お役立ち情報コラム

生活に役立つ情報や営農情報をお届けします

2022年 4月

私の食育日記  食事のマナーの始めどき

 息子はこの春、小学校に入学。うれしいような成長の早さに寂しいような気持ちです。そんな年齢になると、食事に対しても、残さず食べたね、だけでなくきれいに食べること、マナーを身に付けていくことが必要になってきます。
 家族で食事をする回数は1日2回としても、週に14回。マナーを学ぶには十分な時間があります。しかし、食事は家族だんらんの時間。厳しく言い過ぎて、食事が楽しい時間ではなくなってしまったら意味がありません。そこで、わが家では、学んでほしいマナーを項目分けして、1週間で一つ、身に付けてもらうように心掛けています。
 まずは姿勢。食事中の姿勢は全てのマナーの基本です。背筋を伸ばして寄り掛からずに食べる。この項目にチャレンジする週には、息子には「いただきますの前に、テーブルと体の間に握りこぶし1個分が空いているか確認してね」と伝え、そこだけ毎日やってもらいました。1週間たつとなんとなく座る前に姿勢を意識する癖が付いていました。そうしたら、次の項目。これまで、食事中、箸とスプーンを使っていましたが、箸だけに変更。ご飯の最後の1粒まできれいに箸で取る練習をしました。こちらはゲーム感覚で大喜び。そして次の週は、お茶わんの持ち方を伝え、お茶わんと汁物のおわんは必ず手に持って食べる、その次の週は、箸を取るとき、置くときの持ち替え方など、1週間に一つだけ意識してもらいました。さらに、お休みの日に、洋食のメニューの日を決めて、ナイフとフォーク、スープスプーンだけを並べてイベントのようにして練習しました。子どもたちも、きれいに切れたよ! どこから切るの? といつもと違う食卓に楽しそうにしていました。
 食事のマナーは習慣です。毎日毎日繰り返すことで自然と身に付いていきます。見守る大人も、あせらず、ゆっくり優しく伝えていけたらと思っています。

岡村 麻純(おかむら ますみ)
1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。


野菜もの知り百科 プリンスメロン(ウリ科キュウリ属)

 日本のメロンの栽培は明治中ごろに内藤新宿農事試験場、今の新宿御苑で始まりました。戦後、庶民にとってメロンといえばカキ氷のメロンシロップで、きり箱に入って売られているメロンは一生味わえないものと思っていました。
 1962年に「プリンスメロン」が発売される以前は、メロンの仲間のマクワウリを食べていました。果物が水菓子と呼ばれていた時代です。冷蔵庫も普及していなかったので、井戸水や水道水で冷やして食べました。年配の人が「マクワウリはおいしかった」と言うのは、他に甘い物がなかったからだと思います。
 「プリンスメロン」は、坂田種苗(現サカタのタネ)の創設者でメロンが大好きな坂田武雄が、赤肉メロンの「シャランテ」の種子をフランスから持ち帰り、日本のマクワウリの「ニューメロン」と掛け合わせた物です。雌親がマクワウリ、雄親が赤肉メロンなので、外観はノーネットのマクワウリです。商品名を出さないNHKでも「プリンスメロン」と放送していました。野菜の品種名は農家や市場関係者は知っていますが、一般消費者が初めて覚えた品種名は「プリンスメロン」でしょう。その後、「ハニーバンタム」や「桃太郎トマト」などの品種名を誰でもが口にするようになりました。
 プリンスという名前から「皇太子ご成婚にちなんで名付けられた」と書かれた書物がありますが、それは間違いです。一つの品種が世に出るには、農家に試作をお願いし、それを市場関係者に評価してもらいます。横浜市中央卸売市場の金港青果に大手果実商の若手が集まる「プリンス会」があり、そこで大好評となり「プリンスメロン」と名付けられたのです。
 人はぜいたくなもので、次はネットのあるメロンが食べたくなり「アンデスメロン」や「タカミメロン」が誕生しました。

藤巻久志/種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。


あなたもチャレンジ! 家庭菜園 ゴーヤー(ニガウリ) 緑のカーテンにも最適

 野菜の中でも、暑いほど生育が旺盛なゴーヤーは特有の苦味が特徴の夏の健康野菜です。苦味の成分はモモルデシンという物質で、胃液の分泌を促し食欲を増進し、栄養成分ではビタミンCが特に多く、カロテンとミネラルも豊富です。
[品種]
 果実の形状と色で、濃緑色で中長型の「えらぶ」(八江農芸)、短太型の「沖縄あばしゴーヤー」(フタバ種苗)など、白い果実の品種もあります。
[畑の準備]
 日当たりの良い場所を選び、事前に1平方m当たり苦土石灰100gを散布し、植え付けの1週間前には化成肥料(NPK各成分10%)200gと堆肥2kgを全面散布し、よく耕しておき、120cm幅のベッドを作ります。
[苗作り]
 種の皮は堅く吸水しにくいので、ペンチで傷を付け1晩水に浸して十分吸水させます。高温性で、発芽に25度以上は必要なので、5~6月まきが適します。種まきは、直径9cm程度のポリポットに3粒まき、本葉1~2枚の頃に1本に間引き、本葉3~4枚の頃に植え付けます(図1)。
[植え付け]
 条間80~90cm、株間80~100cmに植え付けます(図2)。
[支柱立て]
 つる性なので早めに支柱を立て、これに誘引します。支柱は合掌式に組み、ネットを張れば、つる先が絡まり安定します。初期につるを誘引し、後は放任でもたくさんの果実を収穫できます。コンパクトに育てるには、親づるを4~5枚で摘心し、脇から出る子づるは5~7枚で摘心して孫づるを出させます。なお、生育は大変旺盛なので、日よけ棚作りにも向いています(図3)。
[追肥]
 果実がなり始めたら、月に1~2回、1株当たり10gくらいの化成肥料を株の周囲に施します。
[収穫]
 開花後15~20日で、果実の形が完成し、果皮につやが現れるまでに、早めに収穫します。取り遅れると、果実は黄~だいだい色に変色し、完熟するとアケビのように果実が割れ、赤い種が見えてきます。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
板木技術士事務所●板木利隆




上へジャンプ