも育つユズを浮かべた湯につかれば、寒さに強い体になれそうです。冬至にゆず湯、「ゆず」れない行事の一つです。

気象予報士(株式会社ハレックス)●檜山靖洋


万一に備えよう わが家の防災 「非難準備・高齢者等避難開始」の意味

 2016年に発生、史上初の東北上陸となった台風10号による水害では、死者・行方不明者が27人に上るなど、東北・北海道の各地で甚大な被害が発生しました。岩手県岩泉町では、グループホームが被災して、入所者9人が全員亡くなるなど、高齢者の被災が相次ぎました。
 これを受けて内閣府では「避難準備情報」の名称が避難が遅れがちになる高齢者に対して緊急度が伝わらず避難の遅れにつながったとし、2017年1月に自治体の発令する避難準備情報、避難指示等の名称の改定をしました。これによってこれまでの「避難準備情報」は「避難準備・高齢者等避難開始」となり、「避難指示」の名称は「避難指示(緊急)」の名称に変更されました。これらの名称の変更をご存じでしょうか?
 これまで自治体が出す「避難勧告」「避難指示」などの意味を住民がどれほど理解できていたかというと、はなはだ疑問を持つことが多くありました。実際には自治体も地域の被災リスクを全て把握できているわけではありません。自治体が出す「避難勧告」や「避難指示」よりも先に被害が発生してしまっている事例も数多くあります。
 高齢者や障害を持つ方など避難が遅れる可能性のある人およびその周囲の人は、その地域の被災リスクを正しく理解し、危機が迫っているという情報があれば避難が困難になる前に、より安全な場所へと移動しなくてはなりません。
 これまでひとごとのように思っていたことが自分のことと理解してもらうこと。それがこの改定の持つ意味です。「避難指示(緊急)」が発令されたときは生死に関わるリスクがもう目の前に来ているということを理解しておきましょう。

災害危機管理アドバイザー●和田隆昌


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