お役立ち情報コラム

生活に役立つ情報や営農情報をお届けします

2021年4月

食事バランスガイドで再確認!

 「バランスの良い食事」といっても、「何を」「どれだけ」そろえれば良いのか迷うことはありませんか?
 食事バランスの参考になるものとして「食事バランスガイド」があります。
 「食事バランスガイド」とは、厚生労働省と農林水産省が共同で策定したツールで、1日分の食事の望ましい組み合わせとおおよその量を「こま」をイメージしたイラストで分かりやすく示したものです(ページ内のこまは簡易図で表記)。「こまの回転」は運動によって安定することを表現し、食事の中で欠かせない水分を「こまの軸」に、菓子や嗜好(しこう)飲料は「ひも」に見立てて、食事が偏っても運動が足りなくても、こまはうまく回らないことを意味しています。
 こまの本体は「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の料理グループに分けられており、区分ごとに「つ(SV)」という単位を用いてそれぞれ目安となる料理とその分量が示されているので「何を」「どれだけ」食べれば良いのか一目瞭然です。
 イラストでは、身体活動量が「低い」成人男性や活動量が「ふつう以上」の成人女性が1日に食べる量の目安量である2200±200kcalを想定した料理例が基本型として描かれています。この基本型の食事では、例えば主食の一日の目安量は5〜7つ(SV)であり、ご飯なら普通盛りのお茶わん3・5〜4・5杯分程度です。また、こまの大きさ(食事の適量)は、性別、年齢、身体活動量によって異なるため、個人レベルで調整が必要です。
 「食事バランスガイド」を参考に再確認してみませんか。
※妊娠中・授乳中の方は「妊産婦のための食事バランスガイド」を参考に。持病などで医師や管理栄養士から食事指導を受けている方はその指示に従ってください。

大槻 万須美(おおつき ますみ) 楽しく食べて健康に。食の大切さを正しく伝えるため、ママと乳幼児のための料理教室やアスリートの食事指導、特定保健指導など幅広く活動。

園芸研究家●成松次郎


睡眠不足とアルツハイマー型認知症

 高齢者に見られる「物忘れ」は、食事で食べた物を忘れることがありますが、脳の神経細胞が本来の老化よりも早く減り、40〜50代くらいから進行するアルツハイマー型認知症では食事したこと自体を忘れます。「行ったこと」「約束したこと」など、行動そのものを忘れ、生活に支障を来します。やがて時間や場所、人も分からなくなり、夜間に騒いだり、家の中で迷いトイレにも行けなくなります。
 脳の活動によって生じる老廃物の「アミロイドβ」は、蓄積すると脳細胞を圧迫や死滅させます。脳の神経が正常に機能せずアルツハイマー型認知症になります。
 脳は昼間に得た情報を睡眠によって整理します。また、脳が活動して発生した老廃物のアミロイドβは、睡眠中に脳内から盛んに排出されます。睡眠の時間も質も十分でないとアミロイドβの蓄積は早く進み、認知症にもなりやすいといえます。
 厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針」(2014年)では、睡眠時間の目安は25歳では7時間、45歳では6・5時間、65歳では6時間。加齢と共に睡眠時間は減少し、さらに朝早く目覚めますが、睡眠時間はきちんと確保したいものです。
 アルツハイマー型認知症の発症には遺伝も関係しますが、糖尿病や高血圧など生活習慣病の人、頭部外傷の既往歴のある人は、発症する危険が高いといわれています。脳の血管が傷むと、アミロイドβを排出する機能が低下して、脳内に蓄積しやすいのです。
 アルツハイマー型認知症の予防には、摂取カロリーが多過ぎないバランスの良い食生活、適度に体を動かすことが大切です。運動や農作業で体を動かすことが多ければ、夜間には眠りが深くなり脳内でのアミロイドβの蓄積を進ませないことにもなります。認知症と睡眠は深い関係があるのです。

健康科学アドバイザー●福田千晶


端午の節句

 端午(たんご)の節句は五節句の一つ。中国の陰陽五行説に基づき、奇数が重なる月日に季節の厄を落とす行事がお節句です。端午は5月端(はし・はじめ)の午(うま)の日を表します。今は「こどもの日」ですが、武家の時代から男の子の成長を祝うようになりました。
 滝を登り切ったコイは竜になるという「登竜門」の伝説にあやかり、立身出世を願ってこいのぼりを飾ります。近頃は住宅事情か少子化か、屋根より高いこいのぼり、と歌のような風景は少なくなってきました。ちなみにのぼり棒の上に飾られている「くす玉」は、汚れや病を取り除く薬草や香草を丸めた「薬玉」が由来です。
 この日に入浴するしょうぶ湯。良い香りで汚れを払うハショウブはショウブ科。ハナショウブはアヤメ科で葉に香りはありません。武を尊ぶという意味の「尚武」や「勝負」に掛けて飾られます。アヤメとの見分け方は? 花びらにあや目(網目)のある方がアヤメです。
 行事食のかしわ餅。なぜカシワの葉で包むのでしょう。カシワの葉は、新しい葉が出るまで古い葉が落ちないといわれます。親が子の成長を見守り、代々つながっているのです。
 ちまきをいただく風習もあります。中国・楚の詩人、屈原(くつげん)が世をはかなんで入水した後、人々が葉で巻いた米を投げ入れたのが由来とされています。端午節にアジア各地で行われるにぎやかなドラゴンボートレースを知っていますか? これは、屈原を助けるために人々が競って船を出したことが元となっています。たくさん巻くから千巻きと書く説もあります。
 室礼飾りは、ハナショウブを真っすぐにきりりと立てるのがポイントです。咲き終わったからと捨てないで! がくの中にまだつぼみがあります。しぼんだ1番花を取り除くと2番花が咲いて2度楽しめますよ。
 こいのぼりの吹き流しのように、5色の折り紙で折ったかぶとも添えて。時には童心に帰るのもいいでしょう。

和文化講師●滝井ひかる


上へジャンプ