Agri Navi

水稲・麦・大豆などをご案内します

今月の農業(2023年7月)

水稲

穂肥と水管理できまる米の味と品質・収量
7月は、穂肥・水管理・カメムシ防除など、米作りにとって重要な作業がたくさんあります。暑い時期になるので熱中症対策などの健康管理にも注意しながら、基本的な作業をきめ細かに行いましょう。

穂  肥

 穂肥は、「みずかがみ」「キヌヒカリ」「日本晴」「ゆめおうみ」など倒れにくい品種では出穂の25日前と18日前頃に施用します。
 「コシヒカリ」「秋の詩」「滋賀羽二重糯」など倒れやすい品種では、出穂の18日前と11日前頃に施用します。品種ごとの施肥量や施肥時期の目安は別表をご確認ください。
●穂肥の効用  穂につくもみ数を多くし、もみの充実をよくするための栄養を補給する肥料です。登熟をよくする栄養成分は、窒素、リン酸、カリのほか、マグネシウム(苦土)やカルシウム(石灰)、ケイ酸などの無機成分が必要です。「けい酸加里プレミア34」などを施用すると稲体の生育が健全になり、品質・収量・食味向上の効果が期待できます。
●穂肥と米の品質・食味の関係  穂肥は、施用量が多過ぎたり、施用時期が遅れると、玄米中のタンパク含量が増えて食味が悪くなります。また、穂肥の時期が早すぎると倒伏して米の品質が悪くなります。品種や田植時期、圃場の肥沃具合、葉色や幼穂などの生育状況に応じて、適期に適正な量を施用しましょう。玄米タンパク含量を少なくするために穂肥を大幅に少なくすると、地力が低い田ではデンプンの蓄積が進まなくなり、おいしいお米の生産ができません。また、収量が激減し、高温に遭った場合、白未熟粒の増加につながります。
 米の品質や食味は、穂肥量の多少より、出穂期からの水不足や極度な早刈り、刈り遅れなどが影響します。出穂期前後3週間は湛水状態または十分な水分補給を続けてください。(地表面が乾かないように注意して入水管理に努めましょう)

<別表>品種別穂肥時期と施用量
品種   穂肥     穂肥施用時の幼穂長 
 肥料名 出穂25日前  出穂18日前  出穂11日前 
 みずかがみ 滋賀こだわり穂肥ハーフコート306   25  ー ー  1mm 
 コシヒカリ  化成肥料201     10 10   8~10mm 
 コートビッグパワー穂肥    20  
 キヌヒカリ   化成肥料201  15~20  10    1mm
 コードビッグパワー穂肥  25    
 日本晴 
化成肥料201
 20  10    1mm
コードビッグパワー穂肥
 25    
 ゆめおうみ 
化成肥料201
 20  10    1mm
コードビッグパワー穂肥
 25    
 秋の詩 
化成肥料201
   10  10  8~10mm
コードビッグパワー穂肥
   20  
 滋賀羽二重糯 
化成肥料201
   10  10  8~10mm
コードビッグパワー穂肥
   20  

中干し後の水管理

●出穂後3週間まで湛水状態を保ちます
 田面の温度上昇を防ぐとともに、カドミウムの吸収を抑えるためにも有効です。各地域の水利施設の送水計画にしたがって入水しましょう。
●湛水期間終了後は間断かんがい
 収穫直前まで土壌水分を十分に保つことが良質米づくりの基本です。出穂後の早い時期に田面を乾燥させると稲が「枯れ熟れ」状態となり、胴割米や心白・腹白・未熟粒の発生など、米の品質不良・減収の原因となります。また玄米タンパク含量にも影響します。土が白く乾くようなときは管理溝に水を流して、水分を十分補給してください。

病害虫防除のポイント

 病害虫や雑草が発生しにくい生産条件をつくることが基本です。農薬散布による防除は、各地の病害虫防除協議会の情報を参考に、発生状況に応じて省農薬で効果的な防除に努めましょう。
 異品種混入防止対策として出穂直前・直後に圃場を見て回り、出穂時期や草丈の異なる品種を見つけたら、早めに抜き取ってください。穂がかがみ始めると見分けにくくなります。



大豆

大豆の播種晩限は 7月下旬までです。
麦跡には大豆を播きましょう。

排水対策

 大豆播種予定地には麦と同じくらい、圃場表面の排水対策を徹底してください。
 集中的な大雨で播種後の圃場が一面に冠水することがあるので、よく乾く圃場でも排水溝は必須です。雨水が1日以上圃場表面に溜まらないようにしてください。
 耕起作業は、圃場がよく乾いたときを見計らって行いましょう。土の通気性や透水性をよくするにはプラウ耕が大変有効です。麦収穫後直ちにプラウで反転し、土の表面がよく乾いてから播種すると湿害にも干ばつに強い大豆ができます。湿った土を何度も耕耘すると通気性や透水性が悪くなり根の発育が非常に悪くなるので、大豆の一生通じて悪影響がでます。(必ず土の表面がよく乾いたときに播種してください)

播種方法

●ことゆたかA1号・タマホマレ・オオツル:6月中旬~7月上旬
●フクユタカ:7月上旬~中旬
*狭畦密播栽培は省力的ですが、麦跡栽培など、排水条件のよいところで、短期間に大面積に播種するときのみ実施してください。(大雨のときに1日以内に排水できない場所や雑草対策が完全にできない場所での狭畦密播栽培は不適です)
*粒そろいのよい大粒大豆の安定多収を求めるときは、従来の畦立て栽培が有利です。

中耕・培土

 第1回目は大豆が発芽したら雑草が生えるまでに畦間の土を耕し、大豆の株元に少し土を寄せます。
 第2回目は、本葉2葉期頃に初生葉(大豆種子の出芽時の双葉の次に出る葉)に土がかかるくらいまで畦間の土を寄せます。
 中耕は、雑草の発生を抑制し、根の発育をよくし根粒を活性化させる効果があるので必ず適期に行いましょう。なお、2回目の中耕が遅れると花芽が傷み減収します。




農薬の使用は正しく安全に!

5月~6月頃は水田で農薬を使用する機会が多くなります。以下の事項に留意の上、正しく安全に使用しましょう。

・農薬を使用するときは、ラベルに記載されている適用作物、使用時期、使用方法等を十分確認し、容器等に表示されている使用基準を守りましょう。
・農薬による危害や悪用を防止するため、農薬は鍵のかかる場所に保管しましょう。
・農薬の誤飲による中毒事故発生を防止するため、農薬やその希釈液、残渣等を飲食品の空容器等へ移し替えないでください。
・農薬を散布するときは、周辺住民や通行車両等に農薬が飛散しないよう注意しましょう。
・公共施設、住宅地などの周辺で、広範囲に農薬を散布するときは、飛散防止対策を徹底し、事前に農薬を散布する日時、使用農薬の種類等を記した書面や看板等により周辺住民や施設利用者等に周知しておきましょう。
・無登録農薬等は農耕地には使用できません。また、「非農耕地用」と表示された除草剤は、類似成分であっても農地には使用できません。
・農薬散布を行なうときは防除衣、手袋、目がね、マスク等、散布作業に適した服装で従事し、睡眠不足や体調のすぐれない時は散布作業に従事しないようにしましょう。また、「散布作業中の飲食や喫煙、農薬散布後の飲酒」を避けるなど、散布作業を行う人の健康管理にも十分留意しましょう。

 作業確認を徹底し、農作業事故を防止しましょう!

【春の農作業安全月間】令和5年4月1日~5月31日まで

  農作業中の熱中症にも注意しましょう!
  こまめな水分補給・休憩や通気性の良い衣服の着用など、熱中症対策を行い、日中の暑さに備えてください!



大型特車の行動走行について


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