お役立ち情報コラム

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2021年 8月

私の食育日記  子どもの飲み物

 子どもの食事の内容やおやつの量はいつも気にしていますが、1日に摂取する水分量はあまり意識していないことに気が付きました。
 赤ちゃんの体内は70%から80%が水分とされます。そして成長とともに水分量は減り、成人で60%ほどになるそうです。つまり、子どもは大人以上に水分補給が必要です。
 子どもが1日に摂取が必要な水分量は幼児期ならば、体重1kg当たり約100mlだそうです。例えば、体重18kgの息子の場合は1800ml。そのうち4割ほどは食べ物に含まれる水分で得られるとしても、毎日約1Lは水分補給が必要です。子ども用のプラスチックカップが1杯約100mlなので10杯分となります。しかし、10杯分飲まなければと1回の量を増やしてしまうと、今度は胃に負担がかかってしまいます。幼児が1回に飲むのに適した水分量は約100mlとされるので、このコップ10杯を1日のうちになるべく均一な間隔で飲むことが理想的となります。
 もう一つ、水分補給をジュースや甘い物に頼ってしまうと、今度は糖分の過剰摂取になってしまいます。甘くておいしいジュース類だと、飲むスピードも速くなってしまいます。子どもが、喉が渇いているときこそ、ジュースや甘い物は避け、水やお茶をお薦めします。100%の果物ジュースでも、100ml当たりに糖分が約10g含まれています。これは砂糖大さじ1杯分です。ジュースはおやつの一環として捉えておくことが大切です。
 わが家では朝と寝る前は牛乳を、そして日中は水かルイボスティーを飲んでいます。夏はこれに体を冷やす効果のある麦茶もプラスします。ルイボスティーはカフェインも無く、ミネラルも含まれているので1年中活躍しています。
 喉が渇く前に小まめに少しずつ水を飲んでいくことが理想です。わが家では、出掛ける際、「ハンカチ持った?  水筒持った?」が習慣です。

岡村 麻純(おかむら ますみ)
1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。


野菜もの知り百科 トウガラシ(ナス科トウガラシ属)

 ピーマンは英語でベルペッパーというようにペッパー(トウガラシ)の仲間で、辛味のない品種です。シシトウもシシトウガラシを短縮したもので、辛味の少ないトウガラシです。ピーマンもシシトウもトウガラシも学名は同じCapsicum annuumで、どれも白くてかわいい花を咲かせます。
 属名のCapsicumは箱(種子が入っている部分が箱に似ている)を、種小名のannuumは1年生を意味します。トウガラシの辛味の主成分のカプサイシンは学名にちなみます。ピーマンはカプサイシンをほとんど含みません。シシトウは高温乾燥や肥料切れなどのストレスを受けるとカプサイシンが多く生成されることがあります。
 シシトウをトウガラシの近くで栽培すると辛くなるというのは俗説です。カプサイシンは種子が付いている胎座に多く含まれています。シシトウの胎座は正常では甘く、たとえトウガラシの花粉が掛かっても辛くなることはありません。その交雑した種子を翌年栽培すると、トウガラシの遺伝子が半分入っているので、できた実の胎座は辛くなる可能性は高いです。
 トウガラシ属は普通自家受粉です。トウガラシ属のめしべはおしべよりも長いので、柱頭に花粉が掛かるように花は下を向いて咲きます。野菜の花を趣味にしている人は、撮影のときに苦労します。
 トウガラシは日本の七味、韓国のキムチ、中国の四川料理、イタリアのペペロンチーノなどに利用され、その辛さは世界各国の人々に愛用されています。
 トウガラシの原産地は熱帯アメリカです。高価で貴重な香辛料のこしょうを探しに行ったコロンブスは、カリブ海のエスパニョーラ島でトウガラシを発見しました。欧州ではトウガラシをこしょうと同じペッパーと呼ぶようになりました。
 ピンク・レディーのデビュー曲『ペッパー警部』のペッパーはこしょうかトウガラシかは不明です。

藤巻久志/種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。


あなたもチャレンジ! 家庭菜園 エンドウ マメ科の連作に注意

 エンドウには若いさやを食べるサヤエンドウ、実が大きくなり、みずみずしいさやのスナップエンドウ、そして若く充実した豆を取る実取りエンドウがあり、それぞれ目的に応じた品種を使います。
[品種]
 サヤエンドウでは、「ニムラ白花きぬさや」(みかど協和)、「砂糖エンドウ白星」(松永種苗)など、スナップエンドウでは、「ニムラサラダスナップ」(みかど協和)、「スナック753」(サカタのタネ)などがあります。
[畑の準備]
 マメ科野菜は、同一の畑で連作すると生育障害が出やすく、4~5年はマメ科を入れていない畑を選びましょう。種まき2週間前に畑1平方m当たり苦土石灰100gを全面に施し、土とよく混ぜておきます。次に、1週間前に畝幅120cmを取り、深さ20cmの溝を掘り、この溝1m当たり化成肥料(NPK各成分で10%)100gと堆肥1kgを入れ、土とよく混ぜて幅40~50cmの畝を作ります(図1・2)。
[種まき]
 一般地では10月中旬~11月上旬が適期で、早まきして年内に生育が進み過ぎないことが大切です。じかまきでは、株間30cm程度、1カ所4~5粒をまきます(図3)。発芽の頃に鳥害を受けやすいため、不織布をべた掛けして保護します。発芽がそろったら2本を残し、他は間引きます。なお、小さなポットで育苗して、本葉2枚の頃、畑に植え付けることもできます。
[追肥]
 春先に生育の勢いが良くなり始めた頃と開花始め頃にそれぞれ化成肥料を畝1m当たり10g程度、スナップエンドウ、実取りエンドウではさらにさやの肥大期にも同様に追肥します。追肥後は株元に土寄せをしておきます。
[支柱立て]
 早春から生育が盛んになり、つるあり種ではつるを絡ませるため支柱を立てネットを張ります(図4)。
[病害虫の防除]
 さやができる頃からハモグリバエが多発しますので、マラソン乳剤などを使用基準に従って防除します。うどんこ病には、カリグリーンなどの農薬で予防します。
[収穫]
 サヤエンドウは、子実の肥大が始まる頃で、開花後15日前後、スナップエンドウはさやが鮮緑色で豆が肥大して断面が円形となる開花後25日前後です。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
板木技術士事務所●板木利隆


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