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2022年 1月

私の食育日記  大豆探し

 息子は小豆が大好きです。ケーキより和菓子を好みます。そこでいつも小豆をまとめて煮て小分けして冷凍し、アイスにのせたりパンに付けるのはもちろん、カボチャと一緒に煮たり、お米と炊いたり、おやつにも食事にも登場します。小豆はタンパク質が豊富で必須アミノ酸を多く含み、便通促進効果があるとされるサポニンも含まれているので、親としては、豆類、小豆や大豆製品をしっかりと食べてくれると安心です。そんな話を息子にしたら、まさかの「大豆は食べてないよ」という返答が。いやいや、たくさん食べていますよ。ということで、おうちにある物で、大豆からできている物を探してみることにしました。
 豆腐、厚揚げから始まり、納豆と次々見つけていくと、子どもたちは宝探し気分。しょうゆ、みそまで見つけると、子どもたちはびっくり。「大豆ってすごい」と喜んでいました。ちなみに娘が大好きなエダマメは大豆の若者だよと話すと、さらに驚き、「大豆いっぱい食べていたね」と大発見でした。
 大豆のすごいところは、脂質、タンパク質共に豊富なところです。人間の体内のタンパク質は20種類のアミノ酸からできていますが、そのうち9種類は、体内では作ることのできない必須アミノ酸です。大豆にはその必須アミノ酸が全部含まれています。そのうちのリシンやトリプトファンが多く含まれていますが、これは穀類には不足しがちなアミノ酸です。つまり、ご飯とおみそ汁というコンビは、少ない必須アミノ酸をお互いに補い合っている最強コンビなのです。和食って素晴らしい。
 その夜、豆腐のおみそ汁を食卓に出すと、息子は「ママ、大豆に大豆を入れちゃってるよ」と笑いながら、普段残しがちなおみそ汁をきれいに飲み干してくれました。知るということがきれいに食べようという気持ちにつながってくれたことがとてもうれしかったです。

岡村 麻純(おかむら ますみ)
1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。


野菜もの知り百科 タマネギ(ヒガンバナ科ネギ属)

 秋まきのタマネギは、チューリップが咲き終わる頃、肥大のスピードを速めます。チューリップもタマネギもユリ科に分類されてきました。DNAが決める新分類ではチューリップはユリ科のままですが、タマネギはヒガンバナ科になりました。タマネギはねぎ坊主がヒガンバナの花に似ています。
 食用にしている部分は鱗茎という茎なので、野菜生産出荷統計(農林水産省)や日本標準商品分類(総務省)では葉茎菜類に分類されています。タマネギの肥大は日長と温度に支配され、北海道は高緯度で寒さが厳しいので春まきして、本州以南は秋まきします。
 北海道は晩生品種を用います。早生や中生品種を春にまくと、定植後すぐに肥大に必要な長日と温度が確保され、小さなタマネギしかできません。本州以南では9月に種まきして育苗し、11月に定植するのが一般的です。タマネギはグリーンプラントバーナリゼーション(緑植物体春化)型で、一定の大きさになった苗が一定の低温に遭うと花芽分化し、春にとう立ちします。地域の種まき時期を守り、早まきは避けます。大苗になるほど低温感応しやすいので、定植時に茎の太さが8mm以上の場合は除きます。
 種は生き物ですから寿命があり、長命種子(寿命4年以上)、常命種子(2~3年)、短命種子(1~2年)に分類されます。タマネギは短命種子なので、毎年新しい種を購入します。単子葉植物のタマネギは子葉が折れ曲がって発芽する面白い特性があります。
 タマネギを切ると細胞が壊され、硫化アリルなどの刺激物質が目や鼻を刺激して涙が出ます。ニンニクにも含まれている硫化アリルは、血液をサラサラにして、動脈硬化や脳血栓などを予防します。
 現在は刺激物質の少ない品種が増え、タマネギを包丁で切って涙を流すシーンはドラマでもほとんど見られなくなりました。

藤巻久志/種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。


あなたもチャレンジ! 家庭菜園 ジャガイモ 多様な品種を楽しむ

 休眠の明けた芽は5度程度で活動が始まるため、早植えして発芽した芽は遅霜の被害を受けます。生育適温は10~23度で、冷涼な気候を好みます。
品種
 ホクホクした粉質の「男爵薯」「キタアカリ」や、アンデスの栗ジャガと呼ばれる「インカのめざめ」、ねっとりした粘質の「メークイン」「レッドムーン」など料理に向いた品種を選びましょう。秋作を行うには「デジマ」「ニシユタカ」など休眠の浅い品種を使います。
畑の準備
 植え付け2週間前に1平方m当たり苦土石灰50gを施しよく耕し、1週間前に、畝間60~70cm、深さ15cmの溝を掘り、畝1m当たり普通化成肥料100gと堆肥1kg程度を施し、土を戻してよく混ぜておきます(図1)。
植え付け
 種イモの大きさは1個30gくらいが良く、大きいイモは各片に頂部に芽が付くように3~4片に縦切りします(図2)。切り口は、日陰で短時間乾かしておきます。元肥の上に少し土を戻し、種イモの切り口を下にして、株間30cmに植え付け、7~8cmの覆土をします。マルチ栽培をすると雑草を防ぎ、地温が上がるため収穫期が1週間程度早まります。この場合、種イモを植え付け後、黒色ポリフィルムを張り、芽先がフィルムを持ち上げたら、フィルムを破り上に出します。なお、発芽後の遅霜被害対策として、不織布のべた掛けがお勧めです。 [芽かき]芽が10cmくらいに伸びた頃、強い芽を2本残して他はかき取ります(図3)。
追肥・土寄せ
 芽が15~20cmの頃、畝1m当たり普通化成肥料50gを畝の両側にまき、5cm程度の厚さに土寄せをします。2回目の土寄せは同じようにつぼみが付いた頃に行います。土寄せは十分し、イモの露出を防ぎます(図4)。マルチ栽培ではマルチの裾を上げて追肥をします。
収穫
 開花後2~3週間で新ジャガを楽しめますが、葉が枯れ始めてから掘り取れば充実したイモになります。晴天が続いた日にイモを傷付けないように掘り取ります(図5)。イモは光で緑化するため冷暗所で保存します。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
板木技術士事務所●板木利隆


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