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家庭菜園・家庭園芸  2024年3月

私の食育日記 花粉症対策は食事から始めよう

暖かくなる季節、子どもたちはたくさん外で遊びたいけれど、息子は毎年花粉症に悩まされています。5月ごろまで続く花粉症。外で過ごした日の夜は眠れないほどのくしゃみや鼻水に苦しんでいます。親としても何とかしてあげたいけれど、子どもはあまり強い薬も飲めず、マスクや掃除、洗濯など身の回りのことに気を付けてあげることしかできません。そんな中で大切にしているのが食事です。
そもそも花粉症とは、本来なら無害な花粉に体が反応してしまうアレルギー症状です。その原因には免疫力が関わっているため、花粉の時期は免疫機能を整える食事を特に意識することで、症状を抑えることが期待できます。その免疫力に大きく関わるのが腸内環境です。腸内の環境を整えるには、ヨーグルトなどの乳酸菌がお薦めですが、その乳酸菌の餌となる水溶性食物繊維が多く含まれるプルーンやキウイ、オートミールやグラノーラを一緒に取るとより効果的です。
他にも抗酸化作用のあるポリフェノールの一種であるタンニンは炎症を抑える働きがあるので、喉の痛みや鼻水を抑えてくれると期待できます。タンニンが多く含まれるレンコンは食物繊維も多いのでお薦めです。他にも青魚に含まれるDHAやEPAもアレルギーを抑制する作用があるといわれています。お肉より魚中心の献立にしてみるのも良いかもしれません。
主な飲み物はルイボスティーにしています。ルイボスティーにはポリフェノールの一種で抗アレルギー作用があるとされるフラボノイドが多く含まれ、かつノンカフェインなので子どもの飲み物にぴったりです。
効果的なものを食べるだけでなく、腸に負担のかかる脂っこいものや、消化しにくいものを控えることも大切です。本来なら心地良い春。少しでも子どもたちが楽しく外で遊び回れるよう、食事から工夫していきたいと思います。

岡村 麻純(おかむら ますみ)1984年7月31日生まれ。お茶の水女子大学卒。大学で4年間食物科学を学び、食生活アドバイザーなどの資格を持つ。男女2児の母


野菜もの知り百科 スナップエンドウ(マメ科エンドウ属)

  エンドウにはサヤエンドウと実エンドウがあります。実エンドウの未熟の豆をグリーンピースといい、1970年代後半に米国で豆が大きくなってもさやが堅くならない「スナップピー」が育成されました。スナップはポキンと折れるという意味で、ピーは豆です。日本では坂田種苗(現・サカタのタネ)が「スナックエンドウ」の名前で販売しました。
種苗会社の営業パーソンは新品種普及のため、試作した野菜を持って全国の青果市場を回り、関係者に試食してもらいます。スナックエンドウのときは仲買人に「さやごと食べられます」と勧めても信用されず、グリーンピースのようにさやをむき、豆だけ食べようとされました。  地道な営業活動により、甘くサクサクした食感が消費者に受け、各地に産地が形成されました。その後、同タイプの品種が多く出回るようになり、83年に農林水産省は統一名称を「スナップエンドウ」にしました。
 ナップエンドウは今も人気です。春になるとほとんどのスーパーに並びます。家庭菜園では最も栽培されている品目の一つで、家庭菜園愛好家の3人に1人は栽培しています。病虫害に強く、収穫期間が長く、さやがびっしりと付きます。
インゲンは筋なし品種が主流になりましたが、エンドウはほとんどの品種が筋ありです。エンドウの筋取りは子どものお手伝いの定番です。遊び盛りの子どもにとっては嫌でたまらないお手伝いでも、大人になれば家族との良い思い出になります。
丸々と太ったスナップエンドウは筋を取り、ゆでたり炒めたりして和洋中の料理に利用します。ゆで過ぎや炒め過ぎは風味を損ないます。サラダやビールのおつまみにも適しています。
当時、坂田種苗の営業パーソンが作ったというCMソングを思い出します。
♪スナックエンドウ おいしいエンドウ さやごと食べられるぅ あっ、もう食べちゃった ジ・エンドゥ♪

藤巻久志/種苗管理士、土壌医。種苗会社に勤務したキャリアを生かし、土作りに関して幅広くアドバイスを行う。


あなたもチャレンジ! ゴマ 暑さと乾燥に強い香味作物

 アフリカ原産で、エジプト、インドでは紀元前から栽培されている古くからの栽培植物です。種には老化防止に効果のあるセサミン、現代人に不足がちな鉄や亜鉛などミネラルが豊富です。高温性なので、中間地では5、6月にまき、9月ごろに収穫します。
[品種] 香りが強い黒ゴマ、マイルドな風味の白ゴマ、黄金色した脂質の多い金ゴマがあります。地域に合った在来種もあります。
[畑の準備]種まき2週間前に1平方m当たり苦土石灰200gをまいてよく耕します(図1)。1週間前に堆肥2kg、化成肥料(NPK各成分10%)100gを土とよく混合します。幅70~80cmの栽培床(ベッド)を作り、地温の確保と雑草の抑制に有効なので黒マルチを張ります。マルチは株間15cmで条間40cm程度が取れる穴開きマルチを選びます(図2)。
[種まき・間引き]1穴に5、6粒まき、発芽後に子葉が重なるところを間引き、その後2回に分けて間引きを行い、最終的に本葉6、7枚で1本立ちにします。
[追肥・土寄せ]最後の間引き(株定め)後、マルチをめくって両側に畝の長さ1m当たり化成肥料30g程度を与え、土寄せします(図3)。
[支柱立て]草丈が高くなると倒れやすいので、支柱を立てます。畝の両側にひもを張り倒伏を防ぎます。
[病害虫の防除]さやに実が入る頃、カメムシ類が加害すると未熟な子実が発生します。アディオン乳剤などで防除します。
[収穫]花は下から上に向かって開花し成熟しますが、下のさやが黄変し、裂け始めたら株元から切り取って収穫します(図4)。
[乾燥・調製]5、6本ずつ束ねて、穂先を上にして、雨に当てないように7~10日間天日で十分に乾燥させます(図5)。シートを広げ、棒でたたいて種を落とし、さらに4、5日間天日乾燥させます。次に、ごみを唐箕(み)などで風選しますが、量が少ないときは紙に広げ息を吹きかけてごみを飛ばします。食べるときは、片手鍋などを使い中火で10分程度手早くいります。


※関東南部以西の平たん地を基準に記事を作成しています。
園芸研究家●成松次郎





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