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お役立ち情報コラム

ライフ(2017年9月)

健康百科 お年寄りに多い結核

 「結核」は、かつては国民病といわれるほど日本全国に広がっていましたが、その後激減したため、もはや過去の病気と考えている人が多いかもしれません。しかし、実は日本で結核に感染している人は、現在2000万人にも達していると推定されています。
 特に、高齢者の感染率は高く、70代で約50%、80代では約70%の人が結核に感染しているといわれます。結核は今やお年寄りの病気といえます。若い年代の感染率は低いのですが、それでも20代の感染率は約2.5%と感染は続いています。
 結核は「結核菌」が体内に入って起こる感症です。結核を発病し、結核菌を排出している人が、せきやくしゃみをすると、飛沫(ひまつ)と結核菌が周囲に飛び散ります。それを他の人が吸い込み感染します。特に人が多い都会や盛り場では、感染しやすい環境が多いといわれます。感染した人の中で実際に発病するのは1~2割程度です。
 結核を発病すると、まず肺結核になるのが多いですが、ごく初期には症状がありません。やがて「せきやたんが出る」「微熱が続く」「体がだるい」などの症状が出ます。これは風邪の症状と似ているため、風邪と思って放置されることが少なくありません。さらに進行すると、「寝汗」「体重減少」「胸の痛み」などが起こります。せきやたんが2週間以上続く場合は、医療機関を受診し、検査を受けてください。
 結核は、早期に診断を受け、早めに発見して治療を受ければ必ず治る病気なので、早期発見のために、毎年1回の胸部レントゲン検査は欠かさず受けてください。

佐久総合病院名誉院長 松島松翠


お米の歴史学  米騒動の要因

 米騒動とは、米価高騰に対し、民衆が救助米の嘆願や米の安売りを要求する、暴動状態のことをいいます。
 江戸時代の一揆や打毀(こわ)しの伝統を引くもので、近代に入っても明治23(1890)年・同30(1897)年に起きていますが、大正7(1918)年の米騒動が、最も大規模なものとして知られています。しかも、この場合は凶作という自然災害が原因ではなく、日本の資本主義体制が発展していく過程で引き起こされた経済的な要因によるものでした。
 大正3年に勃発した第1次世界大戦によって、日本は輸出が激増し一種のインフレ状態が生まれていたのです。そして資本家の収入は増大したにもかかわらず勤労民衆の実質賃金は低下していきました。特に日々の主食である米の値段が、一時は低下したものの、大正7年に入ると急上昇を始め、開戦時の倍を超える高騰を見せるところとなりました。
 この背景には、資本主義の発展に伴って、農村人口が都市部へと流出し、稲作の担い手が減少して米の増産が間に合わないという事情がありました。このため富裕層による投機的な米の買い占めや売り惜しみが行われたことから、米価が高騰し民衆の口に入ることが難しい状況が生まれたのです。
 最初は、富山県魚津の漁民の妻女が、米穀商の米移出に反対して、移出禁止・安売り哀願の実際行動に出たのを皮切りに、7月から9月にかけて、38市153町177村で騒動が起こりました。特に8月2日に政府がシベリア出兵を発表すると、その食料確保のために、米価が高騰すると見越して、大規模な米の買い占めや売り惜しみが起こったことが、こうした騒動に拍車をかけたとされています。
 自然災害ではなく、農業人口の減少・零細民の増加・資本家の投機的な米価操作によって、米騒動が引き起こされる時代となったのです。

国士舘大学21世紀アジア学部教授 ●原田信男


お天気カレンダー つゆ知らず

 9月7日は二十四節気の白露(はくろ)です。朝晩は冷えて、草や葉などに露が付く頃になりました。露に関することわざで「夜露が多ければ晴れ」や「朝露が降りると晴れ」などがあります。いずれも露が降りると晴れといわれます。
 露が降りるのは、夜から朝にかけて冷えることが条件です。放射冷却が効くような気象条件のときです。気圧配置でいうと、高気圧に覆われたときになります。つまり、夜から朝にかけて露が降りるときは、高気圧に覆われているので、日中も晴れることが多いというわけです。
 このような天気のことわざは、たくさんありますが、天気予報もなかった時代から伝わっているものも多いと思います。高気圧のことなど「つゆ知らず」とも、起こった現象から高い精度で天気予報をしていたのかもしれません。

一般財団法人日本気象協会●檜山靖洋


万一に備えよう わが家の防災  台風の性質を知る

 

 この季節、日本では例年、台風の心配をしなければなりません。2016年は6月の時点で、日本の南海上での発生はゼロ。これは1998年以来のことで、発生数の最も少ない年になる可能性もあります(2015年は9個)。とはいえ、7月から10月ぐらいまでの季節は統計上、台風発生の最も多くなるシーズン。その特性を十分に理解しておく必要があります。
 気象災害の中でも台風の被害は強風、豪雨、土砂災害と複合的な被害をもたらします。自分の住む地域に台風が接近した場合、どのような被害が発生し得るのかを予測しておくことが大切です。台風は熱帯性の低気圧の10分間の平均風速が秒速17mを超える場合に「台風」と呼ばれますが、台風の進行方向に対して右半円の地域で進行風と風向きが重なることから、より強い風が吹くため、強風による被害が大きくなります。台風発生時は進行方向を見つつ、接近する前に屋外作業は終えて早めに屋内避難をすることを心掛けてください。
 近年、気象予測技術の発達により、その発生から被害状況、進行方向が正確に予測できるようになりました。台風がいつ自分の住む地域に影響を与えるのか、どの程度の被害が予測されるのか、携帯端末でも簡単に表示できるようになっている時代です。台風が発生した場合には、天気図に注意し、その大きさや雨量予測などにも気をつけてください。
 特に近隣に河川や急傾斜地などがある場合には注意が必要です。台風接近時に「田畑の様子を見に行って」被害に遭うケースが後を絶ちません。台風はその速度にもよりますが強風、豪雨のピークは数時間程度で終わる場合がほとんど。少しでも危険を感じた場合は、警報が出る前でも必ず屋内の安全な場所に避難するよう努めましょう。

災害危機管理アドバイザー●和田隆昌



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