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お役立ち情報コラム

今月の農業(2018年4月)




「安全・安心・おいしい米づくり」のスタート


本田準備

●耕起
 「米は地力で穫る」と言われます。健全な根を育て、地力を引き出すような稲を育てることが、収量や米の品質、食味をよくするための基本です。地力の低い水田では、土壌改良、堆肥施用などを行って、地力を高める工夫をしましょう。
 耕起は15㎝以上を目標に、深く粗く耕しましょう。
 深く耕すと適度な肥効が登熟後半まで安定して続くので、収量が増え、背白・基部未熟粒の発生を抑えることができます。また、生育後半に窒素成分が不足すると玄米のタンパク質含量が5.5~6%以下になり、極度な低タンパク化による食味評価の低下が最近わかってきたので、生育後半の著しい肥効不足は避けるためにも深耕は大変重要です。
 つまり、幼穂形成期から登熟期にかけて適度な肥効を保ち「食味と品質」を両立させるためには「深耕と地力維持」が大切です。
 トラクタの走行速度を毎時1.5~1.8㎞程度(毎秒0.4~0.5 m程度)でゆっくり耕すようにしましょう。

●代かき
 田面が不均一になると、欠株の発生や活着の遅延をまねきます。また、田面に凸凹があると除草剤の効果が悪くなったり、薬害も発生しやすくなるので、代かきは、できるだけ均平に仕上げてください。
 なお、代かき時に泥水を排水路や河川に流さないように注意しましょう。

●元肥
 米の食味・品質・収量をよくするためには、土壌条件に見合った適正な施肥が重要です。元肥が多すぎると籾数過多で乳白粒が発生する恐れがありますので、地力に応じて施肥量を加減します。また、作付け直前に稲わらなど未熟な有機物を大量に施用すると、生育初期に窒素不足になりますので注意してください。
 品質と食味を両立させるには、稲が健全に育ち、登熟するのに必要な栄養成分(窒素、リン酸、カリ、マグネシウムやカルシウム、ケイ素などの無機成分)をバランスよく与えることが大切です。とれ太郎などの土づくり肥料を10アール当たり80㎏程度散布してから深耕してください。
 また、施肥田植機を使用しない場合、耕起前に元肥も散布してから深耕してください。
 「みずかがみ基肥一発」など、一発施肥の場合には、施肥設計どおりの施肥量となるよう田植機の施肥量調節を必ず確認してください。
 〈施肥量の目安は平成30年産水稲栽培ガイドラインまたは各地域の環境こだわり部会の栽培基準をご参照ください〉


移 植

●田植の時期
 当地域では、5月上旬~5月下旬が適期です。高温に強い「みずかがみ」や出穂期の遅い「日本晴」「秋の詩」などから植え始めるようにしましょう。
 苗が活着する最低の日平均気温は、稚苗移植12℃、中苗移植13~14℃、直播栽培11・5℃以上です。田植えは天気がよくて、なるべく無風状態の日が最適です。

●栽植密度
 1株苗数は3~4本の細植えを励行しましょう。
・湖辺地帯50~60株/坪
・中間地帯60~70株/坪
・山間地帯70株/坪

●田植機の準備と調整
 田植機は、使用前に必要箇所に注油し、苗を載せる前にPTO軸だけ回転させて、植付け爪と苗載せ台を動かしてみます。苗載せ台に苗を載せる前には、植付け爪を回転させて、苗載せ台を左右どちらかの端に移動させ、苗の端から掻取りを始めるようにします。苗載せ台の途中から掻取りを始めると苗が下方へスムーズに移動しないので欠株ができやすくなります。また、苗の一番下側と苗載せ台の間や苗と苗の間に隙間があると欠株の原因になるので、必ず密着させるように載せましょう。
 植付け深さの設定は2~3cmを目安にします。苗の掻取り量は1株3~4本程度の植付け本数になるように調節しておきましょう。
 田植え作業を始めたら、はじめに植付け深さ、掻取り量、株間、施肥量などをチェックするようにします。
 田植え作業は、なるべく早く四隅に補植の必要のないように植付けの行程を工夫しましょう。余った苗をいつまでもほ場の隅などに残しておくと葉いもちや害虫などの発生源になるので、できるだけ早く処分しましょう。

●疎植栽培
 「疎植栽培」は省力・低コスト栽培に対応する技術として有効です。苗箱の数を大幅に少なくすることで、省力・低コストの効果が上がります。
 「栽植密度は40~50株/坪」程度、「1株植付け本数は3~4本」程度にします。欠株が出ないように、太く植付けると、過剰分げつになり、有効茎歩合が低下する「過繁茂状態」となり、病虫害発生の誘因となります。
 2~3%の欠株は、収量には影響しないので、1株3~4本程度の植付け本数を目標にします。
 欠株があっても、長い連続欠株でない限り、補植の必要はありません。欠株ではないが、1~2本しか植わっていない場合、苗を継ぎ足す「さし苗」をしたくなりますが、健康な苗なら1本立ちでも分げつが旺盛になるので「さし苗」は不要です。どうしても「さし苗」を行う場合も、「苗は少なめに植える」のが原則です。

●濁水防止対策
 田植え作業前の落水は絶対に行わず自然減水してから田植えを行いましょう。田植え時の水深が3㎝以下なら、作業精度に大きな影響がないので、落水せずにそのまま植えましょう。




初期生育の促進

 太い茎を早く確保することが重要であり、茎数をたくさんとることではありません。生育確保を肥料だけに頼ると、過繁茂となり無効分げつが多くなります。
〈生育促進のポイント〉
①健苗を好天の日に浅植えする。
②移植後は保温的水管理により発根・活着を早める。
③活着後は浅水管理として分げつの発生を促進する。

雑草防除

 雑草防除は初中期一発剤を基本としますが、水もちの悪い田や転作跡には「初期剤+中期剤」の体系処理がおすすめです。
 一年生雑草は土壌表層にある種子が出芽します。多年生雑草は深い位置からも発生します。
 これらの雑草は薬剤処理層の効果により、発芽を止めたり、枯死するか、茎部や基部から薬剤を吸収して生長を抑える状態になります。
 除草剤を効果的に使うためには、代かきをていねいに行い、田面の均平をよくするとともに、尻水戸をしっかり止め、あぜ塗りや畦畔シートで漏水を防ぎましょう。
 除草剤を散布するときには3㎝~5㎝程度入水し、7日間は完全に止水します。水もちが悪いからということで、チョロチョロ水を入れ続けると除草剤の効果が非常に悪くなります。もし、除草剤散布後7日以内に水が減ってきたら、田面がかくれるまでたっぷり補給して水口をしっかり止めるようにしてください。
 また、除草剤散布にあたっては、水路や周辺作物に農薬が飛散しないように注意しましょう。





薬害防止


 浅植えや浮き苗になると苗の根が直接薬剤に触れるため、薬害の原因となります。極端な砂質土壌の水田では、薬剤が土中に浸透し、苗の根に触れるため薬害の原因となります。
 植付け深さ2~3㎝で均一に植付けましょう。
 ※代かきから田植えまで日数があく場合、雑草の発芽が始まる場合があるので除草剤をまき遅れないように注意してください。




ムギの仕上げはこれからが大切です。排水対策を徹底しましょう

 赤かび防除・実肥・雑草防除も重要です。
 今年の麦は冬の間に雪や雨が続いたので、湿害により根が弱くなっていると思われます。出穂期頃に湿害を受けると著しく悪くなりますので、今、一度ほ場を点検し、畝面や畝間に雨水がたまらないよう確認してください。また、4月になると水田の用水が流れ始めますので、麦作田に流れ込まないよう確実に用水口を閉じておいてください。

赤かび病の防除を適切に

 出穂期~開花期に高温・雨天が続くと発生しやすくなります。被害粒が混入すると農産物検査は不合格です。開花始め期(穂揃い3~5日後)に必ず防除を行いましょう。
 赤かび病の多発が予想されるときは2回目防除が必要です。大麦(ミノリムギ)やビール麦は赤かび病に弱いので必ず2回防除が必要です。薬剤散布の前には必ず薬剤の容器の記載内容を確認し、安全・適正に使用しましょう。


実肥の施用を適切に…

 ◎小麦では出穂後10日頃に硫安20㎏/10a(茎数が少ないときは10㎏/10a)程度施用。穂肥に麦用セラコートR2500を施用した場合には実肥は不要です。
 ◎大麦(ミノリムギ)では出穂後10日頃に硫安10㎏/10a程度施用。元肥に麦パンチを使用した場合には実肥は不要です。

カラスノエンドウなど、雑草対策を早めに…
 ◎ラウンドアップやバスタを散布し、畦畔やほ場周辺の雑草防除を早めに行ない、カラスノエンドウなどの雑草の侵入を防ぎましょう。
 〈お知らせ〉
 品質特性や需要の動向に即して、今年の秋播きから麦の品種が替わります。
 ◎小麦「農林61号」を「中国165号」に転換します。今年は八幡東支店エリアを中心に転換しますが、平成32年には全域で転換となる予定です。
 ◎大麦「ミノリムギ」は「ファイバースノウ」にすべて替わります。
 ※詳しくは平成31年産麦の栽培ガイドラインで、後日お知らせします。



 麦類の収穫時期が目前に迫ってきました。麦跡には、大豆を栽培して水田の高度利用を図りましょう。
 営農組合や法人などで大規模な集団では、良質大豆の安定多収を目指して、早目から栽培計画をたて、資材と作業の準備を始めましょう。

〈よい大豆づくりのポイント〉
 ●採種ほ産の健全種子に更新する。
 ●種子消毒を徹底する。
 ●排水対策と土づくりを徹底する。
  麦跡では降雨後水がたまらないよう、麦の収穫が終わったら直ちに排水溝を整備し、大豆のは種に備えましょう。

大豆の新品種登場

「ことゆたかA1号」という品種が県農業技術振興センターから発表されました。
 この品種は、従来の「ことゆたか」と比べて開花期はほぼ同じで成熟期は3日程度遅い中生品種です。耐倒伏性や収量、品質は従来の「ことゆたか」同様ですが、裂莢しにくい特性がありコンバイン収穫でもロスが少ないという特徴があります。豆腐や油揚げなどの加工特性は従来の「ことゆたか」同等に優れた品種です。
 県の計画によりますと、平成31年から一般栽培に登場し、平成33年にはすべての「ことゆたか」を「ことゆたかA1号」に替わる予定です。ぜひ、ご注目ください。

 

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