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2022年 7月

私の食育日記  食事のリズムを整えよう

 息子が小学生になりました。この6歳から10歳の学童期前期で、脳はもう大人の95%ほどの大きさにまで成長するそうです。生まれた頃の赤ちゃんの脳は、大人の4分の1ほどの重量しかありません。あっという間の成長です。そして、成長した脳が、学校や家庭での社会生活、運動、遊びなどを通して刺激を受け、脳の発達が質、量共に成熟していきます。もちろん、この脳の発達には、バランスの良い食事も欠かせません。
 そこで大切にしているのが、食事のリズムです。1日3回の食事と1回のおやつ、その間隔を3時間以上空けることを意識しています。
 偏りなくしっかりとご飯を食べてもらうためには、まずはおなかをすかせることが一番です。何かを食べたとき、胃が消化をするのには2~3時間はかかります。そこで、少なくとも3時間は空けてから次の食事が迎えられるようにしています。
 また、この時期の特徴には乳歯から永久歯への生え替わりがあります。息子も今、前歯が抜けています。それによって歯ブラシが難しいようで、虫歯も心配です。虫歯を予防するためには、食事で酸性になった口内を中性に戻す時間が必要だそうです。この食事の間隔をしっかり空けることは虫歯予防にもつながります。
 わが家では、7時ごろに朝食を食べ、11時半ごろ給食、帰宅して15時ごろにおやつ、18時ごろに夕食というペースでなんとか、食事と食事の間を3時間以上空けています。おやつと夕食の時間が近くなってしまうことが悩みですが、このおやつには、空腹を満たすという役割だけでなく、精神的な満足感や家庭に帰宅した安心感につながるものとしての役割が大きいと栄養学でもいわれています。そこで、できるだけ消化が良く、量も少なめにしておやつの時間も大切にしています。学童期の食事は、リズムを大切にすることを心掛けています。

岡村 麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。


野菜もの知り百科 カボチャ(ウリ科カボチャ属)

 終戦後のヒット曲といえば『リンゴの唄』で、作詞はサトウハチローです。彼は戦争中に古賀政男の作曲で『カボチャの歌』も書いています。リンゴはみんなに愛され続けていますが、カボチャを代用食とした戦中派は「見るのも嫌だ」と今でも言っています。
 当時のカボチャは粘質で糖度の低い日本カボチャ(東洋種)だったと思われます。中央アメリカ原産で、室町時代にポルトガル人によって九州に渡来し、日本各地に広まりました。カンボジアの野菜と伝えられ、それでカボチャになったといわれています。唐茄子(とうなす)や南京(なんきん)ともいいます。
 日本カボチャの栽培は少なくなりました。店頭に並んでいるのはほとんど西洋カボチャです。南アメリカ原産で江戸時代末期に伝えられ、その後品種改良された物です。栗カボチャともいい、粉質でホクホクしています。関東は粉質、関西は粘質を好む傾向がありましたが、今は全国的に粉質が好まれています。日本カボチャは固定種、西洋カボチャは交配種(F1)が多いです。
 一般に野菜は新鮮なほど価値がありますが、収穫直後のカボチャは糖度が9~12度でおいしくありません。約1カ月経過するとデンプンが糖に変わり、糖度が16~17度になります。産地では風通しの良い日陰でゆっくり乾かして日持ちを良くする「風乾」という作業を行ってから出荷します。
 カボチャはビタミンAやβ-カロテンが豊富です。冬至には風邪や中風(脳卒中)を防ぐために、保存が利くカボチャが食べられてきました。煮物、天ぷら、みそ汁の具などいろいろな料理に利用されています。ゆで卵と炒めたさいころ状の豚肉を入れたカボチャサラダがとても美味です。卵と肉は戦中・戦後は入手困難でした。カボチャを食べると、平和のありがたさをつくづく感じます。

藤巻久志/種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。


あなたもチャレンジ! 家庭菜園 シュンギク 収穫後に花も楽しもう

 シュンギクの生育適温は15~20度と冷涼な気候を好み、春(3~6月)と秋(9~11月)が栽培適期です。カロテンの含量が多く、ビタミンC、カルシウム、鉄分なども豊富です。
[品種]
 シュンギクの種類は、葉の大きさや切れ込み方により、大葉種、中葉種、小葉種に大別されます。大葉種は葉が大きく、切れ込みは浅く、えぐ味が少なく、「おたふく春菊」(中原採種場)、「菊之助」(タキイ種苗)などがあります。中葉種は切れ込みがあり香りが強い品種で、株立ち型では、「さとゆたか」(サカタのタネ)、「きわめ中葉春菊」(タキイ種苗)など、株張り型では、「菊次郎」(タキイ種苗)などがあります。
[畑の準備]
 種まき2週間前に、1平方m当たり苦土石灰100gを散布し、深く耕しておきます。1週間前に化成肥料(NPK各成分10%)100gと完熟堆肥1~2kgを散布して土と混ぜ(図1)、ベッド幅1~1.2mとし、高さ5cm程度の平畝を作ります。
[種まき]
 条間20cm、深さ5mm程度の浅いまき溝を4条切り、1cm間隔で種まきします(図2)。好光性種子のため、覆土はごく薄く掛けます。種まき後、十分に灌水し、発芽まで乾燥させないこと。また、幼苗を保護するために不織布をべた掛けすると良いでしょう。
[間引き・追肥]
 発芽後、本葉2枚までに3~4cm間隔に間引き、株元に軽く土寄せします。この後、本葉5~6枚の頃に、10~15cm間隔に間引き、1平方m当たり化成肥料50gを株元にばらまき、土寄せします(図3)。
[収穫]
 中葉種の株立ち型は、草丈が25~30cm程度になったら、葉4~5枚を残し、摘み取り収穫します。以後、伸びてきたわき芽の葉を2枚残して切り取ります(図4-1)。株張り型と大葉種では、草丈が20~25cm程度に育ってきたら、株ごと抜き取るか、株元から刈り取って収穫します(図4-2)。なお、春に咲く黄色い花は美しいので、株を残しておきましょう。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
板木技術士事務所●板木利隆




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