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家庭菜園・家庭園芸 2023年2月

私の食育日記  自分色のおみそ汁作り

 寒い季節、子どもが大好きなのがおみそ汁です。親としても、苦手な野菜でもおみそ汁に入れると食べてくれるので大助かり。そんなおみそ汁、最近では子どもたちが当番制で作ってくれています。おうちにある具材なら何でも使ってよいというルールで、私が作っておいただしに、子どもたちが選び、切った具を入れます。子どもたちの発想は無限です。ソーセージに豆腐を合わせたり、焼き芋にワカメと卵を入れていたり、私では思い付かない組み合わせが登場します。そしてそれが意外とおいしくて、感動があります。みそも3種類ほど用意して選んでもらいます。1種類でも、好きなようにブレンドしてもよいことになっていて、子どもたちは自分にしかできない味を求めて楽しんでいます。
 みそは、つぶした大豆にこうじと食塩を混ぜ、発酵、熟成させて造られます。米こうじを使う米みそが一般的ですが、他にも麦こうじを使う麦みそ、大豆のみを使う豆みそ、これらをブレンドさせている調合みそがあります。また、色で分けると、赤みそと白みそがあり、赤みそは原料の大豆を蒸して造り、白みそは煮て造ります。
 みそは地方の特色がとても出る調味料です。中京地方の色の濃い豆みそは有名ですが、他にも、同じ麦みそでも、九州地方では甘味の強い物が多く、関東では色の濃い辛味が強い物もあります。このように種類の違うみそを用意しておくと、子どもたちは選ぶのも真剣。最近では、買いに行くところから楽しみにしています。
 みそは体に欠かせない必須アミノ酸が多く含まれており栄養価が高く、消化吸収率も高い、体に優しい調味料です。これからも子どもたちと一緒に楽しみながら、毎日のおみそ汁を続けていきたいと思います。

岡村 麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。


野菜もの知り百科 ゴボウ(キク科ゴボウ属)

 ゴボウの原産地はユーラシア大陸北部で、日本には中国から薬草として渡来しました。日本で野菜になった初めての海外原産植物です。平安時代にはすでに宮廷料理の食材として利用されました。
 ゴボウを日常的に食べているのは日本だけです。第2次世界大戦中に捕虜収容所で係員が連合軍人にゴボウを食べさせたところ、戦後の戦犯裁判で「木の根を食べさせた」との理由で捕虜虐待罪となり死刑執行されました。食文化の違いによる悲しい出来事です。
 耕土が深い関東では長根種、浅い関西では短根種や葉ゴボウが普及しました。現在の主流品種は長根の滝野川系で、江戸時代に改良され全国に広がりました。滝野川は東京都北区の地名で、中仙道のその辺りは種屋が多く並び、種屋街道と呼ばれました。種屋は人と情報が集まる所で発展します。都があった奈良や京都には老舗の種苗会社があります。
 長根種の主産地は関東ローム層の埼玉や茨城などでしたが、深い溝を掘るトレンチャーやトラクターに装着できるハーベスターが開発され、北海道や青森などにも大きな産地ができました。
 ゴボウは夏にアザミに似た紫色の花を咲かせます。実にとげがあり、動物の毛や人の服にくっついて種を遠くまで広めます。人が実に触れると皮膚がかゆくなることがあります。西欧では根より花の方が知られていて、花言葉は「私に触らないで」や「しつこくせがむ」です。
 食物繊維が水溶性も不溶性も豊富で、含有量は野菜ではトップクラスです。便秘やコレステロール値などを改善し、発がん物質を排出します。皮にうま味と香りがあるので、汚れは包丁の背でこそげるだけにします。切った端から水にさらしますが、酢を数滴落としておくとあくによる変色が防げます。

藤巻久志/種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。


あなたもチャレンジ! 家庭菜園 ルバーブ 香気と酸味のあるジャムを楽しむ

 ルバーブは特有の香気と酸味のある葉柄を利用する永年性の野菜です。太くて多汁質の葉柄は、ジャム、パイなどに利用しますが、葉身にはシュウ酸が多く含まれるので食用にできません。和名は食用大黄といい、漢方薬のダイオウと同属の植物で、原産地はロシア南東部からシベリア南部とされ、冷涼な気候を好みます。
[品種]
 世界的には数十品種ほど栽培されていますが、「ビクトリア」(藤田種子など)は草勢が強く収量の多い品種です。
[育苗]
 幼苗期の除草作業などを考慮して育苗するとよく、ハウスを利用し、2、3月に3寸ポットに4、5粒の種をまきます。その後間引きをして1本立ちにし、5月ごろまでに本葉4、5枚の苗に仕上げます(図1)。
[畑の準備]
 植え付け2週間前に1平方m当たり苦土石灰200gを全面にまいて、よく耕しておきます。植え付け溝は畝幅120cmとし、幅20cm、深さ20cmに掘り下げます。元肥は溝1m当たり堆肥を2kg、化成肥料(NPK各成分10%)100g程度を施し、土を戻します(図2)。
[植え付け・追肥]
 大型野菜のため、株間を60cm程度に取り、苗を植え付けます(図3)。植え付けの年は、夏の初めと終わりに、溝を切って畝1m当たり化成肥料50gを与えます。翌年からは、冬(萌芽前)に畝1m当たり堆肥1kgと化成肥料100gを施用し、その後は初年度と同様に追肥をします。
[収穫]
 初年度は収穫しないで、2年目から収穫を始めます。収穫法は30~50cmに伸びた葉柄を基部より手でかき取り、葉身は切り捨てます(図4)。一度に採葉し過ぎないように、次回は1、2週間後に収穫します。収穫期は5、6月で、収穫期間は2カ月程度にとどめておきます。
[その他の管理]
 越冬した株が早春に萌芽し、その後、花茎の伸長(とう立ち)が始まりますが、開花・結実するとその後の生育が悪いため、花茎は早めに手で除去します。敷きわらは、泥はねを防ぎ、盛夏の干ばつ対策になります。なお、5、6年たつと草勢が衰えてくるので、植え替えをします。萌芽前の冬に掘り上げ、切り離す株に芽が付くように縦に切断し、株分けをします。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
板木技術士事務所●板木利隆




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