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家庭菜園・家庭園芸  2024年1月

私の食育日記 だしを活用して薄味を目指そう

 子どもたちも成長とともに何でも食べられるようになってきましたが、家庭での料理はできる限り薄味で作るよう心がけています。そこで大切にしているのが、だしです。だしのうまみを利用すると、少ない調味料でもしっかりと味わうことができます。
 このだしで感じるうまみという成分には代表的なものが三つあります。かつお節に含まれるイノシン酸、昆布などに含まれるグルタミン酸、シイタケに含まれるグアニル酸です。これらのうまみ成分は合わせて使うと、相乗効果によりさらに強いうまみを感じることができます。
 だしの中で、わが家で最も使われているのが、かつお節と昆布の合わせだしです。毎日のみそ汁や、煮物、炒め物にも大活躍しています。時間がないときは、お茶や紅茶を入れる湯飲みやポットの茶こしにかつお節を入れ、沸騰直前のお湯を注いで数分置くだけで、少量のかつおだしができるので、それを料理に使うこともあります。
 他にも煮干しだしやトビウオから取るあごだしにもイノシン酸がたくさん含まれています。だしを少し替えるだけでも、いつもの料理が一味違ったものになるかもしれません。
 だしというと和食のイメージがありますが、実は他にもうまみ成分が含まれているものがたくさんあります。例えば、野菜。ニンジンやタマネギ、キャベツなどよく使う野菜の皮や切れ端を煮ておくと、簡単に野菜だしを作ることができます。野菜にはグルタミン酸が含まれており、そこに、イノシン酸が含まれる鶏肉やグアニル酸が含まれるキノコ類を加えると、うまみたっぷりの洋風スープの出来上がりです。メインで使った野菜の切れ端を煮ておくだけで簡単に作れるので、野菜だしは大活躍です。
 素材の持っているうまみ成分を凝縮させただしを最大限に活用して、薄味でも大満足な料理を目指していきたいと思います。 

岡村 麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。男女2児の母


野菜もの知り百科 トレビス(キク科キクニガナ属)

 今の若い人はイタリア料理を「イタ飯」とはいいません。30年以上も前のバブル時代に流行した言葉です。当時は手頃な価格でおいしいイタリア料理店が急増しました。格式張ったフランス料理よりもカジュアルなイタリア料理の方が好まれていました。
 イタリア料理には、イタリアントマト(サンマルツァーノ)やバジルなどのイタリア野菜が使用されます。ズッキーニやルッコラなどは日本でも栽培されるようになりましたが、トレビスはまだ輸入の方が多いです。
 トレビスはフランス語で、イタリアでは「ラディッキオ」、米国では「レッドレタス」、日本では「赤チコリー」とも呼ばれています。形は赤キャベツに似ていますが、キャベツはアブラナ科、トレビスはレタスと同じキク科です。
 トレビスは、ワインレッド色の葉身に白い葉脈が入り、そのコントラストがきれいです。葉は薄く柔らかいです。日本では結球タイプが流通していますが、半結球タイプや不結球タイプもあります。
 サラダに入れる赤色は、彩りが良くなるだけでなく食欲もそそります。昭和時代中期には赤キャベツやニンジンを刻んだサラダが多かったのですが、平成時代になるとトレビスをちぎったものが高級感を醸し出すようになりました。
 トレビスの鮮やかな色はポリフェノールの一種のアントシアニンによるものです。抗酸化作用があり、がん抑制や視力向上に効果があるといわれています。加熱すると色が抜けるので、生食でシャキシャキとした食感とほろ苦さを楽しみます。
 イタリアは地中海に面し、周辺を原産地とするトレビスやカリフラワーなどの野菜が多いですが、映画も『道』や『ライフ・イズ・ビューティフル』など名作がたくさんあります。『ローマの休日』や『ツーリスト』などの舞台にもなっています。食事や市場のシーンにトレビスが登場するかもしれません。 

藤巻久志/種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。


あなたもチャレンジ! 春まきキャベツ 育苗管理が肝心


 キャベツなどのアブラナ科野菜は夏まき栽培が一般的です。しかし、低温期に種まきをする春まき栽培では、早期に花茎が伸びて収穫できないことが起きます。適切な品種を選び、苗作りでの温度管理を上手にすれば、初夏に収穫する作型を成功させることができます。
[品種]とう立ちしにくい晩抽性と収穫期の高温を避けられる早生性を兼ね備えた品種を選びましょう。
 柔らかくジューシーな春系の「春波」(タキイ種苗)、「中早生二号」(サカタのタネ)などがお薦めです。
[苗作り]発芽温度は、おおむね5~35度で、適温は20~25度です。その後の温度は、日中15~20度、夜間5~10度を確保します。そのため、トンネル内に温床マットなどで温床を作り、最低10度を目安に加温しますが、日中は25度以上に上がらないように換気をします(図1)。7・5~9cmポリポットに3、4粒まきし、本葉2枚で1本とし、本葉5、6枚の大苗に仕上げます(図2)。
[畑の準備]畑1平方m当たり苦土石灰100g程度をまいて、よく土を耕します。畝幅70~80cm、深さ20cmの溝を掘り、この溝1m当たり堆肥1kgと化成肥料(NPK各成分10%)100gを施し、土とよく混ぜて畝を立てます(図3)。
[植え付け]時期はソメイヨシノが開花する頃(気温10度以上)に、株間40cmに植え付けます(図4)。
[追肥]結球期まで肥効が残らないように、定植後2週間程度で株の周りに化成肥料を1株当たり10gくらいまいて、株元に土寄せします。
[病害虫の防除]気温が上がるとアオムシ、コナガの発生が多くなるので、BT剤などで防除します。
[収穫]球が固く締まる前に早めに収穫します(図5)。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
園芸研究家●成松次郎





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