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今月の農業(2021年4月)

令和2年産近江米「コシヒカリ」米の食味ランキング2年連続で最高ランク『特A』評価獲得!
今年は「コシヒカリ」「みずかがみ」のW『特A』を目指そう…

今年の重点目標

「おいしい良質米づくり」の原点は、光合成能力が高く維持できるような土壌条件を保ち、幼穂形成期から収穫直前まで稲体が健全に生育し、米粒が完熟する稲体を作ることです。

❶深耕と土づくり

  • 適度な耕起深15㎝以上(なるべく反転耕により下層土は粗く耕し、表土だけ細かく均平するのが望ましい)プラウ耕による深耕が有効です。
  • 日減水深2~3㎝程度を目標(グライ層や硬盤があれば破砕、礫層があれば鎮圧し、水の縦浸透を適度に保つ)
  • 畦畔からの横漏れがあれば畦塗り実施(土に少し湿り気がある時期に畦塗りを行うと水もちがよくなります。畦塗りのあとは土が乾燥しすぎないように、早めに入水してください)
  • とれ太郎(80㎏/10a)やけい酸加里プレミア34(40㎏/10a)などの土づくり肥料が有効。春耕起前に施用してください。

❷代かき・均平はていねいに!

  • 代かき作業は、水面から田面の土が半分くらい見える程度。(水が多すぎると雑草や稲わらなどの浮遊物が表面に出やすい)。
  • 田面の均平はていねいに(大きな高低差や凸凹は遅れ穂などの未熟米増加や雑草が発生しやすい)。
  • 「均平」と「水もち」が悪いと肥料や農薬成分が流亡しやすく、除草剤の効果が悪くなり、凸部分には除草剤が効かないので雑草が出やすくなります。

❸太い丈夫な茎を育てる

充実の良い米を作るためには、下位節間から発生する強い丈夫な茎を残し、上位節間の分げつや2次分げつの発生を抑制することです。また、病害虫の抵抗性の強い丈夫な茎を育てることです。

〈元肥の施用〉

  • 元肥は乾田時に全面散布し、作土層に良くすき込んでください(施肥田植機による側条施肥を除く)。
  • キヌヒカリやコシヒカリなど、白未熟粒の発生が多い品種では、「元肥控えめ」「穂肥重点」の秋まさり型の施肥が有効です(分げつ過剰による弱小穂の発生や穂ばらみ期~出穂期の肥効不足、水分不足は白未熟粒が増加しやすい)。
  • 「元肥一発施肥」の場合は、基準量を正確に施用してください(施肥田植機では実際の施肥量を作業のはじめに確認する)。
  • 「みずかがみ」では「みずかがみ基肥一発」がおすすめです。
  • 堆肥を施用した場合や大豆跡、野菜跡などでは、地力を考慮して元肥を3~5割程度減らすなど、施肥量を加減してください。

❹雑草防除は水管理が重要

前年の雑草が多いときは、ラウンドアップマックスロードなど、稲収穫後に使用できる除草剤を全面散布しておくと春先の雑草発生を抑制することができます。詳細は最寄りの支店にお問い合わせください。

田んぼ体験の準備をしよう

  • 田面が均平になるようにていねいに整地をします
  • 代かきをていねいに行います …凸凹があると薬害が出たり、田面が露出して薬剤の効果がなくなります(凸部には雑草が多発しやすい)。
  • 雑草や稲わらなど、未熟な有機物が多いと藻や表層剥離が出やすくなります。乾田時にできるだけ土中深くに鋤き込んでおきましょう。

除草剤を使う直前の水確認

  • 水口と尻水戸をしっかり閉じます・・・畦から漏水する場合には畦塗りが有効です。
  • 除草剤散布前には5~6㎝の水深を保つようにしてください。田植機で薬剤散布同時作業の場合には少し浅水にし、田植え終了後に少しずつ水を入れて田面全体に水を張ってください。

除草剤散布後の水管理

  • 除草剤散布後7日間はしっかり水を止めます…除草剤散布後、少なくとも3日間は水を動かさないでください。
  • 水もちが悪い田で、水が早く減るのを防ぐためにチョロチョロ水を入れつづけると除草剤の効果が非常に悪くなります…水もちが悪くて水がなくなったら静かに水口を開けて少しずつ補給します。

いもち病にご注意・・・種子消毒・苗箱施用剤を徹底しましょう

*乾燥した稲わらや籾殻を苗箱の周辺に置いたり、育苗ハウスの中に持ち込んだりしないでください。
*種子消毒をていねいに行い、田植の前には「いもち病」に有効な苗箱施用剤を散布してください。
 JAグリーン近江統一版の特別栽培米の推奨ガイドラインでは「ツインキック箱粒剤 50g/箱」をおすすめしています。

ムギの仕上げ・・・

排水対策・赤かび防除・実肥・雑草防除

麦の収量・品質はこれからの管理で大きくかわります。今一度、圃場を点検し、畦面や畦間に雨水がたまらないよう確認してください。
 水田の用水が麦作田に流れ込まないよう用水口を確実に閉じてください。
〈赤かび病防除を適切に〉

*開花始め期(穂揃い3~5日後)に第1回防除を行いましょう。
 詳しくは本紙3月号または令和3年産麦栽培ガイドラインをご確認ください。
*小麦農林61号では、赤かび病の多発が予想されるときは2回目防除が必要です。
 小麦「びわほなみ」、大麦「ファイバースノウ」やビール麦は赤かび病に弱いので必ず2回防除が必要です。
*薬剤散布の前には必ず薬剤容器の記載内容を確認し、安全・適正に使用しましょう。


〈実肥の施用を適切に〉
*小麦では出穂後10日頃に硫安20㎏/10a(茎数が少ないときは10㎏/10a)程度施用。
 穂肥に麦用セラコートR2500を施用した場合には実肥は不要です。
*大麦「ファイバースノウ」「ビール麦」に実肥は不要です。

〈カラスノエンドウなど、雑草対策を早めに〉
*ラウンドアップやバスタを散布し、畦畔や圃場周辺の雑草防除を早めに行い、カラスノエンドウなどの雑草の侵入を防ぎましょう。
小麦品種転換のお知らせ

大豆

 麦跡には、大豆を栽培して水田の高度利用を図りましょう
*良質な大豆の安定栽培を目指すには、土づくりと排水対策を徹底し、畦立て中耕を行う方式で栽培しましょう!!
*狭畦密播無培土栽培は、雑草が少なくて水はけがごく良好な場所で、短期間に大面積に播種する場合に実施してください。
*麦の収穫が終わったら圃場周囲に排水溝を整備し田面に雨水がたまらないようにしてください。
*大豆播種前に雑草が多いときはラウンドアップマックスロードなどの全面散布で雑草防除を徹底しましょう。
*今年の施設荷受は「ことゆたかA1号」と「タマホマレ」だけです。
 施設利用の場合は「ことゆたかA1号」の種子を準備してください(従来の「ことゆたか」は品種が異なるので施設利用はできません)。
施設取扱品種は次のとおりです

飼料米

飼料米の低コスト多収栽培

1.品種選定

  • 滋賀県奨励品種または過去に広く栽培された水稲うるち米品種の中から、倒伏や病害虫の抵抗性が強く、多収性の中晩生品種を選んでください。
    〈例〉「吟おうみ」など

2.コスト低減

  • 野菜跡や大豆跡などの肥沃地で、適正な栽培管理によって多収をめざします。
  • 肥料の施用にあたっては土壌診断結果に基づき、無駄のない施肥に心がけます。
  • 耕畜連携による堆肥の利用など、化学肥料の使用量を減らします。
  • 直播栽培や疎植栽培など、低コスト化技術を積極的に活用します。
*施肥量は、令和3年産水稲栽培ガイドラインの多収米に準じてください。

3.病害虫防除

  • 周辺の主食用水稲に影響がなければカメムシ防除は不要です。
  • 籾米給餌や籾殻を含めて給餌する場合には、防除基準にかかわらず出穂期以降の農薬散布は控えてください。

4.収穫乾燥調製

  • 外観品質は3等基準以上であればよいので、できるだけ収穫時期を遅くし、立毛中の自然乾燥で乾燥経費を節減しましょう。ただし、強風や大雨による倒伏、穂発芽、脱粒などが起きないよう天候には注意してください。
  • 乾燥仕上げの籾水分は15%以下ですが、3等基準に合格すれば「食味・外観は問わない」、「多少の胴割も差し支えない」ので、乾燥速度はやや速め、送風温度はやや高めに設定し、コスト重視で乾燥してください。

5.飼料米の品質管理

  • 異物混入は厳禁です。乾燥施設内および周辺の清掃は絶えず徹底してください。
  • 主食米への飼料米の混入を防止するため、原則として収穫・乾燥・調製作業は主食米終了後に行い、飼料米終了後は機械施設の清掃を完全に行ってください。
WCSで耕蓄連携をすすめよう

〈WCS栽培の要点〉

1.圃場選定

  • 雑草が少ない肥沃地を選び、収穫時期に田面がよく乾燥する圃場を選定します。

2.品種選定

  • 主食用品種は病害虫抵抗性や倒伏に強く、多収性品種を選びます。
  • 専用品種は飼料用に改良され、多収性・耐倒伏性に優れています。主食用水稲に混入しないように栽培してください。

3.施肥基準

  • 主食用品種では、通常の水稲栽培に準じて行います。
土づくり・施肥基準の1例

4.雑草対策

  • 除草剤は稲WCSに登録のある薬剤を使用してください(主食用水稲に登録があっても使えないものがあります)。包装容器に記載された使用上の注意をよく読み正しく散布してください。
  • WCSに雑草が混入すると著しく品質が悪くなり家畜飼料として使用できない場合があるので、雑草防除は徹底してください。

5.水管理

  • 中干しは早めに十分行い、田面を固めてください。
  • 中干し前に溝きりを行うとその後の水管理がスムーズにできます。
  • 収穫前には早めに落水し、田面の乾田化を図るようにしてください。

6.収穫調製作業

  • 収穫作業は晴天日の日中に行い、雨上がりや朝露、夜露のある時期は避けてください。
  • 収穫作業中や梱包時に泥がつくと稲WCSが腐敗する場合があるので、泥がつかないように収穫してください。
  • 台風や獣害で倒伏した圃場や雑草発生の多い圃場の稲は収穫しないでください。
水も大切な資源です〜大切に使いましょう/春期農談会はYoutube動画でご覧ください/農作業事故を防ぎましょう!!
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