トップページ > みんなの人権

みんなの人権

ブラック校則

 昨年末、あるTV番組で今年世間を騒がせたニュースの一つとして“ブラック校則”が取り上げられました。ブラック校則とは、「下着は白でなければいけない」「男子生徒は丸坊主」「髪の毛の色は黒以外は認めない」など、非合理的で理不尽な縛りを設ける校則のことです。
 ブラック校則と反対に校則のない学校ってあるのかと調べてみると、東京都世田谷区立桜丘中学校で、校則を全廃したとの記事を見つけました。それを推し進めたのは、西郷孝彦校長(64歳)です。その西郷氏が校長に赴任して、すぐに校則を廃止したかというと、そうではなく、納得のいかない校則の一つひとつを検証して、足かけ9年を費やして、現在の自由にして多様性を認める学校を作り上げたということです。

 いくつかある特色のひとつが「制服でも私服でもいい」というのがあります。私服でもいいという裏には、LGBT(性的少数者)の生徒への配慮もあるということです。都内の一部の区の中学校で『男女を問わずスカートとズボンから制服を選択できるようになった』というニュースに対して、西郷校長はそのような対応は間違いだと言います。「スカートかズボンのどちらかを選んだ時点で、カミングアウトしたも同然で、もしかしたら、いじめや差別の対象になるかもしれない。だから桜丘中学校では、制服はスカートとズボンのどちらでも構わないし、制服を着ないという選択肢だってある」ということになったと話されています。該当者の中には、LBGTであることをクラスメイトに知られたくないという生徒もいる訳で、そういった生徒への配慮も欠かさないという視点を持ち合わせています。

 また、「タブレットとスマホの解禁」というのもあります。学校への持ち込み自由ということです。文字を書くのが苦手なある生徒は、タブレットを利用してノートを取ながら授業を受けているということで、そのことによって「学校に来るのが楽しくなりました」と話しています。タブレットなどはどの生徒にも解禁されているわけですが、読み書きに不自由していない生徒は持ってこなくなったといいます。

 2つの事例では、困難を抱える生徒に例外的にとか特別に対応しているわけでなく、校則を無くして、どの生徒にも選択の自由が認められているわけです。そのことによって、だれでもが自分の居場所を学校で見つけることができた、ということだと思います。

 「管理教育」対「個性を伸ばす教育」といった視点から見るだけでなく、基本的人権の一つである「教育を受ける権利」が保障されているか否かの視点から、校則を読み直してみるということも、大事なことのように思います。

 家庭でも職場でも、ルールを作ったり確認したりする際に、“世間の常識”“一般的見方”として前例踏襲するのではなく、基本的人権が守られているかという観点から、読み返す必要があるのではないでしょうか。

※ 参考文献:『女性セブン』2019年3月14日号より

JA滋賀中央会発行『みのり』より

このページの先頭へ