お役立ち情報コラム

生活に役立つ情報や営農情報をお届けします

ライフ 2023年3月

お米をおいしく楽しもう 多様化する品種を前に、消費者が思うこと

 「今年お薦めの新しい品種はどれ?」
 最近はこういった質問がお客さまから出るケースが多くなりました。「お米は毎年新しい品種がデビューしている」という認識が消費者に広まっている証しですね。
 私はイベントなどで「知っているお米の品種名は?」と質問します。しかしながらその答えはコシヒカリ、ササニシキ、あきたこまち、ひとめぼれ……止まりです。
 「青天の霹靂」(青森)、「銀河のしずく」(岩手)、「雪若丸」(山形)、「だて正夢」(宮城)、「いちほまれ」(福井)など、毎年新しい品種がデビューしているにもかかわらず、です。
 以前は「おいしいお米」は数えるほどでしたが、今の新品種はどれもおいしいお米ばかり。しかもそれらが雨後のタケノコのように毎年デビューしており、正直、消費者は付いていけません。何をどう選べばいいのか分からない。似たような名前ばかりで違いが分からない。そう、消費者は多様化する品種を前にして思考停止状態。だから冒頭のような質問をお米屋さんに投げ掛けるのです。
 私は「お米マイスター」の有資格者です。ワインのソムリエのようにお客さまの好みをヒアリングし、その好みに合い、かつ予算の範囲内で最適なお米をお薦めしています。しかし、お米はワインと違い日常品です。そのため今までは品種の違いについて明確に消費者に説明する必要がありませんでした。
 しかし今、日本人は初めて「多様な品種からお米を選ぶ時代」に遭遇しています。だからこそ供給側は品種の違いを消費者側に明示しなければなりません。例えば味の違い、どのような料理に合うのか、名前の由来は、などです。
 今やそういったお米のスペックを比べて楽しむ時代です。この連載を通じて、そのような楽しさを皆さんにお伝えできればと思っています。

五ツ星お米マイスター●小池理雄

なくそう食品ロス 食品ロスとは

 「食品ロス」とは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物のことです。日本の定義では魚の骨やリンゴの芯など食べられない部分は含みません。
 野菜などが畑で栽培されてから加工・流通・小売りを経て消費者に届く一連の流れをフードサプライチェーンと呼びますが、国連食糧農業機関(FAO)の定義では、そのサプライチェーンの前半で発生するものをFood Loss(フードロス)、後半で発生するものをFood Waste(フードウェイスト)、二つ合わせて「Food Loss and Waste(食品ロス)」としています。FAOの食品ロスには、魚の骨やリンゴの芯などの不可食部も含まれます。
 最近、食品ロスのことを指して「フードロス」という言い回しを聞きますが、FAOの定義だと後半部分が含まれないことになり、紛らわしいため、私は日本政府の使う「食品ロス」という表現を使っています。
 2021年11月30日に農林水産省と環境省の発表した最新(19年度)の推計値によると、日本の食品ロスは年間570万トン。これは都民1400万人を1年間養える量です。
 20年にノーベル平和賞を受賞した国連WFP(世界食糧計画)の食料支援は年間420万トン(20年度)。つまり、日本ではその1・4倍もの食料が無駄にされているのです。しかも日本の推計値には、生産調整などでつぶされる野菜や水揚げされたものの洋上で廃棄される魚介類は含まれていません。
 FAOは、世界の食品ロスは13億トンとしていましたが、21年7月、世界自然保護基金(WWF)は実際は25億トンだと発表しました。この大きなずれは、農場のロス12億トンが見過ごされてきたためです。農産物の食品ロスは、もっと注目されてしかるべきと考えます。

食品ロス問題ジャーナリスト●井出留美

ヘルス&ビューティー マスクによる肌トラブル

 コロナ禍でのマスク生活も約3年となりました。マスクによる肌のトラブルに悩む人も多くいます。
 マスクで覆われた肌は、温度も湿度も高く蒸れやすく、細菌が繁殖しやすい環境です。ニキビの原因になるアクネ菌が増殖することで、ニキビや吹き出物ができやすくなります。
 マスク着用の日々では、日頃のスキンケアがさらに重要になります。メイクや肌の汚れを丁寧に落とし、洗顔をしたら、化粧水と乳液で保湿をしましょう。保湿が不十分だと、肌は乾燥を防ごうと皮脂を余分に分泌して、ニキビの原因になります。
 マスクを小まめに取り替えたり、汗をかいたら拭き取り化粧水で保湿をする一手間も、肌トラブル回避に大切です。
 マスクで肌がこすれると、皮膚の表面を守っているバリア機能が弱り、肌荒れが起こります。日頃からスキンケアをしっかりと行い、肌の状態を整えておくことが大切です。また、マスクを着脱するときには、肌をこすらないように留意し、ゴムの部分を両手で扱い、着脱しましょう。
 マスクをして農作業をしたり、屋外を長時間歩いたり、自転車に乗ったりすると、マスクで覆われていない部分だけが日焼けするトラブルもあります。その逆にマスクをしている部分もわずかに日焼けしますから、屋外に出るときは顔全体や首に日焼け止めクリームを塗りましょう。これから紫外線が強くなる季節になります。日焼け対策をお忘れなく。
 まだしばらくは、マスク生活が続きそうです。ニキビや肌荒れなどの症状が改善しない場合は、早めに皮膚科を受診して治療を始めるのが良いでしょう。

健康科学アドバイザー●福田千晶

知っておきたいマナー集 新生活のマナー

 春は、新生活のスタートを切る季節。特に進学などで親元を離れ、1人暮らしを始める家族がいる場合、近所へのごあいさつにも気を配りたいものです。
 近頃の大家さんは、遠くに住んでいたり、不動産会社が仲介していたりして、直接顔を合わせる機会が減っています。大家さんへごあいさつができるかどうかは契約時に確認しましょう。管理人さんについても同様で、頻繁にお世話になる可能性が高ければ、ごあいさつします。
 昔からご近所さまのことを「向こう三軒両隣」といいます。これはお向かいの3軒と左右のお隣のこと。
 マンションなどの集合住宅でしたら、生活音などのトラブルを避けるためにも、真上と真下、左右両隣の部屋にごあいさつしましょう。少ない戸数でしたら、同じ階の全ての部屋にごあいさつしても構いません。
 とはいっても防犯上、女性の1人暮らしの場合は事前に、ごあいさつが必要かどうか契約時に相談してみましょう。ごあいさつをするなら、実家のご家族と一緒に伺うといいですね。
 引っ越しのごあいさつ回りの定番といえば、タオル、引っ越しそばの乾麺、日持ちのするお菓子、お茶やコーヒーです。上記の品で郷里の特産品があると、ごあいさつのときに会話の糸口になりますね。予算は500円前後から1000円くらいが良いでしょう。
 水引やのしは必要ないですが、「御挨拶」の下に名字を書いたのし紙を、ごあいさつ品の外側に掛けてもいいでしょう。その際は、紅白か金銀のちょう結びの水引が印刷されたのし紙を用います。
 マナーは周りへの心配りが形になったもの。防犯や感染への配慮から、ごあいさつ品とお手紙を郵便受けに入れて、直接対面のごあいさつを控える、という新しいマナーもあります。

和文化講師●滝井ひかる



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