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家庭菜園・家庭園芸  2023年10月

私の食育日記 果物で朝から元気に

 子どもたちは果物が大好きです。秋になると、ブドウに梨、柿にリンゴとおいしい果物がたくさん。しかし、果物は糖を多く含むため、食べ過ぎには注意が必要です。そこでわが家では、果物は朝食に食べることにしています。
 甘くておいしい果物は糖類が多く含まれます。食事によって摂取した糖類は小腸で吸収され、肝臓に蓄えられて全身に送られます。糖類はグルコースに分解されて体内のエネルギーとなりますが、このグルコースは脳にとってとても大切です。脳は、他と違ってこのグルコースのみをエネルギーとして活動しているからです。脳では、たくさんのエネルギーが使われています。これは寝ている間も同じです。睡眠中に使われた脳のエネルギーをしっかり朝食で補わなければ、午前中の勉強やお仕事もはかどりません。
 そんな糖類の中で、果物に多く含まれる果糖は、ご飯やパンに含まれるでんぷんより速く代謝されるのが特徴です。朝食に果物を食べることで、素早くエネルギーが補給され、午前中から脳も体も元気に活動できるようになります。
 もう一つ、果物には食物繊維が多いという特徴があります。朝、食物繊維を取ってしっかり腸を動かすことで、腸内環境を整え、健康維持に役立ちます。他にもむくみやすい朝ですが、果物にはむくみの防止になるカリウムも多く含まれます。果物の多くは水分が多いので、寝ている間に失われた水分を補給する意味でも活躍してくれます。
 味覚の秋。秋の果物であるリンゴにはペクチンという食物繊維も豊富で、リンゴ酸は疲労回復にもつながります。柿はベータカロテンやビタミンCが多く、風邪予防に効果的です。たくさんの種類の果物を楽しみながら、朝の果物で、午前中から体も心も元気いっぱいでいたいと思います。

岡村 麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。男女2児の母


野菜もの知り百科 コスレタス(キク科アキノノゲシ属)

 レタスの原産地は地中海沿岸から西アジアにかけてです。和名は「ちしゃ」です。切ると白い液が出るため乳草とも呼ばれ、それが変化して「ちしゃ」になりました。
 レタスは「玉(結球)レタス」、サニーレタスなどの「リーフレタス」、サンチュなどの「茎レタス」、今回紹介する「コスレタス」の四つに大きく分けられます。日本では流通している物のほとんどが玉レタスでしたが、韓国料理やイタリア料理などの普及に伴い、その他のレタスも食べられるようになりました。
 コスレタスの名前はエーゲ海のコス島で栽培されていたからで、ロメインレタスともいいます。ロメインはローマのことです。葉を巻き込まずに立った状態で、タケノコ形に成長することから和名は「立ちちしゃ」です。
 レタスは鉄製の包丁で切ると鉄と反応し、切り口が赤茶色になります。乳状の液に含まれているポリフェノールの酸化が早まるためです。包丁を使うと細胞が壊され鮮度が落ちますが、手でちぎると断面が粗くなるので、ドレッシングが絡みやすくなります。
 コスレタスは葉が厚く、シャキシャキとした食感が魅力で、シーザーサラダの食材として有名です。古代ローマの英雄ジュリアス・シーザーが好んだサラダというのは俗説です。シーザーサラダは1924年7月4日(米国独立記念日)に、カリフォルニア州に接するメキシコの町で、イタリア系移民の料理人・シーザーが考案し調理しました。
 元祖ディズニーランドがある米国西海岸は新婚旅行の人気エリアでした。レストランではコスレタスだけを縦割りにして皿にのせたものが出されました。レタスだけを意味するレタス・アローンがレット・アス・アローン(私たちだけにして)に似ているので、レタスだけのサラダをハネムーンサラダといいます。

藤巻久志/種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。


あなたもチャレンジ! 小松菜のトンネル栽培 寒さでうま味が増加 

 小松菜はビタミン類、カルシウム、鉄分を多く含む緑黄色野菜で、特に冬採りは栄養価が高く、甘味も増し最もおいしくなる栽培時期です。

[品種]
  近年は葉が丸く、緑が濃い品種が好まれ、秋冬まきでは「はまつづき」(サカタのタネ)、「楽天」(タキイ種苗)、「よかった菜」(カネ  コ種苗)などが良いでしょう。
[栽培期間]
  冬まき(12~2月)はトンネルやべたがけ資材で保温し、60~90日で収穫できます。中間地ではほぼ通年栽培ができ、草丈20~25cmを目標  に、春まき(3~5月)は30~50日、夏まき(6~8月)は20~25日、秋まき(9~11月)は30~60日で収穫できます。生育が早く収穫遅れ  になりやすいため、1週間置きに少しずつまき、長く収穫を楽しむのが良いでしょう。
[畑の準備]
  種まき2週間前に1平方m当たり苦土石灰100gをまいて畑をよく耕し、1週間前に化成肥料(NPK各成分10%)100gと堆肥2、3kgを施し、土  とよく混ぜておきます(図1)。幅70~80cmの栽培床を作り、畝に平行に条間15cm程度の種まき溝を切ります。このとき、まき溝は支柱  や木板を土に押し付け、溝を付けると深さが一定になります(図2)。
[種まき]
  種が重ならないように1cmくらいの間隔でまき、土を軽くかぶせておきます。
[トンネルの被覆と管理]
  トンネル内の温度は晴天日の昼には高く、夜間は外気に近い温度になります。冬から春にかけては気温上昇期に当たり、容易に30度を超え  るため、温度が上がり過ぎないよう換気が必要です。資材は穴のないフィルムでは裾を大きく開けたり、開ける穴の数を増やしたりして、春  に向けて徐々に換気量を増やします。有孔フィルムを使用すれば日中の高温は防げます(図3)。トンネル内をさらにべたがけ資材で被覆す  れば厳寒期の霜害予防になります。
[間引き]
  初めは本葉が見える頃に子葉の重なっているところを間引きます。その後、葉が触れ合う程度に間引き、最後に5、6cm程度にします。間引  き後は株のぐらつきを防ぐため、株元に土寄せします(図4)。 [病害虫の防除]害虫の発生は少なく、病気では白さび病が発生したときは  、ダコニール1000などの農薬で防除します。生育期間が短いので、農薬の使用は生育初期に限ります。
[収穫]
  草丈20~25cm程度で根を付けて抜き取り収穫をします(図5)。収穫が遅れると葉が堅くなり食味も落ちます。なお、外葉から必要なだけ  かき取れば、長期に収穫ができます。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
園芸研究家●成松次郎





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