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家庭菜園・家庭園芸  202411月

私の食育日記 おやつと上手に付き合おう

 子どもが大好きなおやつ。そのおやつが原因で困ってしまうことはありませんか。もっとおやつが食べたいと駄々をこねられる、ご飯よりおやつばかりを食べたがる、などをよく耳にします。お菓子やジュースには糖分も多く、スナック菓子も塩分が多いため食べ過ぎることは体に良くありません。だからといって、大きくなるにつれて「おやつはおにぎりか干し芋ね!」とはいかなくなってきます。大人だって疲れたときはコーヒー1杯、チョコレート1粒が恋しくなります。実際、3時のおやつには栄養を補給するという役割だけでなく、幼稚園や小学校が終わって、子どもがほっと心を休める時間としての役割もあります。
 そこでわが家では、おやつには好きなものを食べて良いが、1日1回、決められた時間のみと約束しています。
 ご飯を好き嫌いなくおいしくいただくためには、空腹が一番の調味料です。夕方の習い事の後など小腹がすくたびにおやつを食べてしまうと、夕食のとき空腹でなくなってしまいます。また、食が細いことを心配して小まめに間食をしたり、静かにしてほしいタイミングでおやつを利用したりすると、おやつの回数が増え、3度の食事に影響してしまいます。食べる回数を減らし、食の間隔をしっかり空けることは虫歯予防にもつながります。
 おやつはおなかではなく心を満たすものと捉え、食べ過ぎないことも大切です。しかし、子どもは「もっと食べたい」「もう一つだけ!」となってしまいがちです。そこでお勧めしたいのが、食べ始める前に食べる分を並べて、食べる量を子どもと確認しておくことです。最初に目で確認したものが今日のおやつであると決めておくと、お代わり制度がないことが習慣化されていきます。
 おやつは子どもが喜ぶ魅力的なものでありつつ、大人を悩ませる種でもあります。上手に付き合って、おやつの時間を親子の幸せな時間にしていきたいと思います。

岡村 麻純(おかむら ますみ)お茶の水女子大学植物科学講座卒業。
食育インストラクター。男女2児の母


野菜もの知り百科 イチゴ(バラ科オランダイチゴ属)

 原則として野菜は草本、果物は木本です。イチゴは、木質化しないバラ科の草本なので、野菜に分類されます。イチゴは果物店でも売られているため、果実的野菜とも呼ばれています。リンゴや桃などもバラ科の果物で、花弁はみんなイチゴと同じ5枚です。
 イチゴの可食部分は花托(かたく)という花の付け根が太ったものです。本当の果実ではないので偽果ともいいます。イチゴの本当の果実は表面の粒々で、その中に種が一つずつ入っています。
 イチゴの旬はクリスマスや正月がある冬だと思っている人が多いですが、季語は初夏です。花は露地栽培では同じバラ科のサクラの開花頃からボツボツと咲き出します。
 イチゴの出荷の最盛期が冬になったのは、ビニールハウスと暖房機の普及によるものです。それまではイチゴの産地といえば、冬の太陽熱を利用する石垣イチゴで有名な静岡県でした。今はほとんどがハウス栽培なので、産地は全国各地にあります。
 日本初の品種は19世紀末に新宿御苑で育成された「福羽(ふくば)」です。昭和時代は米国から導入された「ダナー」と兵庫県農業試験場が育成した「宝交(ほうこう)早生」が主力品種でした。平成時代になると産地独自の育種が進み、より甘くより大きな品種が開発され、栃木県の「女峰」と福岡県の「とよのか」が東西の横綱になりました。
 イチゴは野菜の中ではトップクラスのビタミンCを含んでいます。イチゴを1日5、6粒食べれば風邪の予防になるといわれています。へたを取って長時間水に漬けておくとビタミンCが減少するので、へたを付けたまま短時間で洗いましょう。
 イチゴから出る生ごみはへただけです。追熟や食べ頃の判断の必要もなく、包丁もまな板もいりません。イチゴは甘く適度に酸味があり、彩りと香りも良く、老若男女に最も人気のある「フルーツ」の一つです。

藤巻久志/野菜研究家、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。

あなたもチャレンジ! 家庭菜園 種の発芽条件と種まきのこつ



発芽には適度な水分、温度と酸素が必要で、種類により光の影響を受ける場合もあります。種まきのこつをつかんで野菜作りをスタートしましょう。
[発芽の三要素と光]
(1)水分
 発芽は、種が水を吸うことから始まります。吸水量は種類によって異なり、イネ科の種は重さの25~30%を吸水し、マメ科の種は重さの80~120%を吸水して発芽します。吸水量が多過ぎても少な過ぎても良くありません。硬実のニガウリ、オクラなどは果皮が水を通しにくいので、まく前に一晩水に浸しておきます。
(2)温度
 多くの野菜は20~25度が発芽適温で、30度程度の高温を好むもの(ナス・スイカ・カボチャなど)や15~20度の低温が適するもの(レタス・ホウレンソウなど)があります(表1)。
(3)酸素
 発芽は呼吸を伴うため、十分な酸素が必要です。種が土中深くに埋もれたり、水没すると酸素不足となり、発芽が悪くなります。
(4)光
 光が必要な好光性種子にはレタスなどのキク科野菜やミツバなどのセリ科、暗黒で発芽の良い嫌光性種子にはヒガンバナ科・ナス科・ウリ科野菜などがあります(表2)。
[種まきのこつ]
(1)新しい種を使う
 種袋には発芽率や有効期限が表示されています。古い種ほど発芽能力が落ちるので、新しい種を使いましょう。
(2)まき床を均平に
 まき床にでこぼこがあると、種が土に埋まる深さや土の乾湿にむらが出るので、板切れなどで土を平らにします。
(3)まく量が多過ぎない
 種袋の種を全て使い切ってしまおうとすると、ついつい厚まきになりがちです。こうなると間引きの手間が増えます。間引きの遅れは株立ちの密生を招き、株がヒョロヒョロに伸びてしまいます。
(4)覆土が厚過ぎない
 種の直径の3倍程度に土をかぶせるのが標準です。好光性種子は種が隠れる程度に覆土を浅くします。覆土の後は手で軽く土を押し付けて鎮圧し種と土が密着するようにします(図1)。 (5)発芽までは乾燥させない
 種は水を含むと直ちに活動を始めますので、発芽までの灌水は欠かせません。発芽後は灌水(かんすい)を控えめにして、しっかりした苗に仕上げます(図2)。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
園芸研究家●成松次郎

















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