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今月の農業(2021年11月)

大豆

収穫時期の判断

 良質な大豆を収穫するためには、適期を見極めてから収穫作業を行いましょう。
 大豆の水分は、気象条件によって1日の中で変化します。前日や当日の気象条件などによって、収穫できる時間帯が異なります。

収獲時の大豆の水分が20%以上では損傷粒、また茎の水分が50%以上では汚損粒が増えるので、大豆の茎・莢・大豆粒の水分を的確に把握し収穫作業を行ってください。
〈コンバイン収獲適期〉
莢や子実の水分が20%以下 茎の水分が50%以下
全体 葉が完全に落ちて茎と莢だけになっている。
莢が黄化してから約2週間経過し、茎を揺さぶるとカラカラと音を立てる。
粒が球形になり、硬くなって、爪を立てても爪痕が5㎜以下しかつかない。
完全に茶色く枯れあがり、手でポキッと折れる。

大豆収穫作業の注意点

*「青立ち大豆」や「雑草」などは早めに抜き取り、最適な状態で収穫できるよう早めに収穫の準備をはじめましょう。

●収穫作業のときに土砂やごみが混入すると汚損粒が発生するので、収穫作業の前には雑草や青葉が残っている大豆の作物体を完全に取り除いてください。大豆は、豆腐や納豆などの食品原料として使用されるため、汚損粒が混入すると雑菌の繁殖などの恐れがあり、実需者からもっとも嫌われるので、特に注意してください。
●汚損粒の発生を防ぐためには、大豆の作物体がよく乾いた状態で刈り取るようにしてください。コンバインによる収穫作業は、朝露が乾いてから始めるようにしましょう。
●コンバインの刈り取り部に土砂を巻き上げたときや、泥つきの株が引き抜けたときは、直ちに機械を停止し、刈り取り部に入った土砂などを清掃してください(機械に手を入れるときは必ず、エンジンを停止するなど、作業安全に十分留意してください)

水田の排水対策は  地表排水が重要!!

 米の需給事情から、水田での麦・大豆や露地野菜などの栽培が増加しつつありますが、これらの高品質安定生産のためには、圃場の排水対策が重要です。
 麦作では、麦の種類・品種にかかわらず、圃場の乾湿は発芽・苗立ちから途中の生育状況や収穫量、品質に大きく影響します。播種前から収穫時期まで乾田状態を持続できるよう排水対策を徹底していきましょう。冬期間にはたえず圃場表面の雨水などをできるだけ早く圃場外へ排出するよう排水溝の管理を徹底してください。圃場内の排水溝を確認し水が溜まるような場合には畔を断ち割るなどして麦用の排水口を設置するなど工夫しましょう。
 特に、最近は集中豪雨(ゲリラ豪雨)が多発することがありますが、大量の水をすみやかに圃場外に排水するには地表からの排水が重要です。

効果的な地表排水の仕方

1.明渠
 地表排水は、圃場の排水量の7割以上を占めるとも言われる大変効率の良い排水対策です。畦畔に沿って、溝掘機等を使用して20~30㎝の深さで、確実に落水口につなぐよう施工します。圃場区画が大きい場合や排水条件が悪い粘土質土壌の圃場では、圃場内にも適宜排水溝を作ると、効果的に排水ができます。

●圃場の表面水を少しでも早く除去し、次の作業(畝立てや播種)を円滑にするため、額縁明渠は、前作が終わったらすぐに行うことをおすすめします(乾きぐせをつけます)。

2.高畝を立てる
 水はけの悪い圃場では、ロータリ成形機で畝を立て、畝間と額縁明渠を確実につないで、畝間の湛水を迅速に排除します。畝と排水口の落差が大きいほど効果的です(10~20mごとに畝間を連結させると理想的)。露地野菜等に有効な手段です。

3.傾斜均平
 田面や耕盤の凹凸が多いときは排水路に向かって傾斜均平することで、地表の排水が良くなります。用水側の田面を排水側より1000分の1(100mで10㎝)程度の傾斜で高くすると圃場全体の排水が良くなります。

4.地下排水
 地下に浸透した水を排水するには、耕盤や心土破砕で地中に大きな孔隙を作ると効果的です。
●「サブソイラ」(心土破砕と弾丸暗渠):適応馬力(15~50 Ps)心土破砕は、耕盤などの緻密な層を線状に破壊して多くの亀裂を作り、排水性や通気性を良くします。弾丸暗渠は、弾丸をトラクタに付け、引っ張ることによって、土中に水が流れる孔を作ります。
●「モミサブロー」(籾殻簡易暗渠):適応馬力(30~60 Ps)既存の暗渠に直交して、深さ40㎝程度の溝を10~20m間隔で施工し、籾殻を十分踏み固めながら作土直下まで入れます。暗渠の疎水材籾殻層と、掘削した直交部分が、つながるように設置し、効果が悪ければ、次回に、その中間へ施工します。
●機械的に溝を切りながら籾殻を充填するモミサブローは、サブソイラや弾丸暗渠のように密に施工できます。

農作業安全に注意しましょう!

事故防止の基本的な注意事項
①服装・装具のチェック
●袖口のしっかり閉まる作業着、ヘルメット、手袋、安全靴・安全長靴を着用する。
●首タオルや腰タオルは禁物!
②作業内容・場所・時間の確認と共有
●時間に余裕をもって、無理のない作業計画を立てる。
●作業計画はオペレータだけでなく作業者全員が共有する。
●緊急連絡用の携帯電話の確認も(電池切れに注意)。
③使用する機械の点検
●基本的な始業点検を必ず行う。
●空気・水・油についての点検と、グリスアップは必ず行う。
●保安部品(制動灯・後退灯・方向指示器・前照灯、警報器等)の確認を忘れずに行う。
●可倒式安全フレームは起こして、しっかりと固定する。
④作業機の確認
●部品や外観に異状はないか。
●必要に応じて、揺動・摺動する所への注油を行う。
●作業機の取付方法は正常に行われているか、ボルトやナットの欠損や曲がり、折れはないか。
⑤作業機の着脱
●作業機の着脱は、平坦なところで行う。
●機械へ乗車する前には周りに危険がないか確認をしてから乗車する。
●作業機昇降装置の確認を行う。
●作業機を外す場合、作業機が安定するよう、補助具がある場合は必ず付けてから行う。
●作業機の着脱時は必ずエンジンを停止する。
●作業機の脱着を行うときは、トラクタと作業機の間には絶対入らない。
●作業機の装着方法・順番・調整は確実に行う(クイックヒッチの場合の着脱は、周囲の人に注意しながら慎重に行う)。
●作業機装着後は、正常に作動するかを確認。油圧装置を利用するものは、油圧ホースの接続を確認する。
⑥圃場への進入・退出
●トラクタから降りて進入路を確認する。
●走行ギヤは低速にし、ゆっくりと侵入。
●左右ブレーキの連結を外していた場合は、進入路に入る前に必ず連結する。
●圃場への進入・退出するときは、進入路の傾斜にそって垂直方向に走行する(斜面に対して斜めに走行すると転倒する危険があるので注意)。
●坂道の途中で急ハンドルやクラッチの操作は厳禁。
●作業機など長い場合や広い場合は、畦や立木等にぶつからないように注意する。
●草が多く、側溝などが見えにくい場合は草刈りを、その他障害物がある場合は目印を付ける。
●進入路の傾斜角を小さくする。進入路付近は、耕耘により進入時より深くなっている場合があるため、慎重に走行する。
●トラクタに付着した泥や土は、圃場内か進入路で落し、公道を汚さないようにする。
●格納してトラクタを降りるまで気を抜かずに、注意しながら安全な行動をとる。
〈道路走行上の注意〉
●一般車両より速度が遅いことを自覚し、他の交通車両の走行を妨げないように注意しましょう。対向車両等とすれ違う場合は、路肩や壁などに寄りすぎないよう注意してください。
●道路交通法を遵守して走行する。
*農業機械は道路運送車両法ではほとんどが小型特殊自動車に区分されますが、道路交通法の運転免許の区分では大型特殊免許が必要となるものがあるので注意してください。
*圃場内でトラクタ作業をするのに運転免許は必要ありませんが、公道や不特定多数の者が自由に通行できる場所(一般の道路のほか駐車場や公園を含む)を通行する場合には運転免許証が必要です。
●車両の区分と運転免許の種類
*長さ4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.8m以下、最高速度15㎞/h以下の全ての条件を満たす場合は普通免許や小型特殊免許で運転可能ですが、1つでも条件を超えれば大型特殊免許が必要になります(普通免許等では無免許運転となり、罰則の対象となります)。
*道路を走行する場合は、道路運送車両法により、車両登録(ナンバー取得)が必要です。
*道路運送車両法では、農業用トラクタは、最高速度が35㎞/h以下であれば小型特殊自動車となり、車検は不要です。市町村が交付する小型特殊自動車用のナンバープレートを装着します。なお、道路運送車両法の改正により、作業機を装着したままでも一定の反射板や灯火類等を装着すれば公道走行が可能となりましたが、道路交通法では従来どおりの基準です。走行可能な運転免許の種類には十分ご注意ください。

農業機械の点検整備と保管

 今年1年間活躍した農業機械が来年も安全・快適・効率的に使用できるよう、農閑期のあいだに点検整備を行いましょう。
〈点検整備作業の安全心得〉
*点検作業を始める前には、駐車ブレーキをロックし、エンジンや機械各部が完全に停止してから始める。
*高温部に手や身体が触れないように注意する。
*作業機を上昇状態で点検作業を行うときは必ずロックするか作業台で落下防止を行う。
*エンジンを起動するときは各変速レバーを中立にし、周辺の安全を確認してから行う。
*室内でエンジンを起動するときは、窓や扉を開けて換気を十分にする。
●コンバインや乾燥機、籾摺機などの収穫・乾燥・調製用の機械はモミやわら屑が多く付着し、そのまま格納しておくと機械がさびやすく、ねずみによる電気配線類の切断やねずみの巣作りなどで思わぬ故障の原因となったりします。機械を格納する前には、まず、モミやわら屑などはエアコンプレッサで吹き飛ばし、泥汚れは高圧洗浄機などで水洗いし、水気を落としてよく乾燥させます。
●回転部分や注油脂箇所にはグリスや潤滑油を完全に補給し、さびやすい箇所には油を塗布してさび止めを行いましょう。エンジンやギヤボックスなどのオイル交換を行った後には軽く空運転し、機械各部にオイルが行き渡るようにしておきます。
●燃料タンクは、軽油の場合は満タンにします。ガソリンエンジンや2サイクルエンジンでは、完全に燃料を抜き取ってからエンジンを起動し自然にストップするまで空運転し、キャブレタなどの残り燃料を空にしておきます。
●冷却水は、完全に抜き取るか規定の不凍液を注入してください。
●ベルト類、刃物類などが消耗している場合には交換しておきましょう。シーズン中に異常個所などを代用部品で応急処置してきた場合には、正規の部品で完全に修理しておきます。







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