JAグリーン近江について

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今月の農業(2021年5月)

「みずかがみ」「コシヒカリ」    特Aランクを目指しましょう
   稲作本番・・・・・今年も頑張ろう!!

水稲

いずれの品種においても「安全・安心」で「おいしい」米づくりをすすめるためには基本技術をきっちりと実行することが大切です。

施 肥

 令和3年産米JAグリーン近江栽培ガイドライン・生産資材申込書6~9ページをご参照ください。
 なお、当JA管内の水田土壌は、湖辺地域の一部を除いてかなり地力が低くなっているようです。元肥一発施用で施用量が少ないと穂肥の肥効が不足する場合があります。基準通り施用するとともに、穂肥時期の葉色が薄い場合は、追加施用が必要となる場合があります。

 
水管理

水管理は、稲の生育をコントロールし、肥料や農薬の効果を左右する非常に大切な作業です。また、田植前の代かき水や農薬・肥料を散布したあとの田面水を排水路や河川などの公共水域に放流しないようにしましょう。  なお、農業用水の利用は、管轄の土地改良区等、水利施設の用水供給計画にあわせて、農業用水の節水に努め、有効に活用しましょう。

初期の水管理

 田植え後に低温・強風の場合には深水とし、晴天・高温の場合には浅水とします。この時期に低温・強風が予想される場合には、日中は3~4㎝の浅水で水口を閉じ、夜間には5~6㎝の深水となるように午後から入水して、低温・強風時の苗痛みを防ぎます。
 なお、土壌の還元化が強まりガスの発生が強くなるような場合には夜間落水や早期中干しを行い、土壌中への酸素供給を行い、根を健全にしましょう。

除草剤散布時の水管理

 除草剤の効果は水管理の良し悪しで大きく異なります。除草剤を散布する前には、入水口、排水口をきっちりと閉め、畦際からの水漏れをしっかり止めてから田面に5~6㎝程度の水をたっぷり貯めます。除草剤散布後1週間程度は水を動かさないようにすることがコツです。代かきを丁寧に行い、田面を均平にするとともに畦塗りや畦畔シートで、畦畔からの漏水を防ぎ、1日でも長く水を貯めておくようにしましょう。
 水が早く減る場合には、一旦、水がすっかりなくなってから静かに給水してください。水が減らないように水口から少しずつチョロチョロ水を流し続けると除草剤の効果は著しく悪くなり、水口付近では除草剤がほとんど効かなくなりますのでご注意ください。

 除草剤は初中期一発剤を基本とします。初中期一発剤に「キマリテ」、残草が出た場合にはノビエには「クリンチャー」、広葉雑草には「バサグラン」がおすすめです。なお、特に水保ちの悪い水田や転作跡には「メテオ」などの初期剤+「ザーベックスDX」などの中期剤の体系処理を行ってください。
 詳しくは、令和3年産米JAグリーン近江栽培ガイドライン・生産資材申込書10~12ページをご参照ください。

〈環境保全型農業直接支払交付金制度の手続きは6月30日締め切りです〉
 各地域の環境こだわり米部会等で取りまとめて、市町を通じ6月30日までに申請手続きを行う必要があります。また、交付金を受けるには、GAPの取り組みが必須となります。昨年度の実施内容よりグレードアップした取り組みを実施してください。詳しくは各地の環境こだわり米部会にご相談ください。

麦栽培ガイドラインを参考に、赤かび病の防除は必ず適期(開花期)に適正散布を実施しましょう。
また、小麦はタンパク向上のため出穂10日後に10a当り硫安20㎏の実肥を施用しましょう。ただし、3月の穂肥で「麦用セラコートR2500」を規定どおり施用した場合、実肥は不要です。

赤かび病対策

 麦類に赤かび病が発生すると、デオキシニバレノール(DON)やニバレノール(NIV)などのかび毒が発生し、嘔吐、腹痛、下痢などの中毒症状が現れる「急性毒性」と、成長抑制や免疫機能抑制などの症状が現れる「慢性毒性」があるといわれています。このため農産物検査規格では、1粒でも赤かび粒があると販売ができないことになっています。
 小麦や大麦、ビール麦ともに1回目防除は開花初め、2回目はその7~10日後です。薬剤はワークアップ粉剤DLまたはフロアブル剤、チルト乳剤25などがあります。
 赤かび病は乾燥調製施設内でも感染が拡大する場合があります。荷受時点でもチェックを行いますが、本田で発生しないよう適正防除は必ず実施しておいてください。

収 穫

 天候の都合上、刈り取りを急ぐあまり水分が高いままで刈り取りを行うと、外観品質のみならず加工適性も悪くなります。良品質麦生産を図るうえで、穀粒水分25%を目安に計画的に適期収穫をお願いします。
 「びわほなみ」の刈遅れに注意!!

排水対策

 麦類は、出穂後に湿害にあうと品質が著しく悪くなります。田植時期になると水田用水が送水されてきますので、麦作田に隣接する水路やバルブからの水漏れがないか、今一度確認してください。出穂後の湿害は麦品質に致命的なダメージを与えます。今一度排水対策を徹底してください。

大豆

 麦類の収穫時期が近づいてきました。麦跡には、大豆を栽培して水田の高度利用を図りましょう。
 大豆播種予定の圃場には、麦収穫後ただちに排水溝を周囲につけ、圃場全体に弾丸暗渠やプラウによる反転耕を行い、圃場表面をよく乾かしてください。
 なお、近年、狭畦無培土密播栽培が増えてきましたが、この方式は、湿害を受けやすく、雑草防除もやりにくいので、通常は、畦立て条播にし、中耕培土をしっかり実施してください。狭畦無培土密播栽培は、短期間に大面積の播種を行なう場合、雑草が少なく、水はけの良い田で行なう場合のみ実施可能です。

良い大豆づくりのポイント

排水対策と土づくり
  • 麦跡では降雨後水がたまらないよう、麦の収穫が終わったら直ちに排水溝を整備してください。
  • 大豆の播種時期は天候不順となることが多いので、耕起・砕土・播種・除草剤散布は同日に行うように、作業日程を調整し、圃場ごとに一連の作業を完結してください(大雨が予想されるときは作業を控えてください)。
  • 耕耘作業は、なるべく乾燥した時に表面の土は細く、下層は粗く耕耘してください(湿った土を何度も耕耘してはいけません)。
  • 播種前に好天が続くようなら、麦収穫後に土づくり肥料や堆肥を散布し、プラウで反転耕耘を行うと土壌の透水性・保水性が向上し、湿害や干ばつを受けにくくなり、充実の良い大豆が収穫できます(サブソイラーなどによる心土破砕でもプラウ耕と同様の効果が期待できます)。
  • 耕耘同時播種機を使用するときは、播種位置に土が盛り上がるように耕耘爪の配列を工夫すると出芽が揃いやすくなります(図1参照)。
  *施肥防除は次号にてお知らせします
〈豆知識〉
 大豆の湿害は、土壌中の水分過剰による根の酸素不足が原因で発生します。
 心土破砕や反転耕、弾丸暗渠によって、土壌の透水性を改良すると根の酸素不足状態が軽減されるので湿害も軽減できます。大豆は播種から開花時期までに湿害を受けないようにして、生育初期に根を深く張らせておくと、開花期以降の干ばつの害も受けにくくなります。



農薬の使用は正しく安全に

5月~6月頃は水田で農薬を使用する機会が多くなります。以下の事項に留意の上、正しく安全に使用しましょう。

1.農薬の使用基準の遵守

  • 農薬を使用するときは、ラベルに記載されている適用作物、使用時期、使用方法等を十分確認し、容器等に表示されている使用基準を守りましょう。

2.農薬の保管管理

  • 農薬による危害や悪用を防止するため、農薬は鍵のかかる場所に保管しましょう。
  • 農薬の誤飲による中毒事故の発生を防止するため、農薬やその希釈液、残渣等を食品用の空容器等へ移し替えないでください。

3.農薬使用時の留意事項

  • 作物の形状や作型が異なるものについては、使用できる農薬の適用条件が異なるのでよく確認してから使用しましょう。
  • 近くの他作物や民家などに農薬が飛散しないように、散布方法に十分注意しましょう。

4.周辺住民と周辺環境に配慮しましょう

  • 農薬を散布するときは、周辺住民や通行車両等に農薬が飛散しないよう注意しましょう。
  • 水田において農薬を使用するときは、散布後1週間は止水管理を徹底し、水田外への農薬の流出を防止しましょう。

5.無登録農薬等は農耕地には使用できません

  • 「非農耕地用」と表示された除草剤は、類似成分であっても農地には使用できません。

6.農薬使用者の健康管理にも留意しましょう

  • 農薬散布を行うときは防除衣、手袋、メガネ、マスク等、散布作業に適した服装で従事しましょう。
  • 「散布作業中の飲食や喫煙、農薬散布後の飲酒」を避けるなど、散布作業を行う人は健康管理にも十分留意しましょう。




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