お役立ち情報コラム

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2021年1月

私の食育日記  パンとご飯

 パンとご飯。食事の主食としてよく比較されるこの二つですが、実は、比較するには違和感があるほどの違いがあります。それは、ご飯は収穫された新鮮なお米、いわば生鮮食品に水分を加えて炊くだけの物。一方、パンは、小麦に砂糖や塩、油脂などを加えて作る加工品です。そのため、ご飯とパンではカロリーはさほど変わりませんが、パンの方が脂質は多く、加工品な分その他の添加物も増えてしまいます。また、ご飯の場合、お米を粒のまま食べるので、口の中で粒をすりつぶして食べます。そのため、かむ回数が多くなり、消化にも時間がかかり、腹持ちが良くなります。一方パンは小麦を細かくすりつぶした物なので、あまりかまなくても消化できてしまいます。日本にはおいしいお米がたくさんあり、基本的にはご飯を主食にしたいと考えています。
 しかしながら、子どもたちはパンも大好き。母にとっても、特に忙しい朝は、自分でパクパク食べてくれるパンはありがたい存在です。そこで意識しているのが、パンを作るとき、軟らかくて砂糖がたっぷりのパンよりも、砂糖や油脂が少ないフランスパンなどのハード系のパンを中心にすることです。硬めのパンならば、かむ回数が増えますし、軟らかいパンにジャムを付けて食べるよりは、フランスパンなどに、チーズやハム、卵をのせて食べてくれた方が糖質も抑えられます。それでも軟らかいパンが食べたいと言われたときは、全粒粉を加えたパンにしています。全粒粉には不足しがちな鉄分が多く含まれ、食物繊維も豊富です。
 食事には、体に良い物を食べて健康的な体をつくるという役割の他に、大好きな物を食べて幸せを感じるという心の健康をつくる役割もあると思っています。だからこそ、毎日の食事では、こだわり過ぎず、でもちょっとの工夫で少しでも栄養バランスの良い食事になるようにと心掛けています。

岡村 麻純(おかむら ますみ)
1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。


ベランダでできるキッチンガーデン  パクチー(セリ科コエンドロ属)

 1983年に農林水産省が告示した「新野菜名称の統一(38品種)」では、コエンドロ、コリアンダー、シャンサイ、中国パセリは「コウサイ(香菜)」に統一されています。時が経過し、今ではタイ名のパクチーの方が一般的です。
 いろいろな名称のあるパクチーは世界各国で愛され、栽培されています。独特の強い香りがするので、日本ではこれほど好き嫌いが分かれている野菜はありません。嫌いな人は読み飛ばし、好きな人はぜひベランダで栽培してください。キッチンの近くに香味野菜があるととても重宝します。
 パクチーは暑さ、寒さに強く、作りやすいハーブです。発芽適温は15度前後で、春まきと秋まきができます。深さ15cm以上のプランターに市販の培養土を入れ、日当たりの良い所で栽培します。
 種は堅い殻に包まれています。そのまままくと発芽が悪くなるので、種を押しつぶして二つに割ってからまきます。条間20cmの筋まきとし、種が重ならないように種まきします。薄く覆土し、軽く鎮圧して、種が土から水分を吸いやすいようにします。水やりは朝方にし、夕方に土の表面が乾く程度にします。
 発芽には10~15日かかり、初期生育もゆっくりです。本葉2~3枚になると生育が早くなります。順次間引きして株間を20cmにします。間引き菜も料理に利用できます。追肥は1週間に1度、1000倍の液肥を施します。
 株が旺盛になってきたら、外側の葉から収穫します。1度に1株から多くの葉を収穫すると衰弱するので、各株から若い葉を少しずつ収穫するようにします。花を咲かせ、種を利用する栽培もあります。
 肉や魚料理の臭い消し、サラダ、おかゆなどに利用します。タイ料理のトムヤムクン(エビ入りの辛酸っぱいスープ)には欠かせません。パクチーの強い香りに閉口していた人も、慣れれば好むようになるかもしれません。

藤巻久志(ふじまきひさし)
種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。


あなたもチャレンジ! 家庭菜園 アスパラガス 十分な土作りをして植え付ける

 グリーンアスパラガスには、疲労回復を早めるアスパラギン酸と高血圧を予防するルチンを多く含みます。早春に苗を植え付けて翌年から収穫できます。
[栽培時期]永年性なので、一度植えると7~8年同じ畑で栽培できます。一般には、2~3月に園芸店で苗を求めます(図1)。1年目は収穫しないで、根株を十分養成して翌年から収穫を始めます。種から育てるときは3~4月にまき、1年間株を育成し、早春に苗を植え付けて翌年から収穫します。
[品種]太い若茎がたくさん取れる「シャワー」(タキイ種苗)、「ウェルカム」(サカタのタネ)など。 [植え付け]畑に1平方m当たり苦土石灰200gをまき、よく耕しておきます。次に、畝幅120cm、深さ30cm、幅30cm程度の溝を掘り、この溝1m当たり堆肥2kgと化成肥料(N:P:K=10:10:10%)100gを与えます。苗は株間40cmに植え付けます(図2・3・4)。
[管理]茎葉が繁茂すると倒れやすくなるため、株の両側にひもを張ります。追肥は、生育の盛んな6月と芽の動く前の2~3月に、畝の肩にそれぞれ畝1m当たり化成肥料50gを与えます。
[病害虫の防除]梅雨期と秋雨期の茎枯病が大敵で、茎と枝に紡すい形の病斑を生じ、進行すると茎が枯れ込んでしまいます。「Zボルドー」や「ダコニール1000」などで防除します。また、地上部が枯れる晩秋に、茎を地際から刈り取り、焼却して予防します。
[収穫]茎が伸びてきたら、先端が開く前に草丈30cm程度で地際から切り取ります。早春の1カ月間初物を楽しみ、その後一時収穫を中断し、1株に数本の茎を成長させます(立茎栽培という)。この数本の茎に働いてもらい、夏から秋まで次々に出る若茎を順次収穫します。
[種から育てる場合]3~44月に土作りを済ませた育苗床に20cm間隔に溝をつけて、株間15cm、1カ所2~3粒の種をまきます。草丈10cm程度のときに間引きし、1本立てにします。苗の養成中に2~3回、化成肥料を1平方m当たり50g程度を追肥します。数が少ない場合は、ポットにまいて苗を育成しても良いでしょう。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
板木技術士事務所●板木利隆










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