お役立ち情報コラム

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2022年4月

家族の健康 5月31日は「世界禁煙デー」

 喫煙が健康に悪いことはよく知られています。肺がんや他の部位のがん、肺気腫などの呼吸器疾患、動脈硬化などいろいろな病気の原因になります。喫煙者でも「できればたばこはやめたい」と考える人も多いのです。
 おそらく最初は軽い気持ちでたばこを吸い始め「いつでもやめられそう」と思いながらも、なかなか禁煙できなくなります。理由は、たばこのニコチンには強い依存性があり、体が喫煙行動をやめられません。
 電子たばこや加熱式たばこは新型たばことも呼ばれます。電子たばこは、液体を加熱してエアロゾルを発生させて吸引します。ニコチンを含む物と含まない物がありますが、発がん物質などを発することが指摘されています。加熱式たばこは、葉たばこを加熱してエアロゾルを吸引するのでニコチンと他の有害物質を含みます。新型たばこの健康への害は、まだ不明な点は多いですが、日本呼吸器学会の見解でも「加熱式たばこや電子たばこが紙巻きたばこより健康リスクが低いという証拠はなく、いかなる目的であってもその喫煙や使用は推奨できない」とされています。
 しかも、新型たばこでも、周囲にいる人にも健康被害を生じさせる可能性があるのです。
 農作業の後に仲間や家族が同乗している車の中や、くつろぐ室内で新型たばこを使用するのは問題です。煙は見えないけれど、有害物質が空間に充満している可能性があり「新型たばこに替えたから安心」とはいえないのです。ご自身の健康のため、周囲の人々の健康のため、禁煙にチャレンジしませんか? まずは禁煙に関心を持ち、家族や仲間に禁煙の意志を宣言し、たばこや関連グッズを処分することからスタートです。5月31日は「世界禁煙デー」。この日から禁煙開始というのはいかがでしょうか?

健康科学アドバイザー 福田千晶

お米と日本人 ちまき

 私が子どもの頃、5月5日の節句に歌われていた歌があります。「柱の傷はおととしの 5月5日の背くらべ ちまきたべたべ兄さんと 測ってくれた背の丈」です。
 私の田舎の家の柱にもその傷跡が残っています。兄と背比べしてナイフで入れた傷で、それがおやじに見つかり大目玉を食らいました。
 この5月の節句に欠かせなかったのがちまきでした。前日の4日に白米を洗ってざるにあげて乾かし、夜なべで手回しの回転式ひき臼でひいて粉にしました。この仕事は子どもの役目。ちまきを包むアセ(アシ)は海辺にたくさん自生しており、その若葉を摘んでくるのも4日。他にイビツ(サンキライ)の葉も摘みました。
 作るのは母や姉たち。米の粉を湯で練り、長い角形にしてアセの葉で美しく包み、湿らせたイグサで線状に巻き締め、それを蒸すのでした。ちまきを食べる風習は中国大陸江南の稲作地帯が起源で奈良時代に大和地方に伝わっていたようです。
 砂糖を忍ばせたきな粉を付けて食べましたが、もう一つの楽しみはイビツ餅。一般にいうかしわ餅です。そのあんも自家栽培の小豆をゆでてざるでこし、こしあんにしました。これは湯練りした米の粉の生地を蒸し、よくこねてから小分けにしてあんを包み、イビツの葉で挟んで再び少時蒸しました。イビツの葉の甘い移り香は食べると心身が爽やかになりました。あの頃のちまきもかしわ餅も生地はプチッとして歯切れはリズミカルでしたけど、現在のはどちらもやんわりとしています。かみ締める力が弱くなったのでしょうか。
 ササやアシ、木の葉で包むと見目麗しい上に、これらが放つ香気が食物を腐敗から守る働きをしているのです。長い暮らしの中で人々が編み出した知恵。コロナ禍の今年は手作りにしませんか。

伝承料理研究家●奥村彪生

お天気カレンダー 緑風と青嵐

 新緑が次第に色濃くなる季節です。近年の5月はかなり暑くなる日もありますが、真夏の暑さとは違い、湿度はまだまだ低くすがすがしさがあります。スギやヒノキの花粉が飛ぶうっとうしい季節も終わり、吹き抜ける風がとても心地良く感じられます。青葉を吹き抜ける風を緑風といいます。風が青く見えるような気がするほどの風薫る気持ちのいい初夏の風です。
 もう一つこの季節の風を表す言葉で青嵐というのがあります。青葉をざわざわさせるほどの強風が吹くことを青嵐といいます。メイストームという言葉があるくらいで、5月は強風が吹き荒れることも多い時期です。強い日差しで大地が暖まり始め、そこへ冬の名残の寒気が入ると、低気圧が発達し風が強まります。時にはひょうが降ったり竜巻が発生したりします。
 緑風を楽しみつつ、青嵐には注意しましょう。

●日本生態系協会

季節の室礼  こどもの日

 5月5日はこどもの日。祝日法では「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日だそうです。その後の母の日とつながっていますね。
 この日は五節句の一つ「端午の節句」で、江戸時代から男の子の成長を祝う行事でした。
 こいのぼりを飾るようになったのも江戸時代からのこと。由来は、武家の家紋が入ったのぼり旗印。時代劇の合戦シーンでよく目にしますね。それに倣って商家や町人が立てたのが広まったそうです。
 黄河の滝を登りきった鯉は竜になるという「登竜門」の伝説にあやかり、立身出世を願ってこいのぼりを飾ります。
 端午の節句では、冬至のゆず湯と同じく香りで汚れをはらうために「しょうぶ湯」に入ります。お風呂に入れるハショウブはショウブ科、またはサトイモ科。ハナショウブはアヤメ科で葉に香りはありません。
 「勝負」や「尚武」に掛けてハナショウブを飾ります。ハナショウブは、剣のように真っすぐ生けましょう。しぼんだ1番花を抜いておくと、後から2番花が咲いてきますよ。
 ガラスや陶磁器のミニチュアのかぶとを飾るのもすてきですね。暦の上では立夏。一足早く夏がやって来ます。

和文化講師●滝井ひかる



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