お役立ち情報コラム

生活に役立つ情報や営農情報をお届けします

2021年 6月

私の食育日記  絵本と食事

 子どもたちには、食べること、お料理することを大好きになってもらいたい。そこで活用しているのが絵本です。
 絵本が大好きな子どもたち。私の趣味でたくさんの食べ物に関する絵本があります。娘がお豆を食べ始めたときは、お豆が出てくる絵本を読み聞かせてからお豆デビュー。娘は今でも、お豆マンと呼んで、豆類が大好きです。果物に関する絵本や、野菜に関する絵本、たくさんありますが、食べる前に読めば「わあ、絵本に出てきたやつだ」と喜んで食べ始めます。そして、少し大きくなった今は、一緒にお料理する前に、関連の絵本を読むことにしています。
 先日は『ぐりとぐら』(福音館書店)という絵本を読んでカステラ作りに挑戦しました。まず、キッチンへは行かず、絵本を読み聞かせます。そして、「作ってみたい人?」と聞くと2人とも大きな声で「はぁい」。では、「作るのには何が必要だったかな?」と聞くと次々回答が。そうやって材料を探すところからやってもらうと、クイズのようで楽しくできます。絵本みたいに一生懸命泡立て器を回し、焼くときは「いい匂いしてきた?」と何度ものぞきに来ていました。出来上がったフライパンのカステラを見て、「動物たちと食べなくちゃ」と、動物のぬいぐるみを並べて食べる子どもたち。絵本の世界に入った気分です。そんなふうにして、絵本の世界に入って、お料理してもらう。そうすると、苦手な物にも挑戦してくれることもあります。サンドイッチが苦手な息子には、サンドイッチの絵本を読む。すると、作ってみたいという気持ちになるようで、自分で作ると自然と食べてくれます。
 他にも、ホットケーキ作りの絵本や、野菜ができるまでの絵本などもあります。食べてもらいたい物の絵本を探してみるのもいいですね。絵本と料理を組み合わせるだけで、楽しいイベントになります。ぜひ挑戦してみてください。

岡村 麻純(おかむら ますみ)
1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。


野菜もの知り百科 スイカ(ウリ科スイカ属)

 南瓜(カボチャ)、胡瓜(キュウリ)、越瓜(シロウリ)、隼人瓜(ハヤトウリ)、苦瓜(ニガウリ)、冬瓜(トウガン)、糸瓜(ヘチマ)、甜瓜(マクワウリ)など、ウリ科野菜の漢字は来歴や特性を表したものが多いです。野菜も漢字も文化(カルチャー)で、カルチャーは「耕す」に由来し、派生語にアグリカルチャー(農業)があります。
 原産地はアフリカ南部です。西域(シルクロード)経由で中国に伝わったので「西瓜」と書きます。日本へは16世紀ころに渡来し、明治時代には西欧の品種が奈良県でさらに改良されました。奈良県には今でもスイカの育種会社があります。
 スイカの糖度は収穫適期間際になって急上昇します。1~2日早い若取りでも糖度不足になり、満足できる品質ではありません。昭和時代のスイカの収穫は生産者の経験と勘に頼っていたので、八百屋で買うスイカには「当たり・外れ」がありました。平成時代になると産地はスイカを切ることなく糖度や空洞などを調べる非破壊選果機を導入し、店頭に並ぶスイカに「外れ」はなくなりました。
 家庭菜園では1株から子づるを3本伸ばし、大玉品種は2個、小玉品種は4個実らせるのが一般的です。交配した日を記入したラベルを付け、大玉品種は45~50日後、小玉品種は約35日後を目安に収穫します。
 スイカは積算温度(毎日の平均温度を足したもの)が900~1000度で収穫適期になるので、4月に定植した物と5月に定植した物では、温度の低い4月の方が収穫までの日数はかかります。収穫の目安は他にも果実付近にある巻きひげが半分以上枯れる、果実の尻部がへこみ弾力が出てくる、果皮の光沢が鈍くなるなどがあります。
 「収穫の判断は試し取りをする」と書いた本もありますが、家庭菜園では数個しか取れないので、試すなんてもったいなくてできません。

藤巻久志/種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。


あなたもチャレンジ! 家庭菜園 レタス サラダ野菜の王様

 レタスの生育適温は、15~20度と冷涼な気候が良く、日が長くなる季節(春夏)にとう立ちします。一般地では栽培しやすい作型は、8月中下旬まき、11~12月取りです。栄養成分には、カロテン、ビタミンC、葉酸、カリウムなどを含む低カロリー食品として、サラダの主役です。
[品種]
 早生系では「ラプトル」(横浜植木)、「ユーレイクス」(みかど協和)、中生系では「シスコ」(タキイ種苗)などがあります。
[育苗]
 小型ポットでは5~6粒の種をまき、本葉2~3枚までに1本に間引き、本葉4~5枚まで育てます(図1)。発芽までは灌水は十分行い、まき床に新聞紙で覆うなど、土の乾燥を防ぎます。育苗中は、日よけのトンネルやよしずを掛けて強い日差しを避けます。
[畑の準備]
 植え付け2週間前までに、1平方m当たり苦土石灰100gを散布して、よく耕しておきます。次に、植え付け1週間前までに化成肥料(チッソ、リン酸、カリウム各成分10%)150g、堆肥2kgを施し、幅90cmの栽培床を作り、平らにならしておきます(図2)。
[植え付け]
 栽培床を平らにし、黒のポリマルチを張り(図3)、本葉4~5枚の苗を、条間30cmの3条、株間30cmに植え付けます(図4)。
[追肥]
 追肥は、結球し始めた頃に、株間のマルチに指で穴を開け、1平方m当たり化成肥料50gをまき、薄く土を掛けておきます。
[病害虫防除]
 植え付け後に地際で茎が切られていたら、ネキリムシを疑ってよいでしょう。株元を浅く掘って虫を探します。ヨトウムシには、BT剤(トアロー水和剤CTなど)で防除します。
[収穫]
 葉が巻き、球を押してみるとやや弾力がある頃がおいしい。切り口から白い乳液が出るので、布などで拭き取ります。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
板木技術士事務所●板木利隆


上へジャンプ