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2021年 7月

私の食育日記  好き嫌いの対処法

 6歳になる息子は、好き嫌いが増えてきました。実は幼児食から卒業して大人と同じ食事ができるようになるこの時期は、好き嫌いが出やすい時期です。
 子どもの好き嫌いの理由はさまざまです。子どもは大人より苦味を感じやすく、歯も弱いので硬い物が苦手です。また、この年頃は、好きな物への執着が強くなり、好きなお菓子、好きなメニューばかりを食べたがることも原因の一つです。そのため、子どもが嫌いと言って食べない物の中には、実は、食わず嫌いなだけの物が多くあります。
 そこでわが家では、必ず一口は食べるというお約束があります。無理に食べさせることで食事を嫌いにはなってほしくない。でも食べずに嫌いとは判断しないでほしい。そこで、一口食べてそれでも食べられなさそうなら、食べなくてよいというルールです。その一口を食べさせるのも最初は大変でしたが、今は苦手な物でも一口食べれば好きなメニューをお代わりできるというモチベーションから、頑張って挑戦してくれます。また、嫌がっていたのに、一口食べた後、「思ったよりおいしかった」と言って完食してくれることも増えてきました。
 もう一つ意識していることが、一緒にお料理をすることです。自分で作った物というだけで、一口は食べてみようかなという気持ちになってくれます。とはいっても、子どもたちと食事を作ると倍の時間がかかるので、毎日は大変。時間がないときは、みそ汁にみそを入れるだけ、一つの野菜を切るだけにしています。途中ちょっとみその味比べとなめてみたり、野菜を塩もみしただけで食べてみたりと味見を加えると、お手伝いを楽しんでくれます。
 実際に一緒に調理してみると、お兄ちゃんはきちょうめんに時間をかけて同じ形に野菜を切り、妹はとにかくいろいろな物を次から次へと切りたがるという、性格も見えてきて親も楽しめます。

岡村 麻純(おかむら ますみ)
1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。


野菜もの知り百科 モロヘイヤ(アオイ科ツナソ属)

 野菜の科で多いのは、アブラナ科(キャベツ・ダイコン)、ヒガンバナ科(タマネギ・ネギ)、ナス科(トマト・ジャガイモ)、ウリ科(キュウリ・カボチャ)、キク科(レタス・ゴボウ)、マメ科(エダマメ・インゲン)、セリ科(ニンジン・セロリ)などです。
 モロヘイヤは野菜では珍しいシナノキ科に分類されていましたが、DNAが決める新分類ではアオイ科になりました。アオイ科の野菜にはオクラもあります。モロヘイヤもオクラもネバネバ成分を含んでいます。これは消化器官の粘膜を保護し、免疫力向上や疲労回復の効果もあります。
 モロヘイヤはアフリカ北部原産です。重病だったエジプトの王様がモロヘイヤのスープで治ったという伝説があり、モロヘイヤ(ムルキイヤ)はアラビア語で「王様の野菜」を意味します。女王クレオパトラも好んで食べたといわれています。
 中近東では数千年前から一般家庭に普及していましたが、日本に本格的に導入されたのは1980年代です。栄養価が非常に高いことがマスコミに取り上げられ、1990年代にはモロヘイヤブームが起こりました。
 地中海沿岸は石灰岩質なので、原産の野菜やハーブは酸性(低pH)を嫌う物が多いです。モロヘイヤの好適pHは6.0~6.5です。日本の土壌は降雨や化学肥料などにより酸性に傾くので、苦土石灰などによる酸度調整が必要です。
 モロヘイヤは短日になると花が咲き、葉は堅くなり、品質が落ちてきます。花が咲き終わると、朔果(さくか=細長いさや)ができ、その中に小さな種子がたくさん入ります。種子は強心配糖体のストロファンチジンという有毒物質を含んでいます。葉には毒性が存在しないので、食べても問題ありません。
 モロヘイヤだけでなく、市販の種子は小児の手の届かない所で保管し、食べたりペットに与えたりすることは絶対にしません。

藤巻久志/種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。


あなたもチャレンジ! 家庭菜園 カブ 適期に間引きを行う

 生育適温は15~20度と冷涼な気候に適し、暑さと乾燥に弱いが、寒さには強いという特徴があります。春まき(3~4月)と秋まき(9~10月)が一般的な栽培時期です。
[品種]
 大きさ、形、色(白、赤)がさまざまですが、小カブ品種では、豊円形で耐病性・耐暑性のある「CRもちばな」(タキイ種苗)、低温期に向く扁(へん)円球で白さび病にも強い「雪牡丹」(武蔵野種苗園)、中大カブ取りもできる「スワン」(タキイ種苗)などがあります。紅カブや上半身が赤く細長い日野菜など地方品種もお薦めです。
[畑の準備]
 種まき1~2週間前に1平方m当たり苦土石灰100gをよく混ぜておきます。次に、化成肥料(NPK各成分で10%)150gと堆肥2kgを全面に散布し、よく耕しておきます(図1)。
[種まき]
 幅100~120cmの栽培床を作り、深さ1cm程度のまき溝を20cm間隔で4条作ります。溝に1~2cm間隔で種をまき、薄く土を掛けます(図2)。
[間引き]
 発芽し、子葉がそろった時点で、まき過ぎて密になっている部分を間引きます。その後も、込み合ってきたら、生育の悪い株を間引きます。最終的な株間は小カブで10~15cm、中大カブで20cm程度にします(図3)。
[追肥・土寄せ]
 間引き後は株元へ土寄せして、株のぐらつきを防ぎます。中大カブでは、最後の間引き後に1平方m当たり化成肥料30gを株元に与え、土寄せします。
[病害虫防除]
 アブラムシには、マラソン乳剤など、アオムシ、コナガにはゼンターリ顆粒水和剤(BT剤)などで防除します。なお、栽培床に寒冷しゃをトンネル状に掛けたり、不織布のべた掛けをすれば、害虫の侵入を防ぎ、風雨から幼苗が守られます。
[収穫]
 小カブは直径が5cm程度、中大カブは10~15cmが適期で、早く育った株から収穫します。遅くまで置いておくと肥大が進み、す入りや裂根することがあります。

※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
板木技術士事務所●板木利隆


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