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みんなの人権

弟の夫


 弟は男なのにその相手が夫、標記が間違っているのではと思われた方がおられると思うのですが、これは、男性同士の結婚がテーマとなっている漫画とその漫画を実写化したNHKドラマのタイトルをそのまま、標題として持ってきました。

 小学生の娘・夏菜(カナ)ちゃんと2人暮らしをしているシングルファーザーの主人公・弥一の下に、弥一の双子の弟・涼二(故人)の結婚相手であるカナダ人男性・マイクが訪れるところから話が始まります。

 夏菜ちゃんが、大好きなおじさんであるマイクを友だちに紹介する場面がありますが、友だちの結姫(ユキ)ちゃんは興味津々でいます。しかし、結姫ちゃんのお母さんは、「悪影響」があるので・・・、といって夏菜ちゃんの家に行くことに反対します。

 また、夏菜ちゃんの担任の先生から父親の弥一に、学校に出向くように呼び出しがありました。そのわけは、「夏菜ちゃんが学校で、よく家にいる外国の方(マイク)の話をし、カナダでは男同士や女同士でも結婚できるとかの話もしていて、そういったあまり他の子と違う話をして浮いてしまったり、もしそれでいじめられでもしたら心配ですし・・・」、というわけです。この場面では、同性愛に対する予断と偏見を植え付けるのは、大人ではないかと思ってしまいます。結婚とか同性愛について話すのは、まだ小学生には早い、とかいってその問題について語らない、触れさせない、タブー視する。そのことが、正しい知識を身に付けるまでに、否定的な意味合いを感じ取ってしまうことに繋がるように思います。

 先生の“いじめに会うかも”と言う言葉に対して、弥一は、こう応えます。「あの子が友だちに大好きな叔父の話をするのを止める理由は私には何もありません!」「それでもし、あの子がいじめられるようなことがあったら、出来れば先生には、いじめられる子にではなく、いじめる子に注意をしていただければと思います」。このシーンでは、よく言った、そのとおり、と思わず叫んでしまいました。

 同性婚について、原作者である田亀 源五郎(たがめ げんごろう)さん自身もゲイですが、それでも同性婚を特殊なものとして捉えていたそうです。ところが、「マリッジ・イクオリティ(結婚の平等)」という言葉に出会い、今までの物事の見方が180度変わったと、話しています。この言葉を知って、同性婚の問題は、結婚観や主義の話ではなく、“人権”に関わることだと気づいたということです。つまり、社会に普通の婚姻があり、それとは違った同性婚という新しい枠組みをつくるのではなく、皆に平等な「結婚する権利」を、同性愛者に認めるかどうかという話をします。ゲイやレズビアンの権利というのは、当事者のための特殊なものではなく、こうした人権をいかに分かち合えるか、ということだと改めて教えられました。

 差別問題について、改めて“人権”という視点から見つめて直してみてはいかがでしょうか。

JA滋賀中央会発行『みのり』より

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