Agri Navi

水稲・麦・大豆などをご案内します

今月の農業(2023年10月)

水稲

来年の稲作に向けての準備
水稲の時期にあわせて『土づくり』をしましょう!!


水田には堆肥を入れよう

 堆肥を施用すると、作物の生育に必要な養分を補給するとともに、土壌の物理性や化学性を改善し、作物が生育しやすい土壌環境を整えます。稲の収穫作業が終わったらなるべく早く稲わらや麦わらなどの作物残渣とともに牛糞などの家畜糞尿をよく醗酵させたもの散布してください。
 散布する量は、一般的には10a当り1~2tくらいが適量です。
 多すぎると水稲が生育過剰になったり、還元障害が起きたりするので注意してください。
 なお、土づくりには、堆肥などの有機物と合わせて「とれ太郎」などの作物の必須養分を補給することが重要です。完熟堆肥が散布できないときには「新ふりかけ堆肥eco」を10a当り60~100㎏程度と「とれ太郎」(10a当り80㎏)などを散布してください。また、ごま葉枯れ病が発生するほ場や秋落ちするほ場には鉄分の多く含んだ「シリカサポート1号」(10a当り80㎏)などを散布してください。土づくりを徹底すると、異常高温や冷害などの気象変動に対する作物の抵抗力も強くなります。

85~90%の籾が 黄化したら収穫適期

 稲は、出穂・開花後に籾粒が大きくなり、米粒(胚乳)の肥大が終わると乾燥して硬くなり、爪で押しても壊れないようになります。通常は、出穂後の日平均気温の積算950~1000度で成熟します(日平均気温27度では出穂後35~37日)。収穫適期の目安は、黄熟籾85~90%の時期です。
●収穫時期が早すぎると、米粒の光沢は良くなりますが、粒張り不良や青未熟粒が増加します。
●収穫が遅れると、胴割粒、穂発芽、茶米などが増加します。
●登熟期の気温が高いと胴割粒が増加しやすくなります(水不足と刈り遅れにご注意)。  
 いずれの場合も食味や品質が落ち、商品価値が著しく下がるので、適期刈収穫を励行しましょう。


ヘアリーベッチ栽培(緑肥栽培)

 県内の水稲栽培において、環境こだわり農業やオーガニック農業をさらに推進していくためには、マメ科植物であるヘアリーベッチやレンゲといった緑肥の活用が効果的であります。また、緑肥を活用することにより、肥料費節減効果が期待できます。ヘアリーベッチは、春先の生育が速いため、すき込み適期までに生草重を確保でき、根粒菌が固定した窒素も利用できるので、緑肥として活用しやすいです。また、レンゲよりも窒素含量が高く炭素率が低いため、すき込むと土壌中で比較的速やかに窒素無機化が進むことから、肥料的効果が期待でき、水稲栽培の基肥として活用できます。
  播種量  3~5㎏/10a(均一に播種) 播種適期  湖辺・平坦 10月20日~30日  中山間   10月15日~25日


プラウ耕のすすめ

 プラウで反転耕耘を行うと、表面の土、雑草、わらなどを土中に埋め込み、下層の土を表面に引き出す反転効果と、硬くなった耕盤を砕いて作物の根を伸長しやすくする効果があります。また、土層は適度な粗さになり、空気を含みやすく、排水もよくなります。
 一般にいうプラウは、トラクタで牽引しながら、金属や樹脂を貼り付けた曲面で土壌を切断し、反転していきます。水田で40~60馬力級で牽引する場合、16インチ2連のプラウで耕幅は80㎝、耕深は約20~30㎝程度となります。水田で使用する場合には、リバーシブルプラウを使用すると土の移動が少なくて能率的です。
 駆動ディスクプラウは、PTO動力で円盤型のディスクを回転させて土を反転させる方式です。4~6枚の円板を回転させ、土壌を内側に反転します。刈り株の埋め戻しや水田の荒起こし作業を能率よくできます。トラクタの大きさは、ディスク4枚で25馬力程度、ディスク6枚で30~40馬力程度の小型で可能です。ディスクプラウは、円板が回転するのでロータリ耕耘と同じ感覚で簡単に作業ができます。また、土中に石や根株等の障害物があっても乗り越えることができ、機械を損傷することなく作業は能率的です。


 

水田の均平作業

 近年、転作跡や圃場の大区画化によって、田面の「凸凹」が目立つようになって来ました。水田の「凸凹」は、「凸」の部分は雑草が生えたり除草剤が効かない、「凹」の部分では苗が冠水したり、生育が遅れたり、圃場全体の排水がうまくできない、等の不都合が起こります。圃場が小さい場合や「凸凹」の差が少ない場合には、水稲作付け時に、耕起や代かきのときに手直しができますが、圃場が大きい場合や「凸凹」の差が多い場合には、レーザーレベラーのような機械で均平作業を行います。

 

レーザーレベラーによる均平

  レーザーレベラーは、レーザー発信機によって田面の高さの基準となるレーザー光線を水平に発光し、トラクタの作業機が田面の高さと基準の高さとの差を検知して土を削ったり盛ったりして田面を均平化にする機械です。
 均平作業を行うときは、田面の雑草や作物残渣などをプラウで耕起し、田面をきれいにしてから田面がよく乾いたら写真のようにレーザーレベラーで均平作業を行います。レーザーレベラーの機械は写真のようにトラクタ本体に直接装着する方式と牽引する方式があります。圃場の区画が30アール以下の場合など区画が狭い場合にはトラクタ本体に直接装着する方式が小回りしやすいようです。
 均平作業ができたら、圃場の周囲に溝を付けて田面がよく乾くようにしておきましょう。






耕起前の雑草対策と排水対策の徹底を…

耕起前に雑草の根まで枯らすことが大切です!!

 耕起だけでは、雑草を十分に枯らすことができないため、耕起前に雑草を確認してから非選択性のラウンドアップマックスロードなどの茎葉処理剤で根まで枯らし、雑草の発生を抑えましょう。播種後は、土壌処理剤で新たな雑草の発生を抑えます。

水田の排水対策は地表排水が重要!!

 麦は、品種にかかわらず圃場の乾湿が発芽・苗立ちから途中の生育状況や収穫量、品質に大きく影響します。播種前から収穫時期まで乾田状態を持続できるよう排水対策を徹底しましょう。
 圃場表面の雨水や雪解け水などをできるだけ早く圃場外へ排出するよう排水溝の管理を徹底してください。特に、大量の水をすみやかに圃場外に排水するには地表面の排水が重要です。

効果的な地表排水の仕方

明渠  
 地表排水は、圃場の排水量の7割以上を占めるとも言われる大変効率のよい排水対策です。畦畔に沿って、溝掘機等を使用して20~30㎝の深さで、確実に落水口につなぐよう施工します。圃場区画が大きい場合や粘土質土壌で排水条件が悪い圃場では、圃場内にも適宜排水溝を作ると、効果的に排水ができます。
●圃場の表面水を少しでも早く除去し、次の作業(畝立てや播種)を円滑にするため、額縁明渠は、水稲の収穫が終わったらすぐにおこなうことをおすすめします(乾きぐせをつけます)。


地下排水
●「サブソイラ」(心土破砕と弾丸暗渠):適応馬力(15~50 Ps) 心土破砕は、耕盤などの緻密な層を線状に破壊して多くの亀裂を作り、排水性や通気性を良くします。弾丸暗渠は、弾丸をトラクタに付け、引っ張ることによって、土中に水が流れる孔を作ります。


●「モミサブロー」(籾殻簡易暗渠):適応馬力(30~60 Ps) 既存の暗渠に直交して、深さ40㎝程度の溝を10~20m間隔で施工し、籾殻を十分踏み固めながら作土直下まで入れます。暗渠の疎水材籾殻層と、掘削した直交部分が、繋がるように設置し、効果が悪ければ、次回に、その中間に施工します。


●機械的に溝を切りながら籾殻を充填するモミサブローは、サブソイラや弾丸暗渠のように密に施工できます。






大豆

 きれいなほ場で収穫を迎えましょう!!
 

 

雑草による汚損粒の発生・異物混入の防止

  今一度、収穫前に雑草が生えていないかご確認頂き、生えていたら抜き取りし、きれいなほ場で収穫作業を行います。


 

大豆コンバインの準備

・大豆コンバインの点検を必ず行い、スムーズな収穫作業ができるようにします。
・収穫作業前に大豆仕様部品の装着と清掃を行い、機械を大豆用に調整します。
・機械内に汚れがあると汚損粒の原因になるので、掃除口等を開けて掃除します。


農薬の使用は正しく安全に!

5月~6月頃は水田で農薬を使用する機会が多くなります。以下の事項に留意の上、正しく安全に使用しましょう。

・農薬を使用するときは、ラベルに記載されている適用作物、使用時期、使用方法等を十分確認し、容器等に表示されている使用基準を守りましょう。
・農薬による危害や悪用を防止するため、農薬は鍵のかかる場所に保管しましょう。
・農薬の誤飲による中毒事故発生を防止するため、農薬やその希釈液、残渣等を飲食品の空容器等へ移し替えないでください。
・農薬を散布するときは、周辺住民や通行車両等に農薬が飛散しないよう注意しましょう。
・公共施設、住宅地などの周辺で、広範囲に農薬を散布するときは、飛散防止対策を徹底し、事前に農薬を散布する日時、使用農薬の種類等を記した書面や看板等により周辺住民や施設利用者等に周知しておきましょう。
・無登録農薬等は農耕地には使用できません。また、「非農耕地用」と表示された除草剤は、類似成分であっても農地には使用できません。
・農薬散布を行なうときは防除衣、手袋、目がね、マスク等、散布作業に適した服装で従事し、睡眠不足や体調のすぐれない時は散布作業に従事しないようにしましょう。また、「散布作業中の飲食や喫煙、農薬散布後の飲酒」を避けるなど、散布作業を行う人の健康管理にも十分留意しましょう。

 作業確認を徹底し、農作業事故を防止しましょう!

  農作業中の熱中症にも注意しましょう!
  こまめな水分補給・休憩や通気性の良い衣服の着用など、熱中症対策を行い、日中の暑さに備えてください!



大型特車の行動走行について


   


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