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家庭菜園・家庭園芸  2024年5月

私の食育日記 子どものお箸のマナーの学び方

 子どもたちは小学生になると、箸は自然と正しく持てるようになりましたが、今度はその一歩先、箸できれいに食べる作法も身に付けてほしいと思っています。大人になると、家では楽に食べて、外ではマナーを気にして意識的にきれいに食べるという使い分けができますが、子どもはまだそういった使い分けはできません。つまり日頃の家でのマナーがそのまま外での様子につながります。そこで、毎日の食事の時間に少しずつマナーを覚えてもらえるよう声をかけるようにしています。  例えば、箸を取るとき、右手で上から箸を持ち、1回左手を下から添えて正しい向きの右手に持ち替えます。置くときはこの逆の動きをします。このちょっとした動きも、知らなければ箸先をテーブルでとんとんとつついてそろえたり、箸を取るときに落としてしまうことが増えたり、握り箸になったりと良くない習慣につながってしまいます。  他にも、箸の使い方にはやってはいけないことがあります。箸を茶わんや皿の中央に橋を架けるように置く渡し箸や、料理に箸を突き刺して食べる刺し箸、箸をなめたりしゃぶったりするねぶり箸、箸を使って皿を引き寄せたりする寄せ箸、箸をいろいろな皿に付けて迷いながら選ぶ迷い箸などさまざまです。その全てに声をかけていたら食事の時間が苦しくなってしまいますが、毎日一つずつでも「こんなマナーがあるよ」と伝えていき、楽しい食卓を大切にしたままマナーの勉強ができるよう心がけています。  箸をきれいに使うことを学ぶ上でお勧めしたいのが、箸置きです。普段の食事から箸置きを使うと自然と渡し箸がなくなり、箸の正しい取り方の練習にもなりますし、テーブル周りが箸先で汚れることもなくなりきれいな食事の仕方につながります。かわいい箸置きもたくさん見かけます。子どものお気に入りの箸置きを使って、箸のマナーを楽しく身に付けられることを願っています。  

岡村 麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。男女2児の母


野菜もの知り百科 ニンニク(ヒガンバナ科ネギ属)

   「一粒万倍日」と記載されたカレンダーがあります。一粒万倍とは1粒の米の種子が万倍にもなるという意味で、一粒万倍日は何事を始めるにも良い日とされています。購入金額の万倍にもなるというので、「本日は一粒万倍日」と掲示する宝くじ売り場もあります。  ニンニクは種子でなく、球根で増やします。種子で増やすものを種子繁殖、球根や挿し木などで増やすものを栄養繁殖といいます。ニンニクは種球を分球して栽培します。ベランダのプランターでも簡単に栽培できます。日本の主流品種の「ホワイト六片」は、収量が種球の6倍にしかならないので、種球も青果も高価です。  原産地は中央アジアで、古代エジプトではピラミッドの建設労働者に強壮剤として食べさせました。日本には中国経由で伝わり、汚れや悪疫をはらうものとして神事にも用いられました。『源氏物語』の「帚木(ははきぎ)の帖」にも臭い薬草として登場します。仏教が普及すると、避けるべき食材の一つになり、一般の日本人が本格的に食べるようになったのは、戦後にギョーザが定着してからだといわれています。  米国の国立がん研究所はがん予防に効果が期待される食品をピラミッド型に並べた「デザイナーフーズ」を1990年に発表し、そのトップにニンニクを選定しました。特有のにおいの成分はアリシンで、がん予防だけでなく、殺菌作用があるので風邪やインフルエンザなどにも効果があります。ビタミンB1の吸収を良くし、疲労回復やスタミナ強化に役立ちます。  ニンニクは中国、韓国、イタリアなど世界のさまざまな国の料理に利用されています。日本料理のカツオのたたきにも欠かせません。  掘りたてのニンニクにそのままみそを付けて食べられるのは家庭菜園の醍醐味(だいごみ)です。においさえ気にしなければ翌朝は、万倍は大げさですが、元気百倍になります。

藤巻久志/種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。


あなたもチャレンジ! 芽キャベツ 追肥と摘葉で大球を作る

  アブラナ科野菜で太い茎にキャベツの形状をした小さい球がぎっしりと付く様子から、コモチカンラン(子持ち甘藍)とも呼ばれます。キャベツから分化したため、似た性質を持ちます。生育適温は18~22度ですが、寒さには強い半面、暑さに弱い野菜です。小さい球を芽球(がきゅう)といい、5~20度でよく締まった球が形成されます。中間地での栽培時期は、7月に種をまき、収穫期は12~3月です。
[品種]「早生子持」(タキイ種苗)、「ファミリーセブン」(サカタのタネ)などがあります。なお、球状の芽球を作らない「プチヴェール」(増田採種場)は、家庭菜園向きの品種です。
[苗作り]少ない本数の苗では、直径9cmのポリポットに種を直接まき、間引いて1本にするのが便利です。多くの苗を作るときは、セルトレーを使用し、発芽後に密生部を間引き、本葉2、3枚で9cmのポットに鉢上げします。苗作りの期間は、防虫ネットで被覆します。
[畑の準備]畑1平方m当たり苦土石灰100gを土とよく混ぜておき、その後、畝幅90cmを取り、中央に幅20~30cmの溝を掘り、溝1m当たり化成肥料100gと堆肥2kgを施し、畝を立てます(図1)。
[植え付け]本葉5、6枚の頃、株間50cm程度に植え付けます(図2)。事前に植え穴に十分水を注ぎ、植え傷みの少ないようにします。
[追肥・摘葉]追肥は植え付け後、月に1回、畝の肩に1株当たり化成肥料10gをまいて、株元に土寄せします。株が倒れないよう支柱を立てて誘引します。晩秋には、老化した下葉を4、5枚取り除きます。さらに、芽球が大きくなってきたら、下葉数枚の葉柄を4、5cm残して切り取ると、大球を作ることができます(図3)。
[害虫の防除]ヨトウムシ、コナガなどは、比較的安全なBT剤で駆除します。アブラムシには粘着くん液剤などを散布します。なお、株の小さいうちは、防虫ネットでトンネル栽培し、害虫の被害を防ぎます。
[収穫]固く締まった芽球をもぎ取ります。芽球の直径2・5~3cmが良品です。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
園芸研究家●成松次郎





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