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今月の農業(2023年6月)
水稲
田植後の管理・・・・除草・中干し・追肥・病害虫防除を欠かさずに!
中干し
中干しは、1株茎数が17〜18本程度になったら始めましょう。中干し程度は、圃場に浅い亀裂が生じる程度にし、粘質田ではやや強めに、砂質田では軽く行います。田面が白くなったり、大きな亀裂ができるほど長期間の落水を行うと、根が切断されるので注意しましょう。
*溝切りを行うと中干しを効果的に行うことができます。溝の間隔は3~5m程度、溝の深さは10㎝以上が理想です。
(環境保全型農業直接支払い交付金制度の技術要件で長期中干しを選択した場合は原則として10a当たり1本以上の溝切りが必要です)
また出穂後は、この溝に通水することで収穫直前まで十分な水分補給ができるので、水はけの良い田でも溝切りを行いましょう。
環境保全効果(地球温暖化防止効果)
水田は、温室効果ガスの主要な発生源です。(大気中の温室効果ガスが増えると、温室効果が強くなり、より地表付近の気温が上がり、地球温暖化につながります。)湛水状態の土壌では大量のメタンが発生し、そのほとんどが大気中に放出されます。メタンを発生させる菌は酸素を嫌います。長期中干しを行うことで、水田の土壌が乾燥し、土の中に酸素が行きわたることによって、メタンを発生させる菌の活動を抑えることができます。環境直接支払い交付金制度の取組では、通常よりも一週間程度延長し、14日間以上行うことを要件としています。米の収量への影響を抑えつつ水田からのメタン発生量を削減できます。
追肥
追肥は最高分げつ期から幼穂形成期頃の稲体の栄養条件を良くするための肥料です。
中干し期間の前後を見計らって上手に施用しましょう。環境こだわり米栽培では各地域の環境こだわり米部会の基準に従って施用してください。
*「みずかがみ」の6月追肥は不要です。(穂肥を遅れないように施用してください)
*けい酸加里プレミア34などを出穂40日前頃(「みずかがみ」では6月中下旬、「コシヒカリ」・「キヌヒカリ」では6月下旬~7月はじめ頃)に施用すると異常気象に強い稲になり、登熟向上、米の品質向上の効果が期待できます。
*「これいいね」や「すご稲」などの元肥一発型肥料や「ニューコートビッグパワー元肥」などの緩効性肥料を元肥に基準どおり施用した場合は6月上下旬の追肥は不要です。
品種 | 追肥 | ||
肥料名 | 施用量 | 施用時期 | |
コシヒカリ | 国産高度化成肥料444 | 10kg | 6月上旬 |
キヌヒカリ | 15kg | 6月上旬 | |
日本晴 | 20kg | 6月下旬 | |
ゆめおうみ | 15kg | 6月下旬 | |
秋の詩 | 15kg | 6月下旬 | |
滋賀羽二重糯 | 10kg | 6月下旬 |
病害虫防除
除草剤散布後に雑草が出た場合 除草剤散布後に残草が出た場合には、ノビエには「クリンチャー」、広葉雑草には「バサグラン」がおすすめです。詳しくは、令和5年産JAグリーン近江栽培ガイドライン・生産資材申込書15~17ページをご参照ください。
いもち病
いもち病は、外気温25~28℃くらいで湿度が高い日が続くと発生しやすくなります。現時点で本田での発生がなくても、曇雨天で高温多湿の日が続くと発生しやすいので、圃場を良く見て回り早期発見に努めましょう。
麦跡水稲や直播水稲、多肥田では6月中下旬頃から葉いもち病が発生しやすいので注意しましょう。毎年、いもち病が多発する圃場では発病前に粒剤を散布すると効果的です(ただし、環境こだわり栽培の場合には各部会の基準を確認してください)。
補植用の予備苗は、中干しまでに取り除きましょう。
ニカメイガ
第1世代幼虫の防除適期は、通常6月10日~15日頃(越冬世代の発ガ最盛日から10~15日後)です。ニカメイチュウに有効な薬剤を育苗箱または側条施肥田植機で施用した圃場では、第1世代幼虫の本田防除は通常は不要です。
第2世代幼虫防除の目安は、8月初旬頃(第1世代の発ガ最盛期から7日後)です。6月中旬の第1世代幼虫の被害株率が10%以上の圃場では、防除が必要です。
5月下旬~7月上旬にかけて、畦畔や道路、堤防などののり面のイネ科雑草を広域的に刈り取り、さらに出穂期2~3週間前と出穂期頃にかけて草刈りを行うと被害が少なくなります。なお、出穂期頃にカメムシが多数生息している場合には薬剤防除が必要です。
成熟期の目安は、全体の80%以上の穂首が黄色くなって、穀粒が硬くなってツヤが無くなり、穂首が曲がった時期です。収穫作業は、小麦では穀粒水分28%以下、ビール麦では穀粒水分25%以下で行いましょう。
収穫後の麦をそのまま放置すると数時間で変質がはじまるので、収穫後の麦は直ちに乾燥施設に搬入できるよう作業体制を整えてください。施設稼働計画の確認をお願い致します。
採種圃産の健全種子を使用しましょう。 播種前に種子1kg当りクルーザーMAX-X原液8mlを塗沫処理し、よく乾かしてください。(紫斑病、フタスジヒメハムシ対策) ◆田面に雨水がたまらないよう排水溝を整備するとともに、土づくり肥料や堆肥を散布後、プラウで反転耕耘を行うと土壌の透水性・保水性が向上し、湿害や干ばつを受けにくくなります。 ◆大豆は、りん酸・カリ・石灰の補給が重要です。 ・農薬を使用するときは、ラベルに記載されている適用作物、使用時期、使用方法等を十分確認し、容器等に表示されている使用基準を守りましょう。 作業確認を徹底し、農作業事故を防止しましょう! 【春の農作業安全月間】令和5年4月1日~5月31日まで 農作業中の熱中症にも注意しましょう!カメムシ類
麦
今年の麦類は、出穂期が早くなっています。生育の状況を良く見て適期収穫ができるよう作業準備を進めてください。
尚、「びわほなみ」は従来の「農林61号」より成熟期が3~4日程度早くなるので、刈り遅れないようにしてください。また、赤かび病にも十分注意してください。
天気予報を参考にしながら適期収穫を行い、適正な乾燥・調製に努めましょう。
収穫期の目安
乾燥
大豆
良い大豆作りのポイント
種子更新
種子消毒
排水対策と土づくり
◆耕耘作業は、田面が乾燥した時に表面の土は細く、下層は粗く耕耘してください。(湿った土を何度も耕耘してはいけません)
◆播種位置に土が盛り上がるように耕耘爪を配列し、耕耘同時播種を行うと出芽が揃いやすくなります。
◆耕耘・播種・除草剤散布は、同じ日に完結するように作業日程を調整し、圃場ごとに一連の作業を仕上げてください。(大雨が予想されるときは作業を控えましょう) 施肥
窒素肥料を多量にやると根粒菌が機能しなくなるので、元肥窒素の施用は少量にしてください。
区分
肥料名
成分
(N/P/K/Mg) 施用量
kg/10a
土づくり
牛ふん堆肥
ー
1000
新ふりかけ堆肥eco
100
土力じまん
100
グリーンパーフェクト
元肥一発
豆蔵
14-16-16
30
黒ひかり
12-6-6-3
40
元肥
大豆専用化成
5-15-20
40
追肥
(開花期) 大豆有機追肥S4号
14-3-10
20
硫安(必要に応じて施用)
21-0-0
15
*「黒ひかり」は石灰窒素入り肥料です。降雨前後の散布は避けてください。
薬剤名
散布量
散布時期
備考
薬量
水
ラウンドアップマックスロード
200~500mL
50~100L
耕起前、又は大豆出芽前まで
(雑草生育期) 麦跡雑草対策
使用回数:2回以内
クリアターン細粒剤F
4~5kg
播種直後
(雑草発生前)1年生雑草
全面土壌散布
広範囲の雑草に長期間有効
使用回数:1回以内
クリアターン乳剤
500~800mL
70~100L
*クリアターン細粒剤F・乳剤は、播種直後(雑草発生前)、土壌表面が白く乾燥するまでに土壌全体に散布してください。
*イヌホオズキ対策としては「ラクサー粒剤」を8kg/10a、もしくは「ラクサー乳剤」を800mL水100L/10aを播種後出芽前に散布してください。使用回数は1回です。
●大雨の前後には散布しないでください。
●他の作物に飛散しないよう注意してください。
●除草剤や病害虫防除の農薬を散布するときは容器の記載事項を良く読んで正しく安全に使用してください。
農薬の使用は正しく安全に!
5月~6月頃は水田で農薬を使用する機会が多くなります。以下の事項に留意の上、正しく安全に使用しましょう。
・農薬による危害や悪用を防止するため、農薬は鍵のかかる場所に保管しましょう。
・農薬の誤飲による中毒事故発生を防止するため、農薬やその希釈液、残渣等を飲食品の空容器等へ移し替えないでください。
・農薬を散布するときは、周辺住民や通行車両等に農薬が飛散しないよう注意しましょう。
・公共施設、住宅地などの周辺で、広範囲に農薬を散布するときは、飛散防止対策を徹底し、事前に農薬を散布する日時、使用農薬の種類等を記した書面や看板等により周辺住民や施設利用者等に周知しておきましょう。
・無登録農薬等は農耕地には使用できません。また、「非農耕地用」と表示された除草剤は、類似成分であっても農地には使用できません。
・農薬散布を行なうときは防除衣、手袋、目がね、マスク等、散布作業に適した服装で従事し、睡眠不足や体調のすぐれない時は散布作業に従事しないようにしましょう。また、「散布作業中の飲食や喫煙、農薬散布後の飲酒」を避けるなど、散布作業を行う人の健康管理にも十分留意しましょう。
こまめな水分補給・休憩や通気性の良い衣服の着用など、熱中症対策を行い、日中の暑さに備えてください!
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