お役立ち情報コラム

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2021年2月

家族の健康 耳掃除のやり過ぎは駄目

 3月3日は耳の日です。  耳掃除は気持ち良いと感じます。理由は、耳の穴には迷走神経と呼ばれる神経があり、触れると快感を生じるからです。そのため気持ち良く頻繁に行いたくなるのですが、実は耳掃除のし過ぎは危険なのです。
 耳あかの源は、耳穴の古くなった皮膚の細胞と、耳垢腺から出る分泌物が混じり合った物で、本来は外穴にとどまり、屋外での農作業などでも虫やごみが耳に入り傷付かないように、自然に外耳道を保護してくれるのです。そして、耳あかは自然に少しずつ耳から出て行きます。
 ところが耳掃除をすると、耳あかを耳の奥に押し込むことがあります。また、耳の皮膚は薄いので、耳掃除の折に傷を付けることもあります。耳の傷が原因で血液や浸出液が出てそれが固まると、かゆみを起こします。かゆくなるとさらに、耳掃除をしたくなり、傷を付けるという悪循環になります。しかも、耳の傷が炎症を起こすと外耳炎になり、痛みや耳の周囲の腫れを伴い、耳鼻科での治療が必要になります。
 耳を掃除するのは、清潔になるイメージもありますが、実は耳掃除のし過ぎは、耳の自然な清浄作用がなくなり余計に不潔になります。しかも、外耳炎や耳のかゆみ、不快感の原因にもなるので耳掃除のし過ぎはやめましょう。木製や金属製の耳かきを使用したり、耳の奥深くまで掃除するのは傷を付けやすいので気を付けましょう。耳掃除は、清潔な綿棒を使い、月に1~2回で十分です。入浴や水泳の後に耳の中に水が入ったときは、タオルや綿棒で入り口付近だけ水を拭き取ります。
 耳あかが多量になったり、耳が不快な場合は、耳鼻科を受診して相談してください。同様に、高齢者や耳掃除を極端に嫌がる人、耳あかがベトベトしていて自分で耳掃除がしにくい場合も、耳鼻科を受診しましょう。気持ち良いと感じる人も多い耳かきですが、頻度も強さもやり過ぎは危険なので気を付けましょう。

健康科学アドバイザー 福田千晶

お米で健康 春に始めてみよう! バケツで稲作

 稲は少しの量ならバケツでも育てることができます。どのように稲が育ち米になるのか、観察をするのもいいですね。
(1)4月中旬 種もみの芽出し
 容器に種もみを置き、浸るくらいの水を入れて、直射日光が当たらない温かい室内に置きます。水は毎日替えましょう。
(2)4月下旬 種まき
 発芽した芽が1cmほどになれば種まきします。準備した土をバケツの8分目まで入れ、表面が湿るくらい水を含ませます。発芽した種もみを間隔を空けて7mmほどの深さに指で押し込みます。バケツ1杯に10粒ほどが目安。バケツは室外の日当たりの良い場所に置きます。
(3)5月中旬 植え替え
 表面が乾けば水を与えます。葉が3~5枚になったらよく育っている苗を4株ほど選び、残りの苗は取り除きます。選んだ4株は根が傷まないように丁寧に取り出し、中央にまとめて植えます。水深2~3cmほどまで水を入れておきます。成長に合わせ水深5cmまでにします。
(4)7月中旬 中干し
 背丈が20cmほどになった頃、1度水を捨て、バケツと土の間に隙間ができるくらいになるまで3日ほど乾燥させます。
(5)7月下旬 水入れ
 水深2cmになるように水を入れます。水がなくなれば再び2cmになるまで水を入れるのを数回繰り返してから水深5cmを保ちます。
(6)8月上旬 穂が出る
(7)9月下旬 落水
 刈り取りの10日ほど前から少しずつ水を切ります。
(8)10月上旬 刈り取り
 全体の90%くらいの穂が黄色くなれば、はさみで刈り取ります。
(9)10月上旬 乾燥
 根元を結わえて穂が下になるように10日ほどつるして干します。
(10)10月中旬 脱穀・もみすり・精米
 手作業で脱穀・もみすり・精米をして白米にします。バケツ1杯で茶わん半分ほどの米が取れます。

管理栄養士・フードスタイリスト 大槻万寿美

里山を歩けば  ウグイス

 「ホーホケキョ」。春が来たなと感じさせてくれるウグイスの声です。ウグイスは「春告鳥(はるつげどり)」とも呼ばれ、この声がその年初めて聞かれる日を、気象庁では季節の移り変わりを確認する情報の一つとしています。この声が聞かれるのは関東では3月から4月ですが、この日に向けて彼らの体は少しずつさえずりに適した状態へと発達していきます。初春は「これがウグイスの声?」と疑ってしまうほどのへたな鳴き方ですが、徐々にそれらしくなり、この頃には美しい歌声が完成するのです。春の深まりとともにホルモンの分泌量が増えることが、美声に作用しているといわれています。
 ウグイスは高山から平野まで広く分布するスズメくらいの大きさの鳥です。茶色っぽい緑色で目の上に少し眉毛のような羽毛がある、意外と地味な鳥です。その声の美しさは古くから日本人に愛され、ペットとして飼う人も多かったようですが、1980年以降は法律で飼育が禁止されています。
 そんなウグイスですが、今後、里山では数が減ってしまう危険が迫っています。原因の一つは、狩猟の減少や耕作放棄地の増加によってシカが増えたことです。シカはウグイスのすみかとなっている森の中の草やササを食べてしまいます。もう一つの原因は、外来種の鳥、ソウシチョウの増加です。ペットが野生化したと考えられるこの外来鳥は、ウグイスとすみかが似通っているため、巣を作る場所を奪い合い、もともとそこに暮らしていたウグイスが追いやられることがあるようです。
 こうした生態系の乱れは、さまざまな生き物に影響を及ぼし、気付いた頃にはもう手遅れということも少なくありません。本来そこに暮らす生き物の適正な数や、他の生き物との関係性を考えることは、里山の環境を未来に残すのにとても重要です。これからも毎年、ウグイスの号令で、里山に暮らす生き物たちみんなと春の訪れを一緒に喜べますように。

●日本生態系協会

キッチン防災術 野菜のピクルス

 災害に遭っても野菜類は配給されることは少ないはずです。いえ、ほぼないといってもいいでしょう。特に生野菜は衛生上の理由もあって配られることはありません。そんなこともあり、野菜類は冷蔵庫、冷凍庫、あるいはキッチンなどに、それぞれ保存しておきたいものです。
 さて、毎日食事を作っていると、野菜の切れ端が残ったりしますね。ニンジン、ダイコンの尻尾、キュウリ、カブの軸、ブロッコリーやキャベツの芯、ぱっと捨てるにはちょっともったいないなと思うことはありませんか。そんな野菜がある程度たまってきたら、ピクルスにしてしまいましょう。
 ピクルスは漬物の一種ですが、細菌を抑制する働きのある塩や砂糖を使い、さらに「酢」を使って腐りにくくします。わが家では私が冷やして食べるのが好きなので、平常時には冷蔵庫に入れておきますが、災害などで冷蔵庫が使えなくなった場合は常温保存できます。
 冷蔵庫などで倒れても液があふれない容器に入れて、またはビニール袋で作ります。作り方は簡単。野菜220g、酢40g、砂糖20g、塩2.6g(約小さじ1/2)を合わせます。お好みで、ショウガ1枚、こしょう5粒、ローレル1枚、輪切り唐辛子4個程度を入れるとピリッとした味になります。
 ゴロゴロと切った方が食べ応えがあり、おいしいです。見た目をきれいにするには野菜の大きさをそろえます。色取りどりのパプリカやカブを加えると見た目にもきれいです。
 ピクルスのポイントは、野菜の重さと調味料の割合です。野菜を増やしたら、同じ割合で酢と砂糖と塩を増やしてくださいね。野菜はそのまま食べられれば、何でも構いません。ジャガイモなども薄く切って火をさっと通すと漬けられます。3時間ぐらい置いたら、いつでも食べ頃です。

災害危機管理アドバイザー●和田隆昌

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