JAグリーン近江について

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今月の農業(2022年2月)

水稲

今年の稲作重点対策

品質のよい「みずかがみ」の安定生産を目指して

 全国的な米の消費減少傾向がつづくなか、安定的な米販売先を確保するためには、「環境こだわり米の安全・安心でおいしいお米」を基本に、JAグリーン近江統一の「特別栽培米」による、JAグリーン近江のブランド確立を目指しましょう。
 安全安心でおいしいお米を安定的に生産するには、土づくりをはじめとして、育苗・施肥・病害虫防除・収穫・乾燥・調製など、稲の一生を通じて気象条件、土壌条件など自然環境に応じて栽培の基本技術を励行することが重要です。

土は毎年痩せていきます  水田には堆肥を入れよう

 水田の地力を復活させる土づくりの基本は、「有機物を補給すること」「稲に必要な養分をバランスよく蓄えること」「根張りをよくすること」です。堆肥や「とれ太郎」などの土づくり肥料を施用し、深耕を行いましょう。深耕の目標は15㎝以上です。
 堆肥の毎年の散布適量は、通常1~2t/10a位です。㈱グリーンサポート楽農では、堆肥散布の作業を実施しています。詳しくは、当JA営農振興課または各支店へご相談ください。


「とれ太郎」などの土づくり肥料を散布しよう

 健全な生育を促進し、米の食味向上を図るためには、「とれ太郎」などのりん酸、珪酸、鉄分、苦土、石灰などの養分をバランスよく含まれた肥料を補給することが重要です。特に石灰は、カドミウムの吸収抑制対策としても重要な養分です。「おいしいお米づくり」とともに「安全・安心なお米づくり」対策としても土づくり肥料を施用しましょう。
 散布時期は、秋耕起前に散布すると省力的ですが、まだ散布できてない場合は、春耕起前に散布すると秋散布と同様の効果が期待できます。 「とれ太郎」の施用量は10aあたり80㎏が標準です。
 JAグリーン近江では、土づくり肥料散布用のブロードキャスタを装着したトラクタを準備していますので、ご希望の方は、各支店までご相談ください。


耕起は15㎝以上に、稲わらはよく腐らせる

 耕起作業は、土を砕く、前作物残渣や雑草をすき込んで腐熟を促進させる、通気性・保水性をよくする、有機態窒素を無機化させる(乾土効果)等の効果があります。また、深耕は胴割粒の発生を少なくする効果もあるといわれています。
 はじめにプラウで反転耕を行ない、表面の土がよく乾いたときにロータリ耕を行うのが理想です。雑草の発生を抑制するためにも深耕は効果的です。


畦塗り

 水もちが悪いと肥料や農薬成分が流亡しやすく、肥料や除草剤の効果が悪くなるばかりか環境にも悪影響を与えます。
 畦塗りは、土壌に適度な水分のある時期を見計らって実施しましょう。畦を長持ちさせるためには、畦塗り機の走行速度を遅くし土を十分にたたきつけることと、畦の土が乾燥してしまわないよう早めに湛水し、畦の乾燥・ひび割れを防止することが大事です。


代かき・均平はていねいに 代かきは土が半分見えるくらいの水深で

 代かきは土が半分見えるくらいの水深で  代かき作業は、通常、水田ハローを使用しますが、水の量が多すぎると、わら等の有機物が浮き上ったり、圃場の凸凹がわかりにくくなります。代かき時の水深は、水面から土が半分以上見える程度で行いましょう。
 凸凹の水田では、「凸の部分に雑草が生えやすく、凹の部分には苗が冠水」したり、「直播水稲の発芽・苗立ちが良くない」、「圃場全体の排水がうまくできない」等の問題が発生します。
 多少の凸凹は代かき時にハローで手直しできますが、圃場面積が広い場合や田面の高低差が大きい場合には、レーザーレベラのような機械で均平作業を行います。


育苗・田植えの基本は薄播き苗の細植え

 稚苗1箱当たり播種量は、乾籾で120~150g(催芽籾重は2割増し)とし、太い健苗を育てます。田植えは、1株当たり平均3~5本植えとします。
 太植えにすると、茎が細くなって倒伏しやすくなり、米粒の充実も悪くなるので、健苗細植えを励行しましょう。


施肥

 JAグリーン近江の栽培ガイドラインを参考に、品種・栽培時期・栽培方法などに応じて適量を施用しましょう。当JAでは、環境こだわり栽培を基本に特別栽培米をおすすめしています。詳細は、各地域の環境こだわり米部会や各支店にご相談ください。
 環境こだわり栽培の元肥は側条施肥をおすすめしていますが、施肥田植機を使わない場合には、入水前に圃場全面に元肥を散布し、作土層によくすき込んでから入水してください。


「元肥一発施肥」

 緩効性肥料が入った肥料で、元肥と追肥・穂肥を一緒に兼ねた肥料で行なう栽培方法です。元肥として一括で施用しても、最初に効く成分が少なめで、追肥や穂肥用の肥料分が「じっくり」効きだすタイプの肥料です。通常は元肥として施用するだけで、追肥・穂肥がいらないので大変省力的です(気象・土壌条件により追肥が必要な場合があります)。
 当JAでは、環境こだわり栽培の「みずかがみ」では「みずかがみ基肥一発」を、コシヒカリ・キヌヒカリには「楽すけ(早生用)」、日本晴・ヒノヒカリには「有機入りセラコートR355(中晩生用)」などをおすすめしています。
 「一般栽培」では、「これいいね」と「すご稲」の早生用と中晩生用をそれぞれおすすめしています。


雑草防除…JAグリーン近江の特別栽培米の除草剤には「ガツントZ」がオススメ

 雑草防除は、雑草の種子や越冬する雑草の塊茎などの出芽を抑えることが基本です。
 秋耕や冬耕を繰り返すと、雑草種子や塊茎などが乾燥・凍結したり、地下深く埋め込まれて出芽数を抑えることができます。
 除草剤は、散布時期と散布量、水管理が最も重要です。薬剤の包装容器には、水稲の移植後日数と雑草の葉数で散布時期が表示されています。散布時期が遅れると雑草の葉数が大きくなり、除草効果がたいへん悪くなります。容器に表示された時期に、表示された使用方法をよく読んで正しく使用しましょう。除草剤を効果的に使うには、田面を均平にし、土が見えないように十分水を張ってから、水口と尻水戸をしっかりと止めて除草剤を散布してください。
 水もちが悪い田では、あぜ塗りを行うとともに代かき前に水を入れて粗く耕耘し、水が地下に浸透してから再度入水し、代かきをやり直すなど、少しでも水が長持ちするように工夫しましょう。
 水が早く減ることを防ぐためにチョロチョロ水を入れ続けると除草剤の効果が非常に悪くなります。除草剤散布前に少し深水にし、散布後は、少なくとも3日以上、水を動かさないようし、水がなくなったら静かに補給してください。


ムギの穂肥は2月上中旬から3月上旬が適期です

 令和4年産麦類の施肥基準がかわりました。2~3月は穂肥の時期です。令和4年産麦の栽培ガイドラインを参考に穂肥は遅れないように施用しましょう。

ムギの品質向上と増収はこれからの排水対策がキメテ

 麦は、幼穂ができ始める2月頃から出穂期頃に湿害を受けると、根の活力が著しく悪くなり、葉が黄色く枯死し、たんぱく含量などの加工適性に関係する成分品質が悪くなります。毎年、春には雨が続く時期がありますので、湿害を防ぐ対策が特に重要です。
 麦の排水対策の秘訣は、「圃場の表面水が土壌中にしみこむ前に水を排除すること」です。降雨後の表面水が数時間以内に排出するよう、今一度、排水溝を確認してください。

  • 土壌中に水が浸透するまでに表面の水を排除できるよう、圃場内の溝さらえを徹底してください。
  • 水田の送水が始まると、水口付近から漏水することがあるので、早めに水口を確認してください。
  • 雪が積もると、雪解け水がしみ込みやすいので、畦面に水溜りがあれば小溝を付けて排水してください。





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