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お役立ち情報コラム

今月の農業(2018年2月)





  平成29年産米は台風や秋の長雨の影響により一部の晩生品種で倒伏や穂発芽による品質不良が見られたものの、全体としては、品質も良好で「作況指数100、作柄平年並み」となりました。
 JAグリーン近江では、『安全・安心・信頼』の取り組みによる農産物ブランド化を目指して、平成30年産より県認証「環境こだわり米」を基本に管内統一的な「特別栽培米」を提案しています。特別栽培米の取り組み基準については、平成30年産米JAグリーン近江栽培ガイドラインおよび本誌先月号に記載していますのでご確認願います。
 
平成30年産米の重点技術対策
Ⅰ. 土づくりとほ場準備
 土づくりは、「有機物を補給すること」「稲に必要な養分をバランスよく蓄えること」「根張りをよくすること」によって、稲が健全に生育できるような土をつくることです。堆肥や「とれ太郎」などを施用し、深耕を行いましょう。
 JAグリーン近江では、(株)グリーンサポート楽農において堆肥の散布作業やサブソイラーによる心土破砕や反転プラウによる深耕の作業を受託しています。ご希望があれば最寄の支店営農経済課までご相談ください(ほ場条件や作業スケジュールによってはご希望に添えない場合もあります)。

 ●堆肥の施用
  堆肥を施用すると、作物に養分を与えるだけではなく、土壌の物理性や化学性を改善し、作物が生育しやすい環境を作ります。毎年の散布適量は、通常1~2t/10a位です。多すぎると水稲の生育過剰による倒伏の原因になるので注意してください。
 (株)グリーンサポート楽農では、管内の畜産農家と連携し、良質な完熟堆肥を散布しますので、散布後の水田の異常還元や特異な雑草の発生も少ないので安心してご利用ください。

 ●「とれ太郎」などの土づくり肥料による養分補給
  「とれ太郎」などのりん酸、珪酸、鉄分、苦土、石灰などの養分をバランスよく含まれた肥料を補給すると、健全な生育を促進し、米の食味向上に効果的です。また、「とれ太郎」には石灰分が多く含まれているので、カドミウムの吸収抑制対策として有効です。「安全・安心な米づくり」対策としても重要です。
  土づくり肥料は、秋耕起前に散布すると省力的ですが、まだ散布できていない場合は、春耕起前に散布してください。
  JAグリーン近江では、土づくり肥料散布用のブロードキャスタを装着したトラクタを準備していますので、ご希望の方は、最寄の支店営農経済課までご相談ください。

 ●耕起は15cm以上に、稲わらはよく腐らせる
  耕起作業は、土を砕く、前作物残渣や雑草をすき込んで腐熟を促進させる、通気性・保水性をよくする、有機態窒素を無機化させる(乾土効果)等の効果があります。また、深耕は胴割粒の発生を少なくする効果もあるといわれています。
  稲刈りの後に荒起こしだけではなく、冬の間には春の代かきまでに、ほ場が乾いた時期を見計らって1~2回耕起を行い、稲わらや雑草をよく腐熟させておきましょう。
  とれ太郎やグリーン有機コンポ4号などの土づくり資材を散布していない場合には、耕起前に散布してください。

 ●ほ場の均平
  凸凹の水田では、凸の部分に雑草が生えやすく、凹の部分には苗が冠水したり、直播水稲の発芽・苗立ちがよくない、ほ場全体の排水がうまくできない等の問題が発生します。多少の凸凹は代かき時に手直しできますが、ほ場が大きい場合や運土量が多い場合には、レーザーレベラのような機械で均平作業を行います。

(レーザーレベラ(牽引型)による均平作業)

 ●畦塗り
  水もちが悪いと肥料や農薬成分が流亡しやすく環境に悪影響を与えます。また、除草剤の効果が悪くなるので、畦塗りは土壌に適度な水分のある時期を見計らって実施しましょう。畦を長持ちさせるためには、畦塗りのあと、できるだけ早く湛水し、畦の乾燥・ひび割れを防止しましょう。

(機械による畦塗り作業)

 ●代かき
  代かき作業は、通常、水田ハローを使用しますが、水の量が多すぎると、わら等の有機物が浮き上がったり、ほ場の凸凹がわかりにくくなります。代かきの水量は、水面から土が半分以上見える程度で行いましょう。

Ⅱ.苗づくりと本田管理
 ●品種選定
  JAグリーン近江特別栽培米の取り組み品種は「みずかがみ」「コシヒカリ」「秋の詩」「日本晴」「ヒノヒカリ」です。
  一般栽培には、右記品種のほかに滋賀県推奨品種などが多数あります。収穫時期、用途、品質、収量など、目的に応じた品種を選定しましょう。

 ●種子更新
  自家採種を繰り返すと品種固有の特性が損なわれ、収量・品質が劣化してきます。また、病害虫の伝染や異品種混入の可能性も増加してきます。そのため、流通の段階においても種子更新が重要視されています。品質のよい米を安定生産し、消費者や実需者の信頼を得るために、種子は、毎年更新し、採種ほ産の優良種子を使用しましょう。

 ●健苗育成
  健苗育成の基本は薄まきです。稚苗1箱当たりは種量は、乾籾で120~150g(催芽籾重は2割増し)とし、太い健苗を育てます。
  田植は、1株当たり平均3~5本植とします。近年、疎植栽培が増加していますが、その場合には特に丈夫で健全な苗が重要になります。
  田植は、太植えにすると、茎が細くなって倒伏しやすくなり、登熟歩合も低下するので、健苗細植えを励行しましょう。
  なお、近年、密播疎植とか密苗栽培など、苗箱に通常より多く種をまき、使用する苗箱を少なくして省力、コスト削減を図る方法が開発されつつあります。従来とは異なる特徴がありますので実施をご希望の方は当JAまでご相談ください。

 ●施肥
  JAグリーン近江特別栽培米の栽培基準は、「平成30産米JAグリーン近江栽培ガイドライン」の11ページに記載しています。取り組みをご希望の方は、ご参照ください。一般栽培は12ページの栽培基準をご参照ください。
  堆肥を施用した場合や大豆跡では地力に応じて、元肥を2~5割程度減らすなど、輪作体系や施肥方法を考慮した施肥が重要です。
  元肥は、側条施肥以外では、入水前にほ場全面に施用し作土層によくすき込んでおいてください。
  穂肥は、籾数増加と登熟向上、粒張りをよくする効果があります。一般には出穂25~20日くらい前の葉色が淡くなってくる時期が適期です。コシヒカリでは出穂18~15日前頃が穂肥の適期です。
  籾数はやや少なめで、姿勢のよい健全な稲を作ると、粒揃いのよい米になり、食味も向上するといわれています。
  なお、近年、コシヒカリやキヌヒカリなどで白未熟粒の発生が目立ちますが、出穂後の登熟期間の肥効不足が影響するともいわれています。穂ばらみ期から出穂期頃の葉色が極端に薄くならないように、生育の状況をよく見て適度な穂肥を施用しましょう。
  なお、具体的な穂肥量など詳しくは、夏期農談会や本誌の誌面にてお知らせします。

 ●「元肥一発施肥」
  緩効性肥料が入った肥料で、元肥と追肥・穂肥を一緒に兼ねた肥料で、元肥として一括施用のたいへん省力的な肥料です。「じっくり型」タイプの肥料です。「コシヒカリ」「キヌヒカリ」などには「楽すけ」、「秋の詩」「日本晴」「ヒノヒカリ」などには「有機入りセラコート355」が特別栽培米の基準に適合します。「みずかがみ」では「みずかがみ基肥一発」がおすすめです。
  一般栽培では「これいいね」「すご稲」がおすすめです。それぞれ早生用と中晩生用があり、「コシヒカリ」「キヌヒカリ」には早生用、「日本晴」「秋の詩」「ヒノヒカリ」には中晩生用が適しています。
  なお、元肥一発施肥で、初期成育が旺盛で通常の穂肥時期の頃に葉色が著しく薄くなった場合には、穂ばらみ期~出穂始の時期に窒素成分1~2㎏/10a程度の穂肥を施用すると籾粒の稔実がよくなり、玄米の品質・収量の向上が期待できます。具体的には夏期農談会や本誌の誌面にてお知らせします。

 ●除草剤散布は水をしっかり止めることが重要!!
  除草剤を効果的に使うには、ほ場の表面を均平にし、土が完全に見えなくなるよう、やや深目に水を張り、水口と尻水戸をしっかりと止めてから除草剤を散布してください。
  水もちが悪い田では、あぜ塗りを行うとともに代かきを特にていねいに行い、少しでも水が長持ちするように工夫しましょう。水もちが悪い田では、除草剤散布前に苗が沈まない程度に深水を張ってから除草剤を散布してください。水が早く減るのを防ぐためにチョロチョロ水を入れ続けると除草剤の効果が非常に悪くなります。除草剤散布後少なくとも3日以上は水を動かさないようにし、水がなくなったら静かに補給してください。
  除草剤の散布時期と散布量は薬剤の包装容器に記載されている説明をよく読んで正しく使用してください。

 ●溝きり・中干しの徹底で丈夫な茎をそだてる
  田植後ほぼ1カ月くらいで溝きり、中干しを始めます。中干しによって、稲の根に酸素が供給され、根張りがよくなり、茎も太く育ちます。中干しを2週間程度続けたあとは、水田の水が無くなったら灌水する間断かん水を行います。水はけのよい田にも溝切をしておくと間断かん水のときや収穫前の時期に、この溝に水を流すことで稲の根を健全に保つことができます。
  稲の出穂前後3週間は常時湛水を徹底し、幼穂形成期から出穂期前後の水分補給を行います。なお、この時期の湛水は田面を冷却し高温の影響を軽減するとともに、有害金属カドミウムの吸収抑制にも効果的です。




 ●排水対策の徹底を!
  麦は湿害に弱く、土壌が過湿になると酸素不足で根張りが悪くなり、養分の吸収が抑えられ、分げつも少なくなります。肥料をやる前にまず、排水対策を実施してください。
  排水溝が崩れていないか、用水路や隣接地から水が入り込んでいないかを点検しましょう。
  降雨後や雪解け水が畦間にたまらないよう、排水溝さらえを徹底しましょう!!
  畦面のたまり水は1昼夜以内に排除できるように、小溝などをつけて排除しましょう!!


 ●小麦追肥の施用基準
 ■元肥に麦用セラコートR2500を30㎏/10a施用したほ場では、3月上旬に穂肥として麦用セラコートR2500を30㎏/10a施用してください(1月下旬の追肥と4月の実肥は不要)。
 ■元肥に麦パンチを40㎏/10a施用したほ場では、1月と3月の追肥・穂肥は不要です(実肥は4月中旬頃に硫安20㎏/10a)。
 ■元肥に稲麦化成を40㎏/10a施用したほ場で、追肥をまだ施用できてないときは今すぐ(1月中)NK-C20号を15㎏/10a施用してください。穂肥は3月上中旬にNK-C20号を15㎏/10a施用してください(実肥は4月中旬頃に硫安20㎏/10a)。
 ■特に茎数が多い場合や少ない場合など詳しくは、平成30年産小麦栽培ガイドラインをご覧いただくか、最寄りの支店営農経済課へご相談ください。

【小麦の穂肥の目安表】
 茎数  施肥時期  肥料名  穂肥施用量の目安
3月上旬
標準700本/㎡ 
3月上旬   セラコートR2500  30㎏/10a
 NK-C20号  15㎏/10a


茎数を調べよう!【茎数700本/㎡の目安】
 ほ場内で生育が平均的な場所を選んで調査します。
 ①条播で条間25cmの場合…1条1m間に180本
 ②散播(ばらまき)の場合…50cm四方に180本



 

 
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