JAグリーン近江について

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今月の農業(2022年5月)

水稲

今年の稲作…本格スタート!
 
「みずかがみ」「コシヒカリ」特Aランクを目指そう!!

施肥

 令和4年産JAグリーン近江栽培ガイドライン・生産資材申込書8~11ページをご参照ください。JAグリーン近江では、生産資材を統一した特別栽培米へのステップアップをめざしています。詳しくは各地の環境こだわり米部会のガイドラインなどをご参照ください。
 なお、当JA管内の水田土壌は、湖辺地域の一部を除いて潜在地力が低い水田が多いようです。元肥一発施用だけでは施用量が少なく、穂肥時期に養分不足となる場合があります。元肥は、基準通り施用し、元肥一発肥料の場合でも幼穂形成期から穂ばらみ期にかけて葉色が薄い場合は、穂肥の追加施用が必要な場合があります。

水管理

初期の水管理

 昨年は田植え後の苗傷みが目立つところが多くありましたが、低温・強風の日に田植えを行うと苗傷みが発生しやすいです。田植えは、なるべく、無風・温暖な日に行うようにしましょう。
 田面に高低差ができると苗が水没したり、干上がったりするので、代掻きは、なるべく均平になるよう、丁寧に行いましょう。
 田植え後に低温・強風が予想される場合にはやや深水にし、晴天・高温の場合には浅水とします。
 なお、土壌の還元化が強まりガスの発生が強くなるような場合には夜間落水や早期中干しを行い、土壌中への酸素を供給し、根を健全にしましょう。

除草剤散布時の水管理

 除草剤の効果は、田面の均平と水管理の良し悪しで大きく異なります。除草剤を散布する前には、田面に5~6㎝程度の水をたっぷり溜めてから入水口、排水口をきっちりと閉め、畦際からの水漏れをしっかり止めます。除草剤散布後1週間程度は水を動かさないようにすることがコツです。代掻きをていねいに行い、田面を均平にするとともに畦塗りや畦畔シートで、畦畔からの漏水を防ぎ、1日でも長く水を溜めておくようにしましょう。
 水が早く減る場合には、一旦、水がすっかりなくなってから静かに給水してください。水が減らないように水口から少しずつチョロチョロ水を流し続けると除草剤の効果は著しく悪くなり、水口付近では除草剤がほとんど効かなくなりますのでご注意ください。
 除草剤は初中期一発剤を基本とします。初中期一発剤に「ガツントZ」、残草が出た場合やノビエには「クリンチャー」、広葉雑草には「バサグラン」がおすすめです。なお、特に水保ちの悪い水田や転作跡には「メテオ」などの初期剤+「セカンドショットSジャンボMX」など中期剤との体系処理を行ってください。
 詳しくは、令和4年産JAグリーン近江栽培ガイドライン・生産資材申込書14~15ページをご参照ください。

中干し

 中干しを行うと、土中への酸素供給がよくなり、根が健全になります。その結果、茎が太くなり、有効茎歩合が向上し、草姿を改善する効果があります。また、土壌の還元に伴って発生する有害ガスを除き、収穫直前まで稲の生育を健全に保つことができるので、米粒の肥大がよくなり、品質・収量が向上します。
 中干しは、1株茎数が15本程度になったら始めましょう。
*溝切を行うと中干しを効果的に行うことができます。溝切の間隔は3~5m程度、溝の深さは10cm以上が理想です(環境保全型農業直接支払い交付金制度の技術要件で長期中干しを選択した場合は、原則として10a当たり1本以上の溝切りを行い14日以上の中干しが必要です)。
 また出穂後は、この溝に通水することで収穫直前まで十分な水分補給ができるので、水はけのよい田でも溝きりを行いましょう。

◆環境保全型農業直接支払い交付金制度の手続きは6月30日(厳守)です

 各地の環境こだわり米部会等で取りまとめて、市町を通じ6月30日までに申請手続きを行う必要があります。なお、今年から「国際水準GAPの実施」が「みどりのチェックシートによる持続可能な農業生産の実施」に変更されます。詳しくは各地の環境こだわり米部会にご相談ください。


・びわほなみ ・ニューサチホゴールデン ・ファイバースノウ
  適期収穫で品質向上に 努めましょう…   湿害と赤かび病に ご注意!!

赤かび病対策

●麦栽培ガイドラインを参考に、赤かび病の防除は必ず適期(開花期)に適正散布を実施しましょう。
●農産物検査規格では、1粒でも赤かび粒があると販売ができないことになっています。
●赤かび病は乾燥調製施設内でも感染が拡大する場合があります。荷受時点でもチェックを行いますが、本田で発生しないよう適正防除は必ず実施してください。

黒節病対策

●発生圃場では発病株を抜き取り、収穫後の麦わらは圃場外へ搬出してください。
●今後の発生を防ぐには、健全種子を「更新するとともに、「早播き、厚播き」を避け、施肥は控えめにし、圃場の排水を徹底してください(軟弱な生育で過湿時に発生しやすくなります)。

収穫

●天候の都合上、刈り取りを急ぐあまり水分が高いままで刈り取りを行うと、外観品質のみならず加工適性も悪くなります。良品質麦生産を図るうえで、穀粒水分25%を目安に計画的に適期収穫をお願いします。

排水対策

●麦類は、出穂後に湿害に遭うと品質が著しく悪くなります。田植時期になると水田用水が送水されてきますので、麦作田に隣接する水路やバルブからの水漏れがないか、今一度確認してください。出穂後の湿害は麦品質に致命的なダメージを与えます。排水対策は今一度徹底してください。


大豆

 麦類の収穫時期が目前に迫ってきました。麦跡には、大豆を栽培して水田の高度利用を図りましょう。
 営農組合や法人などで大規模な集団では、良質大豆の安定多収を目指して、早めから栽培計画をたて、資材と作業の準備をはじめましょう。
 大豆播種予定の圃場には、麦収穫後ただちに排水溝を周囲につけ、圃場全体に弾丸暗渠やプラウによる反転耕を行い、圃場表面を良く乾かしてください。
 なお、近年、狭畦無培土密播栽培が増えてきましたが、この方式は、湿害を受けやすく、雑草防除もやりにくいので、通常は、畦立て条播にし、中耕培土をしっかり実施してください。狭畦無培土密播栽培は、短期間に大面積の播種を行なう場合、雑草が少なく、水はけの良い田で行なう場合のみ実施可能です。
 高品質大豆の多収を目指す場合には、通常の畦立て栽培による中耕培土をきっちり行ない、病害虫防除や雑草防除を適正に行なうことが重要です。

よい大豆づくりの準備

種子更新

●採種圃産の健全種子を使用する。

種子消毒

●播種前に種子1kg当りクルーザーMAX-X原液8mlを塗沫処理し、よく乾かす。(紫斑病、フタスジヒメハムシ対策)

排水対策と土づくり

●麦跡では降雨後水が溜まらないよう、麦の収穫が終わったら直ちに排水溝を整備してください。
●大豆の播種時期は天候不順なことが多いので、耕起・砕土・播種・除草剤散布は同日に行うように、作業日程を調整し、圃場ごとに一連の作業を完結してください(大雨が予想されるときは作業を控えてください)。
●耕耘作業は、なるべく乾燥した時に表面の土は細かく、下層は粗く耕耘してください(湿った土を何度も耕耘してはいけません)。
●麦収穫後の圃場が良く乾燥した時期に、土づくり肥料や堆肥を散布し、プラウで反転耕耘を行うと、透水性・保水性が向上し、湿害や干ばつを受けにくくなり、充実の良い大豆が収穫できます(サブソイラーなどによる心土破砕でも同様の効果が期待できます)。

●耕耘同時播種機を使用するときは、播種位置に土が盛り上がるように耕耘爪の配列を工夫すると出芽が揃いやすくなります (図1参照)。

施肥

●大豆は、りん酸・カリ・石灰の補給が重要
窒素肥料を多量にやると根粒菌が機能しなくので、元肥窒素の施用は少量にしてください。

◆施肥基準・除草剤の使い方は令和4年産大豆の栽培暦・生産資材申込書をご確認ください。

<豆知識>
大豆の湿害は、土壌中の水分過剰による根の酸素不足が原因で発生します。
心土破砕や反転耕、弾丸暗渠によって、土壌の透水性を改良すると根の酸素不足状態が軽減されるので湿害も軽減できます。大豆はは種から開花時期までに湿害を受けないようにして、生育初期に根を深く張らせておくと、開花期以降の干ばつの害も受けにくくなります。


<農薬の使用は正しく安全に>
5月~6月頃は水田で農薬を使用する機会が多くなります。以下の事項に留意の上、正しく安全に使用しましょう。
1 農薬の使用基準の遵守
・農薬を使用するときは、ラベルに記載されている適用作物、使用時期、使用方法等を十分確認し、容器等に表示されている使用基準を守りましょう。
2 農薬の保管管理
・農薬による危害や悪用を防止するため、農薬は鍵のかかる場所に保管しましょう。
・農薬取締法で販売および使用が禁止されている農薬を自宅倉庫等で発見した場合は、関係法令を遵守し適切に処理しましょう。
・農薬の誤飲による中毒事故発生を防止するため、農薬やその希釈液、残渣等を飲食品の空容器等へ移し替えないでください。
3 農薬使用時の留意事項
・除草剤などの農薬使用前には、ラベルの記載内容をよく読んで正しく使用してください。農薬の容器や使い残した農薬は、畦や排水路などに放置しないで適切に処理してください。また、農薬や散布後の田面水が、周辺作物や河川などに流れ出さないように十分注意してください。
・農薬の使用前後には「防除器具の洗浄や防除器具の水もれなど」も十分確認しておきましょう。
・作物の形状や作型が異なるものについては、使用できる農薬の適用条件が異なるのでよく確認してから
使用しましょう。
・近くの他作物や人家などに農薬が飛散しないように、使用方法に十分注意しましょう。
4 周辺住民と周辺環境への配慮しましょう
・農薬を散布するときは、周辺住民や通行車両等に農薬が飛散しないよう注意しましょう。
・学校、保育所、病院、公園、保健所等の公共施設、住宅地などの近隣で、広範囲に農薬を散布するときは、農薬散布により周辺住民等に健康被害を及ぼすことがないよう、農薬の飛散防止対策を行い、事前に農薬を散布する日時、使用農薬の種類等を記した書面や看板等により周知を行い、周辺住民や施設利用者等に十分配慮しましょう。
・水田において農薬を使用するときは、散布後1週間は止水管理を徹底し、水田外への農薬の流出を防止しましょう。
5 無登録農薬等は農耕地には使用できません
・ラベルに農薬登録番号の記載がない資材は、無登録農薬の疑いがあるので、農地へ使用しないようにしましょう。
・「非農耕地用」と表示された除草剤は、類似成分であっても農地には使用できません。
6 農薬使用者の健康管理にも留意しましょう
・農薬散布を行なうときは防除衣、手袋、目がね、マスク等、散布作業に適した服装で従事しましょう。
・睡眠不足や体調のすぐれない時は散布作業に従事しないようにしましょう。
また、「散布作業中の飲食や喫煙、農薬散布後の飲酒」を避けるなど、散布作業を行う人の健康管理にも十分留意しましょう。




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