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2022年 12月

私の食育日記  口内炎を防ごう

 先日、娘が「トマトを食べるとお口が痛い」と言ってあまり食事を取りませんでした。口の中を見てみると口内炎が。この口内炎、誰もができたことがある身近なものです。私が子どもの頃、口内炎ができると「ちゃんとお野菜を食べていないからよ」と言われました。
 口内炎ができるのにはさまざまな理由がありますが、栄養面で見ると最も影響しているのは「お野菜を食べなさい」という言葉が意図しているビタミンCではなく、ビタミンB2とB6です。ビタミンB2は、皮膚や粘膜を保護し、糖や脂質の代謝を助ける役割を果たすので、脂質を取り過ぎがちな現代の食生活では大切な栄養素です。また、発育に必要なビタミンともいわれ、子どもにとっても重要なビタミンです。もう一つ、ビタミンB6は、血液や筋肉を作るアミノ酸の代謝を助けるもので、皮膚や粘膜を健康に保ち、免疫力を高めるのにも一役買ってくれています。
 一日に必要な量を満たす目安とされている栄養所要量では、3歳から5歳でビタミンB2が0.8mg、ビタミンB6は0.6mgとなっています。ビタミンB2は、卵や、アーモンド、シイタケ、納豆、乳製品、ウナギなどに多く含まれます。牛乳100gでビタミンB2が0.15mg、卵1個で0.22mg含まれるので、毎日の乳製品、卵料理は意識しています。
 ビタミンB6はマグロやカツオなどの魚、鶏肉、お米、特に玄米に多く含まれていて、玄米だと茶わん1杯で、0・32mgも含まれています。果物ではバナナに比較的多く含まれていて、1本に0.3mgほどです。わが家では、朝食のバナナと、ご飯に玄米を混ぜることで、ビタミンB6を意識しています。
 もちろん毎日細かく計算する必要はないですし、その他ビタミンC含め、バランスの良い食事が何より大切ですが、口内炎ができたとき、このビタミンB群の二つを気にしてみてはいかがでしょうか。

岡村 麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。


野菜もの知り百科 チコリ(キク科キクニガナ属)

 戦後の日本ではアスパラガス、レタス、ブロッコリーなど多くの西洋野菜を食べるようになりました。チコリは普及途上で、ホテルやレストランなどの業務用は増えましたが、一般家庭の消費はまだ少ないです。国内での生産もまだまだ少なく、ベルギーやオランダなどからの輸入に頼っています。
 チコリを1974年に初めて輸入したのは、築地市場の仲卸・大祐の創業者・大木健二氏です。氏の著書『大木健二の洋菜ものがたり』によると、最初はほとんど売れなかったが、だんだん人気が出て輸入量は増加し、ベルギーの輸出業者は金回りが良くなり、豪邸に住み高級車を乗り回し、政府から勲章をもらったとのこと。チコリは欧州ではアンディーブといいます。1980年代に農水省の指導のもと「将来混乱が予想される野菜の名称統一会議」が開かれ、呼称について議論されたという記録が同書に残っています。青茎パクチョイと青軸パクチョイはチンゲンサイに、立ちレタスと立ちチシャはコスレタスになど38品目が統一されましたが、チコリとアンディーブをどちらにするかは決まりませんでした。
 チコリを流通しているものと同じように軟白栽培する場合は、6、7月に種まきします。育った緑葉は苦くて食べられません。11月に根株を掘り上げ、それを伏せ込んで出てきた芽を軟化栽培し、萌芽が15cmくらいの砲弾形に結球したら収穫します。
 チコリはサラダとしてほのかな苦味とシャキッとした歯触りを楽しみます。1枚の葉をボートに見立てて、チーズやゆで卵などをのせると、しゃれたオードブルになります。
 遮光と保温を必要とするチコリは家庭菜園ではやや難しい野菜ですが、緑化栽培ならプランターで簡単に栽培できます。ブルーの花が咲き、雌しべと雄しべがとても神秘的です。エディブルフラワーとしても食卓をにぎわします。

藤巻久志/種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。


あなたもチャレンジ! 家庭菜園 カブのトンネル栽培 適切な温度管理を心掛ける

 カブは、暑さと乾燥に弱いが、寒さには強いという特徴があります。温暖地の露地栽培は3、4月まきになりますが、トンネル栽培では2月まきができます。生育促進と、とう立ち防止にマルチ、べた掛け、トンネル資材での保温が必要です。
[品種]
 低温肥大の良い「白鷹」(武蔵野種苗園)、「ゆきわらし」(カネコ種苗)、周年安定した生育をする「耐病ひかり」(タキイ種苗)などがあります。
[畑の準備]
 種まき2週間前に1平方m当たり苦土石灰100gを全面にまき、深く耕しておきます。1週間前に化成肥料(NPK各成分10%)100gと堆肥1~2kgをまいてよく混和しておきます(図1)。
[畝立て]
 幅70~80cm、高さ5~10cmのベッド(栽培床)を作り、平らにならします。畑が乾燥しているときは、灌水して土壌水分が適度な状態にし、15cm間隔の穴開きシートでマルチをします(図2)。
[種まき]
 種は1穴当たり4、5粒をまき、1cmほど土を掛けます(図3)。その後は、発芽促進と幼苗の保温のために、べた掛けとトンネルをします(図4)。
[間引き]
 発芽し、双葉がそろった時点で、密になっている部分を間引きます。その後も、生育の劣る株を間引き、最終的に1株立ちにします。 [トンネルの被覆と換気]冷涼地や温暖地の2、3月はまだ夜温は低いが、昼間のトンネル内は高くなるため、本葉1、2枚の頃から換気を開始します。フィルムの裾を開閉する方法、フィルムに穴を開ける方法や穴開きフィルムを使う方法があります。そして、生育後半にトンネル内の茎葉が繁茂する頃、遅くてもヤエザクラの開花の頃にトンネルを除きます。
[収穫]
 直径5、6cmから収穫(小カブ)を始め、10~12cm(中カブ)まで収穫期間があります(図5)。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
板木技術士事務所●板木利隆




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