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お役立ち情報コラム

ライフ(2019年7月)

健康百科 認知症を防ぐ

 認知症の原因には、脳血管型とアルツハイマー型の二つがあります。
 前者は高血圧や糖尿病などで脳の血管が障害されて、脳の神経細胞が広範囲に障害されるタイプです。後者は原因はよく分かっていませんが、脳の神経細胞が障害され、脳が萎縮するタイプです。これらを予防するには、40代から対策を始めておかなくてはなりません。
 脳血管型では、高血圧や糖尿病をしっかり治しておくこと。アルツハイマー型では、脳を鍛えることで、ある程度は予防できることが分かってきました。
 東京都健康長寿医療センターでは、認知症予防に役立つ方法をいろいろ研究していますが、低下しやすい認知機能の主な三つの機能、すなわち「エピソード記憶」「注意分割機能」「計画力」について、重点的に鍛える方法を勧めています。
 エピソード記憶というのは、比較的最近の出来事や、実際体験したことを覚えていて、その記憶をきちんと思い出すことができるという機能です。この機能を鍛えるには、例えば、昨日の昼食に何を食べたかをはっきり思い出す訓練をするとか、日記を付ける場合、今日の日記ではなく1日前や2日前の日記を書いてみることです。
 注意分割機能は、二つや三つの作業を同時進行しながら、うまく実行できる機能です。たまった新聞や手紙などを手際よくまとめたり仕分けしたりする行動や、二つ以上の料理を同時に作る作業が有効です。
 計画力を鍛えるには、例えば複数の店で食品や日用品などの買い物をするときに、どのように移動したら効率的なルートになるか考えてみることです。また、旅行のプランを立てたり、囲碁や将棋、マージャンなどでさまざまな作戦を考えるのも、計画力の鍛錬に役立ちます。

佐久総合病院名誉院長 松島松翠

お米で健康 炭水化物の中でも質の良いご飯

 夏になると食べる機会が多くなる麺類。冷たいそうめんやそば、うどんなどの冷やし麺やピリ辛の麺類など、食欲が減退しても食べやすいのでついつい選んでしまう人も多いのではないでしょうか。
 さて、麺類をはじめとする「主食」は炭水化物という栄養素の主な供給源です。炭水化物は、穀類(米、パン、麺類)や芋類、砂糖などに多く含まれます。エネルギー源となり体を温めたり、体組織の構成成分となるなど重要な栄養素の一つです。
 ただし、炭水化物と一言でいっても組成は異なります。例えば、同じ炭水化物だからといって、砂糖と小麦粉がたっぷり使われたスイーツを食べても体はぽかぽかと温まりません。
 炭水化物は1個の糖から成る「単糖類」と、ブドウ糖と果糖が結合した「二糖類」、単糖が3~9個結合した「少糖類」、そして単糖が多数結合した「多糖類」に分類されます。「単糖類」や「二糖類」は砂糖や果物に含まれ、「少糖類」はオリゴ糖などに含まれます。穀類や芋類に多く含まれるのが「多糖類」で、単糖が多数結合しているため消化のスピードも緩やかになります。
 同じ「多糖類」でも加工の度合いによって消化のスピードは異なります。小麦(粒)を粉状にした小麦粉を加工すると麺類やパンになります。ご飯に比べるとかむ回数が少なくても食べられるので時間がないときには良いかもしれませんが、ご飯の方が満腹感が得られやすく、消化のスピードもゆっくりなので、腹持ちが良いという特徴もあります。
 食欲のないときは、さっぱりとした梅干しと一緒に食べたり、カレーなどスパイスを効かせたりすると食欲が湧いてきます。夏こそスタミナをつけるためにご飯をしっかり食べていきたいですね。

管理栄養士・雑穀料理家 柴田真希

お天気カレンダー 土用干し

 土用の丑の日というとウナギを食べることで有名です。土用とは立春、立夏、立秋、立冬の前のおよそ18日間のことです。中でも立秋の前、つまり夏の土用の丑の日にウナギを食べる習慣があります。
 夏の土用は7月の終わりごろからです。ちょうど梅雨が明けて夏空が広がり、猛暑が始まるころです。「梅雨明け十日」という言葉があります。梅雨明けして10日くらいは安定した夏空が続くという意味です。梅雨明け直後は、太平洋高気圧がどっしりと日本付近に居座ることが多いためです。
 強い日差しが照り付ける夏の土用に行う虫干しを土用干しといいます。かびや虫の害を防ぐために、衣類や書物を干して風に当てるのです。また、梅干しを作るのに、6月に塩漬けにした梅を数日間「土用干し」すると、おいしい梅干しが出来上がります。梅雨明け直後の夏空は、とても貴重ですね。

気象予報士(株式会社ハレックス)●檜山靖洋


キッチン防災術 いり豆ご飯

 被災したときは、どうしても普段と違う食事を取ることになります。
 短い間はそれでもいいのですが、何日もするとやはり食べ慣れた物が食べたくなるものです。
 避難所などで配られる食べ物はおにぎりやパンといった炭水化物を中心とする、エネルギー源になる物がほとんどです。衛生の面からも、そういった物が多いのです。体の調子を整えるビタミンやミネラル、体や元気のもとになるタンパク質やアミノ酸も必要です。子どもたちの脳の発達にもそれらは欠かせません。肉や魚が手に入らないとき、穀物の1~2割を豆にすると穀物に足りないアミノ酸が補われて栄養バランスが良くなります。ただ豆というとどうしても水で戻して、たっぷりの湯でゆでてと手間がかかります。しかし、いり豆ならもうすでに火が通っているので、手軽に使えます。
 そこでいり豆ご飯をご紹介します。いり大豆が一番手に入りやすいでしょう。節分の豆まきのときに使いますね。白米3合を洗って吸水させ、そこに4分の1カップ程度(約20g)のいり豆を入れ、塩を小さじ2分の1加えて炊飯します。これでいり豆ご飯の出来上がり。いり豆の豆は大豆に限りません。ヒヨコマメや白インゲンマメなどのいり豆もあります。塩味が付いている場合は塩を入れなくても構いません。いった豆は水戻し不要で10分程度煮るだけでよいので、他の煮物のおかずに入れても良いでしょう。みそ汁やシチューにもお薦めです。
 避難袋には小豆たっぷりのようかん、甘納豆、いり大豆といった豆を入れておきましょう。手軽に豆を食べるにはレトルト、缶詰もあります。甘い味や塩味、カレー味などお好みを見つけて常備します。賞味期限が来たら新しい物を買って、古い物は食べ、常にストックがある状態にします。毎日の食に豆を取り入れること、実は災害への備えです。

災害危機管理アドバイザー●和田隆昌

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