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みんなの人権

ドリンク剤の効用

 会議などの前に、眠気防止のためにドリンク剤のお世話になることがあります。本当に効果があるのかと問われると困りますが、無水カフェインが入っているからなんとなく効果があるように感じています。

 薬の中には、偽薬(ぎやく)といって、本物の薬のように見える外観をしているが、薬効成分が含まれていない、偽物の薬があります。この偽薬を処方しても、薬だと信じ込むことによって、何らかの改善が見られることを、偽薬効果(ぎやくこうか)とかプラセボ効果と言われています。この改善は時には、自覚症状に留まらず、客観的に測定可能な状態の改善として現れることもあるといいます。

 しかし、病気そのものの改善というよりは、「薬を飲んでいる」ことによる精神的な安心感により、病状が改善されたように感じることの方が大きな理由と考えられます。それは良くなった「気がする」だけであって病気自体は何ら改善されていないということになります。

 成分・効用を十分に点検したわけでもないのに「薬と名がつくからには効く」と信じてしまうようなことが、私たちの身近なところでもありはしないでしょうか。

 根拠のない迷信や慣習を信じ込むということに通じるところがあるように思います。いわれのない事柄でも、みんなが信じるからと、疑いもなく信じたり、さらに自分だけでは収まらず、それを“常識”と称して他の人に押し付けていることも少なからずあるように見受けられます。

 客観的・科学的に物事を見極める力とか、周りの意見に左右されることなく自らの頭で考えて主体的に物事を考える力を身に付けるには、やはり人権研修に参加したり、当事者の声を聞いたりすることが大切ではないでしょうか。

 最近、被差別当事者の声として聴いたものの中に次のようなものがあります。「被差別当事者として、幾度も学習をし、解放運動に携わってきても、いざ差別に直面すると、足がすくみ、沈黙してしまう」。

 長年解放運動に関わった人でさえも、差別に怯むことがあるとすれば、我々は継続して人権に関する研修・啓発を受ける必要があるように思います。

 平成30(2018)は、世界人権宣言70周年の節目の年です。改めて、人権意識の高揚について考えてみたいと思います。


JA滋賀中央会発行『みのり』より

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