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今月の農業(2021年6月)

「みずかがみ」「コシヒカリ」 特Aランクを目指す
   田植後の管理……除草・中干し・追肥

水稲

6月は、追肥・中干し・除草・病害虫防除等、重要な作業があります。良質米づくりを目指して基本技術を励行しましょう。

除草剤散布後に雑草が出た場合

 除草剤散布後に雑草が出た場合には、ノビエには「クリンチャー」、広葉雑草には「バサグラン」がおすすめです。詳しくは、令和3年産JAグリーン近江栽培ガイドライン・生産資材申込書10~12ページをご参照ください。

中干し

 中干しを行うと、土中への酸素供給がよくなり、根が健全になります。その結果、茎が太くなり、有効茎歩合が向上し、草姿を改善する効果があります。また、土壌の還元に伴って発生する有害ガスを除き、収穫直前まで稲の生育を健全に保つことができるので、米粒の肥大がよくなり、品質・収量向上が期待できます。
 中干しを始める時期は、1株茎数が15本程度の時期です。中干し程度は、圃場に浅い亀裂が生じる程度にし、粘質田ではやや強めに、砂質田では軽く行います。田面が白くなったり、大きな亀裂ができるほど長期間の落水を行うと、根が切断されるので注意しましょう。
*溝切りを行うと中干しを効果的に行うことができます。溝の間隔は3~5m程度、溝の深さは10㎝以上が理想です(環境保全型農業直接支払い交付金制度の技術要件で長期中干しを選択した場合は原則として10a当たり1本以上の溝切りが必要です)。
 また出穂後は、この溝に通水することで収穫直前まで十分な水分補給ができるので、水はけのよい田でも溝切りを行いましょう。

追肥

 追肥は最高分げつ期から幼穂形成期頃の稲体の栄養条件をよくするための肥料です。
 中干し期間の前後を見計らって上手に施用しましょう。環境こだわり米栽培では各地域の環境こだわり米部会の基準に従って施用してください。
〈環境保全型農業直接支払い交付金制度の手続きは6月30日締め切りです〉
 各地の環境こだわり米部会等で取りまとめて、市町を通じ6月30日までに申請手続きを行う必要があります。また、交付金を受けるには、GAPの取り組みが必須となります。昨年度の実施内容よりグレードアップした取り組みを実施してください。詳しくは各地の環境こだわり米部会にご相談ください。

病害虫防除

●いもち病
 補植用の予備苗は、中干しまでに取り除きましょう。
 麦跡水稲や直播水稲、多肥田では6月中下旬頃から葉いもちが発生しやすいので特に注意しましょう。毎年いもち病が多発する圃場では、発病前に粒剤を散布すると効果的です(ただし、環境こだわり栽培の場合には各部会の基準を確認してください)。
 いもち病は外気温25~28℃くらいで、湿度が高い日が続くと発生しやすくなります。現時点で本田での発生がなくても、曇雨天で高温多湿の日が続くと発生しやすいので、圃場をよく見て回り早期発見に努めましょう。
●ニカメイガ
 第1世代幼虫の防除適期は、通常6月10~15日頃(越冬世代発ガ最盛日の10~15日後)です。ニカメイチュウに有効な薬剤を育苗箱または側条施肥田植機で施用した圃場では、第1世代幼虫の本田防除は通常は不要です。
 第2世代幼虫防除の目安は、8月初旬頃(第1世代発ガ最盛期から7日後)です。6月中旬の第1世代幼虫の被害株率が10%以上の圃場では、防除が必要です。
●カメムシ類
 5月下旬~7月上旬にかけて、畦畔や道路、堤防などの法面のイネ科雑草を広域的に刈り取り、さらに出穂期2~3週間前と出穂期頃にかけて草刈りを行うと効果的です。なお、出穂期頃にカメムシが多数生息している場合には薬剤防除が必要です。

飼料米・飼料用稲(WCS)などの注意事項

 除草剤、病害虫防除薬剤の使用基準が通常の主食用米と異なる場合があります。必ず薬剤のラベルを確認してから使用してください。
 WCSは収穫時期に圃場がやわらかいと製品に泥が付いたりして品質が著しく悪くなります。中干しを完全に行いましょう。また、雑草の混入が多いと製品になりませんので、今の時期に圃場確認を行い、雑草が多い場合には草種に適応する除草剤を散布してください。
 飼料米・飼料用稲(WCS)は収量が少ないと収益性が悪くなるので、追肥が必要な場合には的確に施用してください(主食米のように米のタンパク含量や食味は関係ないので増収を目指してください)。

麦の収穫・乾燥・調製

 今年の麦類は、出穂期がやや早くなっています。生育の状況をよくみて適期収穫ができるよう作業準備をすすめてください。なお、「びわほなみ」は従来の「農林61号」より成熟期が3~4日くらい早くなるので、刈り遅れないようにしてください。また、赤かび病にも十分注意してください。
 天気予報を参考にしながら適期収穫を行い、適正な乾燥・調製に努めましょう。

収穫適期の目安

 成熟期の目安は、全体の80%以上の穂首が黄色くなって穀粒が硬くなってツヤが無くなり、穂首が曲がった時期です。収穫作業は、小麦では穀粒水分30%以下、ビール麦では穀粒水分25%以下で行いましょう。

乾燥

 収穫後の麦をそのまま放置すると数時間で変質がはじまるので、収穫後の麦は直ちに乾燥施設に搬入できるよう作業体制を整えてください。なお、今年から乾燥調製施設の取扱い品種に一部変更がありますので、施設稼働計画のご確認お願いします。

大豆

良質大豆づくりのポイント

種子更新
  • 採種圃産の健全種子を使用しましょう。
種子消毒
  • 播種前にクルーザーMAXXを種子1㎏当り原液8㎖、または、キヒゲンR-2フロアブルを種子1㎏当り原液20㎖を塗沫処理し、乾燥させてください。
排水対策と土づくり
  • 田面に雨水がたまらないよう排水溝を整備するとともに、土づくり肥料や堆肥を散布後、プラウで反転耕耘を行うと土壌の透水性・保水性が向上し、湿害や干ばつを受けにくくなります。
  • 耕耘作業は、田面が乾燥した時に表面の土は細く、下層は粗く耕耘してください(湿った土を何度も耕耘してはいけません)
  • 播種位置に土が盛り上がるように耕耘爪を配列し、耕耘同時播種を行うと出芽が揃いやすくなります(本誌先月号の9ページ参照)。
  • 耕耘・播種・除草剤散布は、同じ日に完結するように作業日程を調整し、圃場ごとに一連の作業を仕上げてください(大雨が予想されるときは作業を控える)。
施肥
  • 大豆は、りん酸・カリ・石灰の補給が重要です。窒素肥料を多量にやると根粒菌が機能しなくなるので、元肥窒素の施用は少量にしてください。







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