JAグリーン近江について

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今月の農業(2021年12月)

水稲

来年の稲作対応に向けて栽培ガイドラインを改訂しました

 昨年からの新型コロナウイルス感染症の影響などによる米の需要が大幅に減少するなか、政府の適正在庫が増加し、令和3年産米米価の大幅な下落となりました。一方、肥料などの資材価格が値上がりしています。このように農業をとりまく環境は大変厳しい状況ですが、JAグリーン近江では「品質の安定と単収向上」「生産コスト低減の提案に取り組むとともに販売単価向上に向けた安定的な契約販売」を中心に「令和4年産米栽培ガイドライン・生産資材申込書を作成しました。
 今回の栽培ガイドラインでは、度重なる豪雨・長雨・台風・猛暑などの異常ともいえる気象変動でも品質・収量が安定するよう「土づくりの重要性」や「みずかがみの地帯別施肥設計」・「各品種の施肥設計の見直し」・「難防除雑草対策」を提案しました。生産資材のコスト低減対策としては、「水稲資材早期配達奨励『新規取組』」・「共同購入・大型規格の購入」によるメリットを発揮できるようになります。
 米の販売戦略としては、「みずかがみ」を中心としたブランド米強化や「複数年契約」などの事前契約を継続して行い、実需者との結びつきをより深め安定的な流通をめざす取り組みを提案しています。
 例年2月に実施しております「産米出荷予約」において、実需者との早期結びつき販売、加工米等水田活用米穀の早期数量把握を実施いたしたく、出荷予約書を1月中に提出いたしたく、ご理解とご協力をお願いいたします。

各種精算・複数年契約・スクラム契約
【奨励金の基準など】
◯持込奨励は、地場検査場へ持込みをされ農産物検査で1等~3等に格付けされたものが奨励となります。
◯JA米は、種子更新・栽培管理日誌・GAP記帳で1等・2等および3等の検査格付けをされたお米が対象となります。
【特別栽培米奨励】
◯グリーン近江統一版「特別栽培米ガイドライン」による栽培のもの、及び地域部会の特色ある取組みに対する加算です。
◯プレミア88:整粒80%・食味80点以上 セレクト:整粒80%・食味75点以上
※地場個袋が対象
◯JA米であることが確認され、かつ以下の等級及び数量が対象となります。
 ・地場:特別栽培米の1等が対象です。
 ・施設:特別栽培米の売渡数量が対象です。
◯当該年産11月末の出荷数量を対象としますが、需給動向を鑑み変更することがあります。
【各種精算】
◯JA買取:買取価格を提示し、出荷時一回支払いのみとなります。
◯早期精算:結びつき販売を実施し安定価格での契約販売を行うことで、年内の精算支払いとなります。
◯共同計算:従来の年間を通した販売代金をプールし、精算支払いを行います。
【複数年契約】
◯生産者から実需者までが手を結び契約を実施することで「安定的な販売先の確保」「安定的な継続した生産確保」に繋げています。
◯昨年に2カ年(3年産~4年産)の契約を締結させていただきました生産者の皆様には契約数量の出荷を確実によろしくお願いします。
 注)①JA米であること
   ②地場検査(紙・FC)1~2等
   ③個別契約締結(数量契約)契約数量を出荷できない場合(自然災害などやむを得ない場合を除き)は、違約措置があります。
【スクラム契約】
 注)出荷契約数量の基本±10%の範囲内で「地場:1~3等・施設:売渡数量」に対して支払います。

畑作物の不適作地では水田活用米穀(水稲)での生産目標に取り組みましょう!!詳しくは、最寄りの支店、またはTACまで

ガイドラインに沿った栽培で共同利用施設の効率運営へ!

密苗がお勧め! 10a当たり10枚
 グリーン近江の密苗は、乾籾約250g撒きとなっており、一般的な田植機でも掻き取り量の調整で使用が可能な機種もあります。
 枚数を減らしながら、植えられますので、大変省力的です。また、収量の差は見られません。
 注:一般苗よりも播種量が多いため、生育期間が短くなったり、育苗期間が長くなると、いもち病が発生する可能性があります。
 注:田植日は、発芽出荷日から14日から17日が目安です。

育苗施設の取り扱いは1月頃にご案内します
安全安心の米づくりは土づくりから
 近年の地球温暖化現象など、夏期の高温化により作物の生育が旺盛になり、地力の消耗と合わせて肥効不足の傾向が見られるようになってきました。水稲は土壌中の地力窒素の役目が非常に重要です。「けい酸加里プレミア34」や「とれ太郎」など、ケイ酸やりん酸を含む土づくり肥料に加えて有機物を施用して深耕し、地力向上を図りましょう。硫黄欠乏による稲の生育障害(俗称「病み田」)には「畑のカルシウム」が有効です。優良な堆肥を散布できない場合には、堆肥の有効成分である腐植酸を濃縮した「新ふりかけ堆肥eco」を散布し、稲わらとともに深耕することも一つの方策です。
 また、水稲は「苗半作」といわれるほど苗づくりが重要です。健康な苗づくりに「ゆめバイオ」を活用してみましょう。
 土づくり資材の詳しい使い方は本紙10月号や栽培ガイドラインをご参照ください。

JAグリーン近江統一版特別栽培米の推奨ガイドライン

 みずかがみ、コシヒカリ、秋の詩について、「元肥一発施肥」体系、「分施型(元肥︱穂肥)」体系について統一施肥基準を提案しました。この栽培基準は、滋賀県の環境こだわり米の認証と国が定めた特別栽培農作物の栽培基準に適応しています。
滋賀県一の『みずかがみ』産地へ・・・ 1300haをめざす特A産地へ!!
 JAグリーン近江管内は、県内最大の『みずかがみ』の産地です。JAグリーン近江では、組合員農家のみなさまの努力が販売価格に反映されるような制度を拡充しています。実需者から求められるおいしい良質米『みずかがみ』の安定供給をめざしてがんばりましょう。

『みずかがみ』栽培のポイント
・収量・品質を安定するには、穂数(茎数)を確保することが最も大切です。
・還元障害(病み田)対策を行い、初期の生育をしっかりと確保することが重要です。
 (初期生育が悪いと収量・品質に大きく影響します。)
・JAグリーン近江管内は、土質(粘質土、砂質土、黒ボク土など)や地帯(湖辺・平坦・中山間)によって生育が異なるのでほ場に応じた施肥管理を行いましょう。
 (麦・大豆・野菜あとの畑作転換ほ場に応じた施肥設計も同様です。)
・気象変動に対応するため葉色診断に基づく施肥を実施することが重要です。
・「みずかがみ」の元肥一発肥料で6月中旬に茎数25本を下回るときや大幅な肥切れの兆候が見られるときは有機100%の肥料で窒素成分量2㎏/10a(滋賀こだわり855 20~25㎏/10a)を追加してしてください。野菜や大豆あとなど、特に肥沃な土壌では元肥を減量するなどの方法も記載してますので参考にしてください。

※「コシヒカリ」・「秋の詩」で、穂ばらみ期頃の葉色が薄いときは、止葉期~穂揃期頃に有機100%の肥料で窒素成分量2㎏/10a(滋賀こだわり855 20~25㎏/10a)の追加施肥をお勧めします。
※雑草防除は、一発剤「ガツントZ」を提案しています。ノビエが多発した場合にはクリンチャー、その他雑草が多発した場合にはバサグランを追加散布してください。両方とも使用することも可能です。
※病害虫防除は苗箱施用剤と出穂期頃のカメムシ防除剤を記載していますが、発生状況に応じて散布するようにしましょう。
安定多収栽培をめざす一般栽培ガイドライン
 ガイドラインに記載している施肥量は標準量です。気象条件・土質等によっては肥効の発現が早くなり生育中期に肥切れする場合があります。この場合にはつなぎ肥などが必要となります。また、施肥田植機で元肥を基準どおり施用できなかった場合には、その分は追肥として施用してください。
 また、元肥一発型肥料を「コシヒカリ」「キヌヒカリ」に使う場合、初期生育が旺盛な地域や肥持ちの悪い田では中晩生用を、初期生育の悪い寒冷地や粘土質地では早生用を使用してください。
除草剤の上手な使い方
 除草剤は使い方が適正でないと十分な効果が出ないばかりか作物に薬害を起こす場合があります。必ず包装容器に記載された使用上の注意をよく読んで正しくご使用くだい。除草剤を効果的に使うには、対象雑草によく効く薬剤を使用することは言うまでもありませんが、散布時期と散布後の水管理が特に重要です。
 除草剤をまく前には5㎝以上の深水を張り、田面の土が見えない状態で均一に散布します。水口、尻水戸は水が漏れないようにしっかり閉じて7日程度湛水状態を保ってください。水もちの悪い田でチョロチョロ水を毎日入れ続けるとその周辺は除草剤の効果がほとんど期待できなくなります。また、田面が不均一で土が見えたところがあると雑草が発生してきます。田面を均一にし、水もちをよくすることが非常に重要です。田面が不均一な田や畦からの水漏れの多い田は冬の間に整地し、畦塗りなどで水漏れ対策をしておきましょう。
 前の年に雑草が多かった田や麦あと放置した田などは、冬にプラウ耕などで田面を反転すると表面の雑草種子が減るので翌年の雑草を多少抑えることができます。土づくりとかねて実施しましょう。
*除草剤の散布は藻や水草が発生するまでに散布することが重要です。
*栽培ガイドラインについて、詳しくは秋の農談会や支店担当者、TAC等から直接ご説明いたします。また、詳しい内容について個別相談も可能です。気軽にお声かけください。
*土づくり肥料の申し込み、令和4年産米予約肥料・農薬の申込み期日は令和3年12月末日です。

品質のよい麦づくりのきめ手は排水対策です
 麦類の品質向上と増収のきめては、これからの排水対策です。降雨後に表面水が完全に排除できているか、もう一度、圃場を確認しましょう。
 今年は、10月に雨が少なかったため、田面はよく乾いていると思われますが、圃場の表面が湿っているところや雨水がたまるようなところには小溝をつけるなど、表面水をできるだけ早く排出できるように工夫してください(表面水は、降雨後1昼夜以内に排出することが理想です)。
 また、圃場内の排水溝は、圃場外の排水路にすべて接続し、水たまりがないか再度確認してください。

追肥
 分げつを促進し、丈夫な茎を確保するために12月中旬から1月下旬にかけて追肥を施用します。「麦パンチ」や「麦将軍」および「麦用セラコートR2500」を規定どおり施用された方は「12月~1月の追肥」は不要です。
 12月中下旬頃の茎数は別表を参考にし、それより少ない場合には、なるべく早めに追肥を施用してください。茎数が適当であれば、1月上旬頃までに、多い場合には1月中下旬頃に施用してください。








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