Agri Navi

水稲・麦・大豆などをご案内します

今月の農業(2023年5月)

水稲

今年の稲作・・・・・施肥と水管理のポイント
 「みずかがみ」「コシヒカリ」特Aランクを目指して頑張りましょう

施肥

 令和5年産JAグリーン近江栽培ガイドライン・生産資材申込書をご参照ください。JAグリーン近江では、生産資材を統一した特別栽培米へのステップアップをめざしています。詳しくは各地の環境こだわり米部会のガイドラインなどをご参照ください。 なお、当JA管内の水田土壌は、湖辺地域の一部を除いて潜在地力が低い水田が多いようです。元肥一発施用では施用量が少ないと穂肥時期に養分不足となる場合があります。元肥は、基準通り施用し、元肥一発肥料の場合でも幼穂形成期から穂ばらみ期にかけて葉色が薄い場合は、穂肥の追加施用が必要な場合があります。

 

水管理

初期の水管理

低温・強風の日に田植えを行うと苗傷みが発生やすいので、なるべく、無風・温暖な日に田植えは行うようにしましょう。田植え後に低温・強風が予想される場合にはやや深水にし、晴天・高温の場合には浅水とします。なお、土壌の還元化が強まりガスの発生が強くなるような場合には夜間落水や早期中干しを行い、土壌中への酸素を供給し、根を健全にしましょう。

除草剤散布時の水管理

 除草剤を散布する前には、田面に5~6cm程度の水をたっぷり溜めてから入水口、排水口をきっちりと閉め、畦際からの水漏れをしっかり止めます。除草剤散布後1週間程度は水を動かさないようにすることがコツです。水が減らないように水口から少しずつチョロチョロ水を流し続けると除草剤の効果は著しく悪くなり、水口付近では除草剤がほとんど効かなくなりますのでご注意ください。 詳しくは、令和4年産JAグリーン近江栽培ガイドライン・生産資材申込書をご参照ください。

中干し

中干しは、①根を健全に保ち、有効茎歩合が向上する、②土壌還元による有害ガスを除く、③収穫直前まで稲の生育を健全に保つ、④米粒の肥大がよくなり、品質・収量が向上するなどの効果があります。 中干しは、1株茎数が15本程度になったら始めましょう。
*溝切を行うと中干しを効果的に行うことができます。溝切の間隔は3~5m程度、溝の深さは10cm以上が理想です。また出穂後は、この溝に通水することで収穫直前まで十分な水分補給ができるので、水はけのよい田でも溝きりを行いましょう。

適期収穫で品質向上に努めましょう・・・・湿害と赤かび病にご注意!!

赤かび病対策

麦栽培ガイドラインを参考に、赤かび病の防除は必ず適期(開花期)に適正散布を実施しましょう。
麦類は、1粒でも赤かび粒があると販売ができません。赤かび病は乾燥調製施設内でも感染が拡大する場合があります。
荷受時点でもチェックを行いますが、本田で発生しないよう適正防除は必ず実施しておいてください。

収穫

天候の都合上、刈り取りを急ぐあまり水分が高いままで刈り取りを行うと、外観品質のみならず加工適性も悪くなります。良品質麦生産を図るうえで、穀粒水分25%を目安に計画的に適期収穫をお願いします。

排水対策

麦類は、出穂後に湿害にあうと品質が著しく悪くなります。田植時期になると水田用水が送水されてきますので、麦作田に隣接する水路やバルブからの水漏れがないか、今一度確認してください。出穂後の湿害は麦品質に致命的なダメージを与えます。排水対策は今一度徹底してください。

大豆

大豆播種予定の圃場には、麦収穫後ただちに排水溝を周囲につけ、圃場全体に弾丸暗渠やプラウによる反転耕を行い、圃場表面をよく乾かしてください。 なお、近年、狭畦無培土密播栽培が増えてきましたが、この方式は、湿害を受けやすく、雑草防除もやりにくいので、通常は、畦立て条播にし、中耕培土をしっかり実施してください。短期間に大面積の播種を行なう場合や雑草が少なく、水はけのよい田では狭畦無培土密播栽培が省力で能率的です。 高品質大豆の多収を目指す場合には、通常の畦立て栽培による中耕培土をきっちり行ない、病害虫防除や雑草防除を適正に行うことが重要です。

良い大豆作りのポイント

種子更新

採種圃産の健全種子を使用しましょう。

種子消毒

播種前に種子1kg当りクルーザーMAX-X原液8mlを塗沫処理し、よく乾かしてください。(紫斑病、フタスジヒメハムシ対策)

排水対策と土づくり

麦跡では降雨後水がたまらないよう、麦の収穫が終わったら直ちに排水溝を整備してください。
大豆の播種時期は天候不順なことが多いので、耕起・砕土・は種・除草剤散布は同日に行うように、作業日程を調整し、圃場ごとに一連の作業を完結してください(大雨が予想されるときは作業を控えましょう)。
耕耘作業は、なるべく乾燥した時に表面の土は細く、下層は粗く耕耘してください(湿った土を何度も耕耘してはいけません)。
播種前に好天が続くようなら、麦収穫後に土づくり肥料や堆肥を散布し、プラウで反転耕耘を行うと土壌の透水性・保水性が向上し、湿害や干ばつを受けにくくなり、充実の良い大豆が収穫できます(サブソイラーなどによる心土破砕でもプラウ耕と同様の効果が期待できます)。
耕耘同時播種機を使用するときは、播種位置に土が盛り上がるように耕耘爪の配列を工夫すると出芽が揃いやすくなります 。

施肥

大豆は、りん酸・カリ・石灰の補給が重要です。窒素肥料を多量にやると根粒菌が機能しなくなるので、元肥窒素の施用は少量にしてください。
施肥基準・除草剤の使い方は令和5年産大豆の栽培暦・生産資材申込書をご確認ください。

豆知識

大豆の湿害は、土壌中の水分過剰による根の酸素不足が原因で発生します。 心土破砕や反転耕、弾丸暗渠によって、土壌の透水性を改良すると根の酸素不足状態が軽減されるので湿害も軽減できます。大豆はは種から開花時期までに湿害を受けないようにして、生育初期に根を深く張らせておくと、開花期以降の干ばつの害も受けにくくなります。

農薬の使用は正しく安全に!

5月~6月頃は水田で農薬を使用する機会が多くなります。以下の事項に留意の上、正しく安全に使用しましょう。

・農薬を使用するときは、ラベルに記載されている適用作物、使用時期、使用方法等を十分確認し、容器等に表示されている使用基準を守りましょう。
・農薬による危害や悪用を防止するため、農薬は鍵のかかる場所に保管しましょう。
・農薬の誤飲による中毒事故発生を防止するため、農薬やその希釈液、残渣等を飲食品の空容器等へ移し替えないでください。
・農薬を散布するときは、周辺住民や通行車両等に農薬が飛散しないよう注意しましょう。
・公共施設、住宅地などの周辺で、広範囲に農薬を散布するときは、飛散防止対策を徹底し、事前に農薬を散布する日時、使用農薬の種類等を記した書面や看板等により周辺住民や施設利用者等に周知しておきましょう。
・無登録農薬等は農耕地には使用できません。また、「非農耕地用」と表示された除草剤は、類似成分であっても農地には使用できません。
・農薬散布を行なうときは防除衣、手袋、目がね、マスク等、散布作業に適した服装で従事し、睡眠不足や体調のすぐれない時は散布作業に従事しないようにしましょう。また、「散布作業中の飲食や喫煙、農薬散布後の飲酒」を避けるなど、散布作業を行う人の健康管理にも十分留意しましょう。

 

 作業確認を徹底し、農作業事故を防止しましょう!

【春の農作業安全月間】令和5年4月1日~5月31日まで




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