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お役立ち情報コラム

家庭菜園&家庭園芸 (2018年11月)

私の食育日記 食品ロス

 先日、オーストラリアのシドニーに全てが無料のスーパーがオープンしたというニュースがありました。このスーパーに並ぶのは、大手スーパーなどで賞味期限切れ直前のため廃棄される予定だった商品です。これはまだ食べられるのに捨てられてしまう食品ロスを減らすための取り組みでもあります。
 日本も食品ロスのとても多い国です。日本の食品の供給量と摂取量は、2014年の調べでは、1日1人当たり約500kcal分供給量が多くなっています。つまり日本人全員の1食分ほどに当たる食品を1日で廃棄してしまっているのです。世界には食べ物が足りずに苦しんでいる人がたくさんいる中で、これだけの食べ物を無駄にしていると思うと心が痛みます。
 この食品廃棄はお店など主に家庭以外から出ているように思われますが、実は日本の食品廃棄の55%が家庭から出ているとされています。その主な原因は「食べ切れない」「賞味期限が切れた」「使い切れずに腐らせてしまった」などが挙げられます。この原因を見ていくと、食品の廃棄を減らすには、計画的な献立作り、そして買い物が重要になってくることが分かります。家庭での食品の廃棄を減らす工夫を学ぶことも大切な食育です。小さいうちから一緒に買い物に行き、買った物を無駄なく食べ尽くす練習も親子で楽しみながらできればと思います。
 離乳食から始まって子どもの食事をあれこれ悩みながら作っていると、気が付くと、この料理なら食べてくれるから、これは嫌いだから子どもには別の物を買うなど、食事を子どもに食べてもらっているという感覚になってしまうことがあります。しかしながら、子どもに学んでほしいのは、十分に食べることができるありがたさです。その食への感謝の気持ちが、将来の食品ロスを減らすことへとつながっていくと信じています。


岡村 麻純(おかむら ますみ) 1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。

ベランダでできるキッチンガーデン  ホウレンソウ(ヒユ科ホウレンソウ属)

 ホウレンソウはアカザ科に分類されてきましたが、DNAが決める新分類ではヒユ科になりました。ヒユ科野菜にはビート、オカヒジキ、フダンソウなどもあります。 60代以上の人たちは、ホウレンソウは赤い根に栄養があると親に教えられました。当時の赤い根のホウレンソウは東洋種で、種は針種といってとげがありました。現在のホウレンソウの品種のほとんどは、西洋種と東洋種とを掛け合わせた交配種です。丸種の西洋種を母親に、針種の東洋種を父親にして種を取っているので、種は母親と同じ丸種です。
 ホウレンソウの発芽適温は15~20度(最低4度~最高30度)ですから、秋は9月から11月まで種まきできます。寒さに強く、マイナス0~3度でも緑を失わずに収穫できます。畑でなくても、日当たりの良いベランダなら栽培できます。深さ15cm以上のプランターに市販の培養土を入れ、浅くまき溝を付け条間10cmで筋まきします。種が隠れるくらいに薄く覆土します。発芽したら、葉が重なったところや生育遅れを順次間引きし、本葉4~5枚までに株間3~4cmにします。追肥は1000倍の液肥を1週間置きに施します。 草丈が15cmくらいになった物から収穫していきます。冬場はビニールや不織布を掛けて保温すると、生育が早まります。
 ホウレンソウはおひたしやバター炒め、常夜鍋など加熱して食べるのが一般的でした。今は生食するホウレンソウサラダが外食の定番になっています。家庭でも取れたてのホウレンソウにカリカリに炒めたベーコンを散らし、お好みのドレッシングを掛けてお楽しみください。
 ホウレンソウは水菜やルッコラなどのようにごく若取りしてベビーリーフとしても利用できます。若い葉はシュウ酸含量が少ないので、えぐ味がなくおいしく食べられます。


  藤巻久志(ふじまきひさし) 種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土づくりに関して幅広くアドバイスを行う。

あなたもチャレンジ! 家庭菜園 タマネギ苗の上手な植え方

 9月に種まきしたタマネギ苗は10月下旬から11月が植え付けの適期です。5~6mm径に太り、葉がしっかりし、根がたくさん付いた苗を選びましょう。最近は3号ポリポットにじかまきし、十数本立てにしたポット苗も出回り始めました。鉢土を外し、根がしっかり付いた状態で植え付けられるので、お買い得です。
 タマネギは、真冬に入るまでに十分地中に根を張らせ、春には勢い良く育つようにすることが大切です。そのためには元肥を適切に施し、特にリン酸成分(溶成リン肥や過リン酸石灰)を欠かさずに。火山灰土壌では多めに与えておくことが大切です。
 根の性質が野菜の中では特異的で、通気性の良さを好まず、乾燥を嫌うので、元肥に堆肥は与えず、植え付けた後は根元を強く鎮圧しておくことが大切です。油かすや魚かすなどにはタネバエが卵を産み付け、幼虫が根元に食い込む被害が出るので、与えないでください。
 植え付け方法には、8~9cmほどの深さの植え溝を55~60cm間隔で作り、化成肥料と過リン酸石灰などを施して土を掛け、並べて植える列植え方式と肥料を畑全面に20cmほど耕し込み、幅90cmほどのベッドを作り、植え穴の間隔が15×15cmぐらいの黒色ポリフィルムを敷き、その穴に苗を押し植えするマルチベッド植えがあります。
 列植えは一定の深さに溝を付け、苗を同じ深さにそろえて植えるので、植え付け作業が速く苗の姿勢が良く、株元の踏み付け鎮圧がしやすいです。また生育後期に、列間に後作(インゲンマメ、ラッカセイ、ショウガなど)を作付けすることにより、畑の高度利用ができます。
 一方のマルチベッド植えは、地温を高め、乾燥を防ぎ、雑草を抑止し、肥料の滅亡を少なくする効果があります。ただし植え付け、株元の鎮圧には手間がかかります。
 植え付け作業のポイントは、苗床から苗を抜き取るとき、乾いていたら灌水(かんすい)し、苗の大きさをそろえ、できるだけ根を付けて抜き取り、植えるときは根を下方に向けて深く入るよう植えることです。ベッド植えでは木製の穴開け道具を作り、きちんと植え穴を作り、根を下方に向け深さをそろえて植え、株元を指先で押さえ締め付けておきます。植え付けの深さは根の上に土が2cmほど掛かる程度に。緑葉の部分まで土が掛かるのは深過ぎで、後の育ちが良くありません。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。


板木技術士事務所●板木利隆



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