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お役立ち情報コラム

ライフ(2018年7月)

健康百科 野菜と健康

 高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病があるにもかかわらず、これらを放っておくと、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な病気を引き起こす危険があります。これらを防ぐために、食生活の面で重要な鍵となるのが「野菜」の取り方です。
 野菜を取ることが、体にどんな良い点をもたらすのでしょうか。
 一つは、たっぷり取っても摂取エネルギー量が低いということです。野菜は、ほとんどが低エネルギー食品で、たくさん食べても摂取エネルギー量が抑えられるので、肥満を防ぐのに大いに役立ちます。
 二つは、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれるということです。ビタミンAやビタミンC、カリウム、鉄など、野菜には、さまざまなビタミンやミネラルが豊富に含まれます。これらは、エネルギーを作り出したり、消費したり、体内の細胞を新しくしたりする働きを助けます。
 ビタミンやミネラルが不足すると、体の調子が悪くなり、高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病につながる恐れがあります。
 三つは、食物繊維が豊富に含まれることです。
 食物繊維は、がん予防効果があります。米国や欧州での疫学研究によると、特に口腔(こうくう)がん、肺がん、咽頭がん、食道がん、胃がん、大腸がん、直腸がんの予防に有効であるという結果が出ています。
 野菜といっても多くの種類がありますし、含まれている成分もいろいろですから、できるだけ多くの種類を混ぜて取るのが効果的です。野菜は、全体として1日に350g取ることが必要です。
 高血圧の人は、1日の塩分量を6g未満にすることが推奨されています。また体内の余分な塩分を排出させて、血圧を下げる働きのあるカリウムを取るのもお勧めです。カリウムは、エダマメやホウレンソウなどの野菜に豊富に含まれます。

佐久総合病院名誉院長 松島松翠

お米で健康 夏バテのビタミン不足に胚芽米

 暑い日々が続くと「そうめんやそばなど冷たい麺類に麺つゆだけ」というような食事になりがちです。短時間で作れて、食欲がないときでも食べられる麺類にはついつい手が伸びてしまいますが、このような食事を続けていると、タンパク質やビタミン・ミネラルが不足しがちになり、疲れやすくなったり夏バテの原因になったりします。
 そんなときにもご飯がお薦めですが「暑くて台所にあまり立ちたくない」「もっと効率良く栄養を取りたい」。そんな人にお薦めなのが「胚芽米」です。白米より健康に良いことはなんとなくご存じの方もいらっしゃると思いますが、玄米や白米との違いは何なのでしょうか。
 まず、玄米とはもみ米からもみ殻を除いた精白していないお米のことです。白米に比べて夏バテ時に補給したいビタミンB1は5・1倍、抗酸化作用のあるビタミンEは12・0倍も含まれています。
 それに比べて胚芽米(胚芽精米)は、ぬか層のうち胚芽だけを選択的に残して、他を除いた物で胚芽保有率80%以上の物をいいます。白米に比べてビタミンB1は2・9倍、ビタミンEは9・0倍と玄米には劣りますが、大切なのは消化と吸収です。  食物繊維も豊富な玄米は、不足しがちな栄養が取れるというメリットはありますが、しっかり消化できるように炊くのに時間がかかったり、お子さんや高齢者、胃腸の弱い方や夏で弱っているときには適さないこともあります。
 調理方法や食感が白米に近い胚芽米は、夏でも無理なく栄養が補給できるのです。
 夏は汗などでビタミン・ミネラルが不足しがちになります。しっかりと栄養のあるお米で補給していきましょう。
■白米と比べた栄養価 玄米 胚芽米 ビタミンB1 5.1倍 2.9倍 ビタミンB2 2.0倍 1.5倍 ビタミンE 12.0倍 9.0倍 マグネシウム 4.8倍 2.2倍 食物繊維 6.0倍 2.6倍 『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』より計算

管理栄養士・雑穀料理家 柴田真希


お天気カレンダー 夏台風は予想しにくい

 これから秋にかけて、台風の発生や接近が多くなります。台風の進路予想は改善され精度が良くなってきています。それでも、この時期の夏台風は、動きを予想するのが難しいことがあります。
 台風は上空の風に流されて進みます。夏は日本付近の上空の風が弱いため、台風のスピードがゆっくりだったり、フラフラと迷走し複雑な動きをしたりすることがあります。2016年の夏は、本州の南海上に9号、10号、11号と三つの台風が同じ時期に発生し、その三つが輪を作るように位置し、反時計回りに回転しました。このため、そのうちの一つ、台風10号は、いったん南西へ向かって進んだ後、Uターンして北上し本州に接近してきました。
 夏台風は一つでも予想しづらいですが、複数が近くにあると、なお厄介です。常に最新の情報に注意して、台風被害を最小限に食い止めたいものです。

気象予報士(株式会社ハレックス)●檜山靖洋


万一に備えよう わが家の防災 避難所とはどういう所か

 2016年4月、一般には比較的地震の少ない場所と思われていた九州・熊本を襲った震災は、過去前例のない「震度7が連続して発生する」という地震でした。
 16日に現地入りする予定だった私は、閉鎖となった熊本空港から急きょ鹿児島空港へと行き先を変更。ほぼ10分間隔で余震の警告が鳴り響く中、車で6時間かけて震源となった益城町に入りました。益城町役場と避難所となる予定だった体育館の敷地は地割れを起こし、天井は落ち、ガラスが割れたことによって使用不可になっていました。代替で用意された避難所は、当然スペースが圧倒的に足りず、受付や廊下にまで避難してきた人があふれていました。周辺には入り切れない数千人の町民が自家用車で取り囲み、対応に苦慮する職員と町民とのトラブルが多発し、まさに混沌(こんとん)とした状態でした。
 避難所は、市民が「災害によって自宅家屋に住むことができなくなった場合」に「一定期間滞在できる建物」のある場所ですが、備蓄や準備をまったくしていないと、配給のある避難所に頼らざるを得ない場合もあります。しかし、人口密度の高い避難所では感染症や体調不良が発生しやすく、熊本の避難所ではすぐにインフルエンザやノロウイルスなどの感染症が発生。また、避難所で起きやすい「エコノミークラス症候群」による死者も発生しています。市民は2次的健康被害に備えるため、避難所に行かないで済むように耐震性の高い家屋に住むと同時に、十分な水・食料・生活用品の備蓄を日頃から用意しておく必要があります。
 熊本地震では揺れによる直接的な死者50人の3倍の150人の方が、その後の避難生活の影響により亡くなっています。

災害危機管理アドバイザー●和田隆昌


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