Agri Navi

水稲・麦・大豆などをご案内します

今月の農業(2023年9月)

水稲

「みずかがみ」「コシヒカリ」特A評価をめざす
品質・食味向上のきめては水管理と適期収穫!!


収穫直前まで 十分な水分補給を

コンバインで収穫作業をするために、収穫前に落水して田面を硬くしますが、落水が早すぎると登熟不良となり、収量・品質が悪くなるのでご注意ください。
●収穫前の落水時期を遅くするには、中干しを十分行って土を硬くすることがコツです。
●乾きの良くない圃場では、収穫前の落水をスムーズにするため、中干し時に溝切りしておくと効果的です。収穫前に田面が白乾する場合には、この溝に水を流して水分を補給してください。
●砂質地帯の水田では、水分を早く切ると籾が完熟するまでに稲が枯れ上がってしまい、米粒の肥大が悪くなり、白未熟粒や胴割粒が多くなります。収穫直前まで水不足のないよう十分注意しましょう(田面に手をあてると手のひらに軽く水気を感じるような状態が望ましい)。

85~90%の籾が 黄化したら収穫適期

 稲は、出穂・開花後に籾粒が大きくなり、米粒(胚乳)の肥大が終わると乾燥して硬くなり、爪で押しても壊れないようになります。通常は、出穂後の日平均気温の積算950~1000度で成熟します(日平均気温27度では出穂後35~37日)。収穫適期の目安は、黄熟籾85~90%の時期です。
●収穫時期が早すぎると、米粒の光沢は良くなりますが、粒張り不良や青未熟粒が増加します。
●収穫が遅れると、胴割粒、穂発芽、茶米などが増加します。
●登熟期の気温が高いと胴割粒が増加しやすくなります(水不足と刈り遅れにご注意)。  
 いずれの場合も食味や品質が落ち、商品価値が著しく下がるので、適期刈収穫を励行しましょう。

コンバインの準備

●収穫作業の前には、異種穀粒や異品種の混入防止のため、掃除口を開けて内部の穀粒を完全に取り除きましょう。  
 麦収穫に使用したコンバインは特にていねいに掃除してください。
●コンバインを倉庫から出したら、必要箇所に注油・注脂を行い、エンジンオイルや冷却水も点検しておきましょう。ベルト類や軸受け等、回転部も使用前の点検が重要です。刈り取り部の刈刃、排わらカッタ、脱穀部の切り刃などの切れ味も確認しておきましょう。

乾燥・調製

 暑い時期に、収穫直後の生籾をそのまま放置すると変質します。収穫後4時間以内に乾燥施設に搬入するか、乾燥機に投入して通風してください。  
 収穫作業は、乾燥施設の荷受計画や乾燥機の能力に合わせておこない、生籾のままで4時間以上放置することのないようにしてください。  
 自家乾燥を行う場合には、最初の数時間は常温通風し、籾の水分ムラを少なくしてから加温乾燥をはじめてください。
 仕上げ籾の水分は14・5~15%です(籾水分15%で乾燥を終了すると放冷後に0.5%程度水分が減少し、仕上げ籾水分は14・5%になります)。糯品種や酒米品種は、籾水分17%程度で10時間以上乾燥を休止し、籾水分を均質化してから15%に仕上げてください。  
 籾摺りは乾燥終了後、必ず1昼夜以上放冷してからおこないます。  
 米選機の網目は1.9㎜(「みずかがみ」は1・85㎜)を使用し、整粒歩合80%以上に仕上げましょう。
●倒伏した圃場や病害虫が多発した圃場の籾は必ず別扱いとし、健全籾と混入しないようにしましょう(自家乾燥の場合もJA施設利用の場合も同様です)。 

異品種・異種穀粒・ 異物混入にご注意!!

 取り扱う品種が変わるごとにコンバインやフレコン、乾燥機などを完全に清掃し、異品種や前作の麦類、雑草や土砂などが混入しないよう注意しましょう。クサネムなど雑草種子の混入を防ぐためには、収穫前に圃場の雑草を抜き取ってください。またコンバインなどの機械からネジなど小さな部品が脱落しないよう、シーズン前や作業の前後には機械の点検整備を完全にするとともに、乾燥調製の作業スペースの清掃整理も大事です。
 なお、昨年の「こぼれ籾」や「ひこばえ」による裸地生えが目立つところがあります。昨年と異なる品種を作付けた圃場で、裸地生えの十分な抜き取りができてないところは別扱いとしてください。  
 来年度の栽培品種が変わる予定の圃場では、「こぼれ籾」による裸地生え防止のため、秋起しが有効です。土づくりや雑草防除をかねて、土づくり資材を散布したらなるべく早めにプラウ耕などで深耕し、地表面のこぼれ種や雑草種子を地中に埋め込むようにしてください。

 

麦作予定地の準備

  田面が柔らかい状態で収穫作業を行うとコンバインの轍ができ、麦の播種に支障をきたすことがあります。今秋に麦の播種予定の圃場では、田面を硬くしてから収穫作業を行いましょう。また、稲収穫後は、圃場周囲に排水溝をつけ、雨が上がれば田面がすぐに乾く状態にしておきましょう。  また、堆肥や「土力じまん」などの土づくり資材を散布してからプラウによる反転耕を行い、田面が白くなるくらいに十分乾燥させてください。
 

土づくりを徹底し次年度にそなえよう

 「とれ太郎」を10アール当たり3~4袋施用し、ケイ酸やリン酸、鉄分などの養分を補給するとともに完熟堆肥などの優良な有機物を施用し、土壌中の微生物の活動を助け養分を保持する能力を高めるようにしましょう。  
 稲わらを気温が高い時期にすき込めば土づくり効果が期待できます。あわせて深さ15㎝を目標に耕耘し、根の伸びる範囲を広くし、根の働きを高めるようにします。
●作物残渣や雑草を早めに鋤きこんでおくと田植後の土壌還元や藻の発生防止にも効果があります。
●縞葉枯病やニカメイガなどの病害虫の越冬防止のためにも、稲の刈り株は早めに鋤きこみましょう。








大豆

 大豆はこれからが莢が肥大する重要な時期です。  
 子実を食害する害虫防除と雑草防除を徹底しましょう。  
 害虫防除は、薬剤が莢に十分かかるようにしましょう。ハスモンヨトウが多発すると甚大な被害を受けることがあります。定期的に圃場を巡回し、ハスモンヨウの幼虫の食害による食害痕(スカシ葉)や幼虫の発生をみつけたらただちに「ロムダン」などで防除しましょう。  
 雑草が多いと、日照、風通しの障害となり、害虫の巣となります。また、コンバインで収穫するときに子実が汚れて品質を損ねる原因になります。早めから抜き取り、さらに雑草が多いときは除草剤を上手に使って雑草防除を徹底してください。

 

大豆の病害虫防除基準

  使用する薬剤は「令和5年産白大豆・黒大豆・大納言小豆 栽培申込書・栽培暦・資材申込書」をご覧ください。
*農薬の散布にあたっては農薬ラベルの記載事項をよく読み正しく安全に使用しましょう(特に適用作物名と散布濃度、収穫前日数に注意)。
*農薬散布作業を行うときには、防除マスクやめがね、防除着を着用し、熱中症対策に配慮するなど、作業者の安全対策にも十分ご留意ください。


農薬の使用は正しく安全に!

5月~6月頃は水田で農薬を使用する機会が多くなります。以下の事項に留意の上、正しく安全に使用しましょう。

・農薬を使用するときは、ラベルに記載されている適用作物、使用時期、使用方法等を十分確認し、容器等に表示されている使用基準を守りましょう。
・農薬による危害や悪用を防止するため、農薬は鍵のかかる場所に保管しましょう。
・農薬の誤飲による中毒事故発生を防止するため、農薬やその希釈液、残渣等を飲食品の空容器等へ移し替えないでください。
・農薬を散布するときは、周辺住民や通行車両等に農薬が飛散しないよう注意しましょう。
・公共施設、住宅地などの周辺で、広範囲に農薬を散布するときは、飛散防止対策を徹底し、事前に農薬を散布する日時、使用農薬の種類等を記した書面や看板等により周辺住民や施設利用者等に周知しておきましょう。
・無登録農薬等は農耕地には使用できません。また、「非農耕地用」と表示された除草剤は、類似成分であっても農地には使用できません。
・農薬散布を行なうときは防除衣、手袋、目がね、マスク等、散布作業に適した服装で従事し、睡眠不足や体調のすぐれない時は散布作業に従事しないようにしましょう。また、「散布作業中の飲食や喫煙、農薬散布後の飲酒」を避けるなど、散布作業を行う人の健康管理にも十分留意しましょう。

 作業確認を徹底し、農作業事故を防止しましょう!

  農作業中の熱中症にも注意しましょう!
  こまめな水分補給・休憩や通気性の良い衣服の着用など、熱中症対策を行い、日中の暑さに備えてください!



大型特車の行動走行について


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