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今月の農業(2022年11月)

水稲

来年に備えて「土づくり」をすすめましょう

 気象条件に左右されにくい稲作をするためには、水田の土づくりが基本です。秋の天候の良い時期に堆肥や「とれ太郎」等の土づくり資材を散布し、深耕を行いましょう。

土づくりの効用

●堆肥を適度に入れて、「とれ太郎」等のりん酸、珪酸を補給すると、高温障害が発生しにくくなります。
●堆肥を長年入れ続け、深耕している田んぼでは、高温年でも収量が安定して高くなります。
●地力窒素が登熟後半まで安定して持続すると、収量が増えるだけでなく、特に背白・基部未熟粒が発生しにくくなります。
 ただし、堆肥は多く施用しすぎると、倒伏したり、乳白粒が増加する恐れがあるので、地力に応じて堆肥投入量と施肥量を加減しましょう。
●作付け直前に稲わらなど未熟な有機物を施用すると、生育初期に窒素不足になりますので注意しましょう。

土づくりに有効な資材の散布量の目安

とれ太郎 80㎏/10a
 倒伏に強い稲づくり、カドミウム吸収抑制
シリカサポート1号 80㎏/10a
 老朽化水田のリフレッシュに有効
ケイ酸加里プレミア34
 秋施用・春施用 40~60g/10a
 中間追肥 20㎏/10a
畑のカルシウム 20~40㎏/10a
 硫黄欠乏による「やみ田」対策に有効
新ふりかけ堆肥eco 60㎏/10a
 腐食酸による発根促進
牛糞堆肥
 年内施用 1000㎏/10a
 土壌の団粒化、微生物の活性化
醗酵鶏糞
 年内施用 300㎏/10a
醗酵ペレット鶏糞
 荒代前施用 200㎏/10a



水田の排水対策は地表排水が重要!!

 麦は、品種にかかわらず圃場の乾湿が発芽・苗立ちから途中の生育状況や収穫量、品質に大きく影響します。播種前から収穫時期まで乾田状態を持続できるよう排水対策を徹底しましょう。
 圃場表面の雨水や雪解け水などをできるだけ早く圃場外へ排出するよう排水溝の管理を徹底してください。特に、大量の水をすみやかに圃場外に排水するには地表面の排水が重要です。

効果的な地表排水の仕方

1.明渠
 地表排水は、圃場の排水量の7割以上を占めるとも言われる大変効率の良い排水対策です。畦畔に沿って、溝掘機等を使用して20~30㎝の深さで、確実に落水口につなぐよう施工します。圃場区画が大きい場合や粘土質土壌で排水条件が悪い圃場では、圃場内にも適宜排水溝を作ると、効果的に排水ができます。
●圃場の表面水を少しでも早く除去し、次の作業(畝立てや播種)を円滑にするため、額縁明渠は、水稲の収穫が終わったらすぐに行うことをおすすめします(乾きぐせをつけます)。

2.高畝を立てる
 非常に水はけの悪い圃場では、ロータリ成形機で畝を立て、畝間と額縁明渠を確実につないで、畝間の水を排除します。畝と排水口の落差が大きいほど効果的です(10~20mごとに畝間を連結させると理想的)。露地野菜等にも有効な手段です。

3.傾斜均平
 田面や耕盤の凹凸が多いときは排水路に向かって傾斜均平することで、地表の排水が良くなります。用水側の田面を排水側より1000分の1(100mで10㎝)程度の傾斜で高くすると圃場全体の排水が良くなります。

4.地下排水
●「サブソイラ」(心土破砕と弾丸暗渠):適応馬力(15~50 ps) 心土破砕は、耕盤などの緻密な層を線状に破壊して多くの亀裂を作り、排水性や通気性を良くします。弾丸暗渠は、弾丸をトラクタに付け、引っ張ることによって、土中に水が流れる孔を作ります。

●「モミサブロー」(籾殻簡易暗渠):適応馬力(30~60 ps) 既存の暗渠に直交して、深さ40㎝程度の溝を10~20m間隔で施工し、籾殻を十分踏み固めながら作土直下まで入れます。暗渠の疎水材籾殻層と、掘削した直交部分が、繋がるように設置し、効果が悪ければ、次回に、その中間に施工します。
●機械的に溝を切りながら籾殻を充填するモミサブローは、サブソイラや弾丸暗渠のように密に施工できます。



大豆

収穫時期の判断

 「ことゆたかA1号」の収穫の適期となってきました。今年の大豆は、7月の長雨、8月の高温により発芽が不揃いなところが見られるものの発芽揃いがよかった圃場では順調に生育したと思われます。
 良質な大豆を収穫するためには、適期を見極めてから収穫作業を行いましょう。
 収穫時の大豆の水分が20%以上では損傷粒、また茎の水分が50%以上では汚損粒が増えるので、大豆の茎・莢・大豆粒の水分を的確に把握し収穫作業を行ってください。

コンバイン収穫適期
 莢や子実の水分が18〜20%
 茎の水分が50%以下
  全体:葉が完全に落ちて茎と莢だけになっている。
  :莢が黄化してから約2週間経過し、茎を揺さぶるとカラカラと音を立てる。
  :粒が球形になり、硬くなって、爪を立てても爪跡が5㎜以下しかつかない。
  :完全に茶色く枯れ上がり、手でポキッと折れる。

収穫時刻の判断

 大豆の水分は、気象条件によって1日の中で変化します。前日や当日の気象条件などによって、収穫できる時間帯が異なります。
●前日が晴れで当日曇りの場合は、11時頃から3~4時間程度に行います。
●前日まで降雨が続いた場合は、当日晴れていても収穫が不可能な場合があります。
●前日晴れで当日晴天の場合は、午前10時から午後5時頃までが最良です。
*「青立ち大豆」や「雑草」などは早めに抜き取り、最適な状態で収穫できるよう早めに収穫の準備をはじめましょう。





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