お役立ち情報コラム

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2021年1月

家族の健康 間もなく花粉症シーズン到来

 地域にもよりますが、スギ花粉が多く飛散するのは、バレンタインデーからゴールデンウイークころの期間。春の日差しを楽しめる時期なのに、花粉症でうっとうしい日々を過ごす人も多いはず。
 花粉症で毎年とても不快な思いをする人は、今年もまずは薬で対処するはずです。自動車の運転、危険を伴う作業、高い所での作業がある人は、眠くなりやすい抗アレルギー剤の内服は危険です。医師や薬剤師に、仕事やライフスタイルも話して、適した薬を選んでもらいましょう。薬での治療は、症状がひどくなってから始めるより、早めに開始した方が効果的です。特に抗アレルギー薬は、内服し始めてから効果が出るのに1~2週間かかります。地域によりますが、スギ花粉が飛び始めるのが2月中旬ですから、1月末か2月初めころには内服し始めると良いでしょう。そして花粉症シーズンになり、出現する症状に応じて他の内服薬、点眼薬、点鼻薬などを組み合わせることで症状を抑えましょう。
 花粉症で大切なことは、なるべく花粉を浴びないこと。屋外での作業や外出時には、衣服はナイロン素材で花粉がツルリと落ちる物を選び、家に入るときは上着や帽子を脱ぎ、室内に花粉を持ち込まない工夫が大切です。これは、花粉症でない人も家族や職場で花粉症の人がいる場合は、協力しましょう。室内ペットが散歩から帰ったときも、体を洗ったり、ぬれタオルで拭くなど、花粉を落として入室することも忘れずに。
 例年、花粉症でつらい思いをしている人は、長期にわたり効果が期待できる免疫療法や手術療法も検討してはいかがでしょうか?
 免疫療法は舌下免疫療法が保険適用になり、3~5年かかりますが毎日、少しずつ花粉エキスを入れることで花粉を異物と感じなくなる方法です。手術療法は耳鼻科を受診して適用になるか相談します。
 花粉症の症状が原因での仕事の効率低下や事故を防ぎ、不快感を減らして乗り切りたいですね。

健康科学アドバイザー 福田千晶

お米で健康 作ってみよう! 世界のご飯スイーツ

 日本にはお米を使ったなじみ深いお菓子がありますが、世界にもお米を使って作る伝統的なスイーツがあります。
 中でも、お米を牛乳で煮込んで作るスイーツは世界各国に多く見られます。それらは、材料の分量や種類、仕上げの方法などが少しずつ違うものの、作り方は非常によく似ています。基本的にはお米の状態から牛乳で煮て作りますが、残りご飯を使うと簡単に作ることができます。
「ストゥラッチ」トルコ
 ご飯10gをコップ1杯の牛乳と一緒に小鍋に入れて弱火にかけ、かき混ぜながら煮ます。20gのグラニュー糖、コーンスターチ大さじ1を牛乳30mlで溶いて少しずつ加え、とろみが付くまで弱火でかき混ぜながらさらに加熱します。耐熱容器に入れ、オーブンで蒸し焼きにして焼き色を付けます。
「アロス・コン・レチェ」スペイン
 ご飯30gをコップ1杯弱の牛乳と、レモンの皮4分の1個分と共に小鍋に入れて弱火にかけ、かき混ぜながら煮ます。ご飯と牛乳がなじんだらレモンの皮を取り出し、20gのグラニュー糖を加えて混ぜます。器に入れ粗熱が取れたら、冷蔵庫で冷やします。シナモンパウダー少々を振り掛けて出来上がりです。
「ベイクド・ライス・プディング」オーストラリア
 ご飯80gと同量の牛乳を小鍋に入れて弱火にかけ、かき混ぜながら水分がなくなるまで加熱します。ボウルに卵2分の1個と20gのグラニュー糖、牛乳大さじ1をよく混ぜ、牛乳で煮たご飯を加えてさっくり合わせます。レーズン大さじ1を加えて耐熱容器に移し、160度に予熱したオーブンで40~50分程度じっくりと焼きます。
ポイント
 記載の分量はいずれも1人前で、調理しやすいように数人分で作るのがお勧めです。生クリームを少し加えるとこくが増します。お好みや調理器具に合わせて加熱時間を調節しましょう。

管理栄養士・フードスタイリスト 大槻万寿美

里山を歩けば  アカガエル

 寒さが厳しいこの季節。たくさんの生き物たちが静かに休んでいると思いきや、冬眠から目覚めて産卵をするカエルがいます。アカガエルです。体は褐色系で体長は4~7cm、昆虫やクモなどを餌にします。かつては食用や薬として利用されたこともあったといいます。
 田んぼ体験の浅い水たまりや沼、ため池に500~3000個の透明なゼリーにくるまれた卵を産みます。面白いことに、冬眠から目覚めて産卵を終えたカエルたちは再び、落ち葉や泥の中、水の底で眠りに入ります。これを春眠と呼ぶこともあります。オタマジャクシは成長してカエルの姿になると、水辺から周囲の草地や森に移動し、陸上生活を送ります。昔ながらの土水路、それに連なる斜面林がある谷津や谷戸と呼ばれる場所は、彼らの生息にとても好ましい環境です。しかし残念なことに、水田の乾燥化や開発によって水辺自体がなくなっていること、宅地や道路によって水辺と陸地が分断されてしまうことで、その生息数は減少しています。
 カエルは生態系の中でも、とても重要な存在です。卵やオタマジャクシは水生昆虫やイモリや蛇の餌となり、成長したカエルはサギや蛇、イタチなどの大切な食料となります。産卵数は多いように思えますが、卵を産むまでに成長するのは20%ほどしかないといわれ、アカガエルが多く生息していることは、自然の豊かさを示す目安にもなります。各地ではカエルが側溝に落ちてもはい上がれるようなスロープを設けたり、卵塊を移動するなどの試みが行われていますが、やはり彼らを救うためには、水辺と陸地をまとめて守り、再生することが大切です。
 この冬、「キャラキャラ」「キョキョキョ」といった彼らの声が聴こえたら、その音の周りには数え切れない生き物の存在があるということを思い出してみてください。

●日本生態系協会

キッチン防災術 保温できる物で調理する

 寒い日は温かい食べ物がホッとしますね。冬の寒さが厳しい地域では、保温水筒や保温鍋などを用意しましょう。お湯を温かいまま保存でき簡単な調理もできます。120ml程度の少量から2Lまでのいろいろなサイズがありますが、自分用に一つだけ置いておくとしたら300mlがお薦め。300ml未満だとお湯の量が少な過ぎて温度を保つことができないので、ある程度容量の大きさが必要です。
 保温水筒や保温鍋はメーカーによって保温機能の性能に差がありますが、タオルや新聞紙で包む、保温性の高いアルミニウム箔を貼ったシートで包むなど、何かで包んでおくと保温性が高まります。スープやお粥もできます。お粥の場合は、まず米大さじ2杯を保温水筒に入れ、沸騰している熱湯を入れます。いったんふたをして1分待ち、熱湯を捨てます。このとき、米は下に固まっているので水と一緒に流れることはありません。一度お湯を捨て、再び熱湯を注ぎ、お箸などでかき回して1時間強置くと、全粥が1人分できます。保温が足りないときは、別の容器に移して電子レンジにかけるか、小鍋で火にかけて、一煮立ちしたら出来上がり。スープは、キャベツなど火の通りやすい野菜を50g(目安として卵1個分くらいの量)まで入れて、30分程度置き、お好みの調味料で味を調えて出来上がり。ニンジンやダイコンもピーラーで薄くして入れると、きちんと煮えます。できたら何も入れない状態でお湯を入れて温めておきます。材料を入れてからも、お湯が少ないと煮えませんので注意してください。
 お湯の量が多いと冷めにくいので、保温機能のまったくない普通のお鍋でも使わなくなった毛布や分厚いタオルで包めば保温鍋に変身します。鍋は2L以上の容量があればいいでしょう。お手製保温鍋は冬限定の調理法。気温も湿気も高い夏の時期は置いておくだけで腐りやすく危険です。

災害危機管理アドバイザー●和田隆昌

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