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2022年 6月

私の食育日記  手作り鶏ハム

 テレワーク続きの夫が、最近太り過ぎたと食事を気にし始めました。一方、外食もあまりできず、1日3食の家族の食事作りに追われる私としては、できるだけ簡単に夫が希望する食事を作りたい。さらにいうと、子どもも食べられる物を中心にしたいという願いから、鶏ハム作りを始めました。
 そこで活躍しているのが、鶏胸肉です。鶏胸肉は、和牛サーロインと比較すると、100g当たりのエネルギーは約半分、タンパク質は約2倍含まれていて、主要な肉の中でも、高タンパク質、低脂質、低炭水化物なのが特徴です。その鶏胸肉に、砂糖や塩をすり込み、密閉できる耐熱の袋に入れて熱湯に入れたり、お酒で短時間ゆでて余熱で火を通したり、オーブンで蒸し焼きにしたりと、加熱し過ぎないことに気を付ければ、簡単に軟らかいハムが完成します。シンプルな味付けから、コンソメ味、レモンとオリーブ油の味、大人にはバジル味、子どもにはほんのりみそ味など、いろいろ楽しめます。
 鶏ハムを作るようになってからは、毎食、たっぷりの野菜に、鶏ハムを載せるだけで1品完成。子どもたちにも、レタスや水菜などに細かく切ったハムを載せ、ポン酢などをあえるだけです。大人用もたまにはパクチーなどの癖のある物に手作りハムを入れて、ナンプラーとレモンを垂らしたらアジアン風なサラダに変身。鶏ハムを作り置きするようになって、食事作りの時間が少し短くなったように感じています。
 最近では、豚もも肉を使ったハムにも挑戦しています。もともとハムとは、豚のもも肉を指しています。豚肉の方が臭みもあり、ぱさぱさしやすいので、塩漬けするときは、塩やローリエを入れた液に漬ける方法で作っています。
 これからさらなるアレンジハムを考えて時短でヘルシーな食卓を目指していきたいです。

岡村 麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。


野菜もの知り百科 ネギ(ヒガンバナ科ネギ属)

 ネギの葉は緑色の葉身部と白色の葉鞘部に分かれます。関西では葉身部を食べ、青ネギや葉ネギともいいます。関東では主に葉鞘部を利用し、白ネギや根深ネギともいいます。「田舎者は白いところまで食べる」と関西人が言うと、「ケチは青いところまで食べる」と関東人が言い返す笑い話があります。
 ネギも交配種の時代になりましたが、固定種もまだまだ栽培されています。固定種は地域の名前を冠した物が多いです。下仁田(群馬)、岩槻(埼玉)、千住(東京)、松本(長野)、金沢(石川)、越津(愛知)、九条(京都)、岩津(兵庫)、観音(広島)などです。
 ネギは春になるとネギ坊主を付けます。ネギの花のつぼみです。若いネギ坊主は食べることができます。天ぷらや酢みそあえもいいですが、塩こしょうで炒めるだけでも美味です。形がかわいく、ほろ苦い不思議な食感です。花開くためのエネルギーをたっぷり含んでいそうです。
 ネギ坊主が大きくなると、種ができます。ネギのほとんどは種から育てる種子繁殖です。九条ネギや岩槻ネギは分けつするので、株分けして育てる栄養繁殖もできます。下仁田ネギは分けつしません。千住ネギや松本ネギなど分けつしない物は一本ネギともいいます。
 根深ネギの栽培は、葉鞘部を軟白するために植え溝を深く掘り、成長に伴い土寄せをする重労働です。葉ネギはその必要はなくプランター栽培もでき、納豆や麺類の薬味、みそ汁の具など用途が広いので重宝します。
 1970年代、福岡県朝倉市で栽培された葉ネギの「博多万能ねぎ」が毎日東京へ空輸されるようになりました。日本初の「フライト野菜」として注目され、瞬く間に白ネギ文化の関東に青ネギ文化が広まりました。
 近年は関西でもすき焼きや焼き鳥などに白ネギが使われていて、東西の差はなくなりつつあります。

藤巻久志/種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。


あなたもチャレンジ! 家庭菜園 ミズナ(キョウナ) 小株から大株まで楽しむ

 ミズナ(水菜)は古くから京都で栽培されていたツケナの一種で、キョウナ(京菜)とも呼ばれます。葉の形が細く、切れ込みの多い菜類ですが、柳の葉のような丸葉に分化したのが壬生菜です。本来は、大株にして水炊き、すき焼き、漬物に利用しますが、最近は小株取りして、サラダとして人気の高い野菜となっています。
[栽培時期]
 小株取りでは、冬を除き種まきができ、夏まきは30日程度、春秋まきは40~60日で収穫になります。大株取りでは8月下旬~9月中旬に種まきし、12~3月に収穫します。
[品種]
 葉の幅が狭く葉数の多いサラダ用の「京みぞれ」(タキイ種苗)、「京すだれ」(丸種)は茎が白く、シャキシャキした食感の品種です。大株取りでは「晩生白茎千筋京水菜」(タキイ種苗)などが良いでしょう。
[土作り]
 幅100~120cmのベッドを作り、1平方m当たり堆肥1kg、苦土石灰100gと化成肥料(NPK各成分10%)100gを全面に施し、土とよく混ぜておきます。
[種まき]
 小株取りではじかまきとし、ベッドに幅20cm間隔の種まき溝を作り、およそ1cm間隔に筋まきします(図1)。 種まき後は防虫ネットでトンネルを作り、害虫から保護すると良いでしょう。大株取りでは移植栽培とし、セルトレイや小型ポットに4~5粒まき(図2)、間引きして本葉5~6枚の苗を作り、条間30cm、株間30cmに植え付けます。
[管理]
 小株取りでは本葉が出て込み合ってきたら、適宜間引きを行い、最終的には5cmくらいにします(図3)。大株取りでは、種まきの1カ月後と2カ月後に化成肥料で、それぞれ1株5g程度の追肥をします。
[病害虫の防除]
 アブラムシは、サンクリスタル乳剤など、アオムシ、コナガにはトアロー水和剤CTなど環境に優しい農薬で防除します。
[収穫]
 小株取りでは葉の長さが25~30cmくらいが収穫適期です。一部を収穫し、株間15~30cmとなるように株を残し、中~大株取りにしてもよいでしょう。大株取りでは、1kgくらいから収穫を始めます(図4)。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
板木技術士事務所●板木利隆




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