お役立ち情報コラム

生活に役立つ情報や営農情報をお届けします

2021年5月

家族の健康 良い歯を維持したい

 6月4日は「虫歯予防デー」です。
 虫歯を予防し歯の健康維持に大切なのが3~6カ月に1回の歯科検診と毎日の適切な「歯磨き」。
 歯を磨く習慣は、その人や家庭によってさまざまです。まず、朝起きてすぐの歯磨き、これは大切です。寝ている間に口腔内の雑菌や前夜までに吸い込んで、寝ている間の呼吸で口の中に出てきたウイルスや細菌が歯の周囲に付着しています。起床後すぐの歯磨きは、スッキリして気持ちが良く、歯の健康のためにも良いだけではなく、風邪など感染症の予防にもつながります。
 就寝前は丁寧に歯ブラシで歯を磨き、デンタルフロスや歯間ブラシも使用して、歯の間もきれいにします。フッ素入り歯磨き粉を使用するなら、歯にフッ素を残すため軽く1回うがいをする程度で十分です。
 起床時と就寝前は歯を磨くとして、食後は歯科の専門家の間でも意見はいろいろです。かつては「毎食後、1日3回、1回に3分間以上の歯磨き」といわれていました。最近は「食事に含まれる酸で歯の表面が弱くなる食後に歯磨きすると歯を傷つける」という意見もありますが、やはり「食後は虫歯の原因にもなる糖分をすぐに落とすべき」という意見もあります。歯磨きは食後30分くらいで行い、農作業などで屋外にいて歯磨きしにくいときは、水でうがいをして洗い流しましょう。食後すぐに、力を入れての数分間もの歯磨きは、歯に傷を付けて虫歯の原因にもなりかねません。
 歯ブラシは古くなると歯をきちんと磨けないばかりでなく、歯肉を傷めます。1カ月に1回は新調することもお忘れなく。
 高齢者や糖尿病や腎不全などの病気がある人は虫歯から炎症が広がり命に関わることもあり得るので、虫歯も侮れません。

健康科学アドバイザー 福田千晶

お米で健康 夏バテの原因と予防法

 湿度の高い日本の夏の暑さに体が付いていけず不調を来してしまう状態を夏バテと呼びますが、夏の到来を前に、夏バテの予防法をマスターし、元気に過ごしたいですね。
 夏バテの原因の一つとして、食生活の乱れが挙げられます。暑いからと冷たい食品ばかりを好んで食べていると、胃腸が疲れて消化吸収が悪くなるとともに、体温調節機能に負担がかかり自律神経の乱れを引き起こしてしまうといわれています。
 汗をかいているのにもかかわらず水分と塩分の摂取が少ないと体の不調を引き起こします。夏場には喉の渇きを覚える前に水分を摂取し、塩分も適度に補給しましょう。
 糖質の取り過ぎも夏バテの一因といわれています。甘い飲み物や食べ物、喉越しが良いからとそうめんなど炭水化物中心の食事ばかりを食べていると栄養バランスの悪化につながってしまいます。特に炭水化物とセットで摂取したい栄養素にビタミンB1があります。ビタミンB1は炭水化物が消化されてできる糖質がエネルギーに変わるときに必要な栄養素で、豚肉や豆類、レバーなどに多く含まれています。ビタミンB1は米のぬか部分にも豊富に含まれているため、主食には玄米や胚芽米がお薦めです。ただし、夏場は胃腸の働きが落ちることがあるため、慣れていない場合は無理をしないようにしましょう。
 夏バテ予防には、栄養バランスを意識した食事の他、適度な運動と睡眠も必要です。夏が始まる前に体力を付け、暑い夏を健康的に乗り切りましょう!
◆参考データ 食品別ビタミンB1含有量(可食部100g当たり)『日本食品標準成分表2015年版(七訂)』より。 精白米0・02mg、玄米0・16mg、胚芽精米0・08mg、ゆでそうめん0・02mg、ゆでそば0・05mg、ゆでスパゲティ0・06mg、食パン0・07mg

管理栄養士・フードスタイリスト 大槻万寿美

里山を歩けば  野草

 皆さんは野草を食べたことがありますか。山奥に入らなくても、身近な里山には食べられる野草がたくさん生えています。ツクシやフキのとうは、春の訪れを告げる野草として知られていますが、夏に移り変わるこの季節にも、食べられる野草を見つけることができます。
 ノビルは河原や土手に生えていて、漢字では「野蒜」と書きます。「蒜」はネギやニンニクの仲間ということです。1000年以上も前の『古事記』や『万葉集』にも書かれていて、昔からみそとあえたり、汁物などにして食べられています。田んぼのあぜや土手などを探せばすぐに見つかるオオバコ。こちらもゆでたり、天ぷらにして食べることができます。
 野草は食料だけではなく、薬の原料としても利用されています。風邪薬として有名な葛根湯はクズが原料ですし、胃腸の薬としてゲンノショウコやセンブリが使われていたりします。薬草の他にも、和食に欠かせない大豆は、ツルマメを品種改良した物で、野草の遺伝子は私たち人類に多くの恵みをもたらしてくれています。もしかすると、その辺に生えている野草にも未来の薬や作物のもととなる物が隠されているかもしれません。
 大きな樹木などと比べると、あまり目立たない野草ですが、自然の世界では、虫などの生き物に餌やすみかを与え、生態系を支える大切な役割を果たしています。私たちの会では、こうした野草のすごさをもっと皆さんに知ってもらうため、その地域ならではの野草を植える「野のくさプロジェクト」や、里山が広がる千葉県内の採石跡地を買い取って、森だけでなく草原も再生する取り組みを進めています。「雑草」と呼ばれても、その一つ一つに名前があります。まずは近所を歩きながら、見つけた野草の名前を調べてみるのはどうでしょう。

●日本生態系協会

季節の室礼  入梅

 暦の雑節では毎年6月10日前後が「入梅」ですが、気象庁の発表する梅雨入りとは多少ズレがあります。梅雨入りは栗の花が咲き散る季節なので「栗花落・遂栗花」という字を使うことがあります。
 この時期に梅の実が色づき熟すから梅雨。湿気が多いので黴雨と書くことも。
 6月1日は衣替え。今は制服ぐらいですが、昔は衣食住の夏支度を一斉にした日です。氷が貴重だった時代は「氷の朔日」でもありました。冬に切り出し貯蔵しておいた氷を、氷室から出して食し、夏に向けての英気を養ったそうです。
 6月を和名で水無月といいます。新暦では、梅雨時期に水が無いなんて不思議に思いますね。田植えを「皆仕尽くし」、田に水を張ったからもう入れる水が無い、というのが語源のようです。
 ちょうど1年の半分となる6月30日に、夏越のはらえという行事が行われます。残りの半年を無事に過ごせるよう、神社で茅の輪をくぐり穢れをはらいます。
 その日にいただくのが「水無月」というお菓子。もともとは氷の朔日で暑気払いにいただいたそうです。氷に見立てたういろうに魔よけの赤い小豆をのせた三角のお菓子です。半年=半分に切って三角にしたという説や、角が厄を跳ね返すという説があります。
 お部屋には、この時期に見頃のアジサイを生けましょう。水上げの難しい花ですが、一手間加えると長持ちします。まず、花にお水が行くように余分な葉は落とします。そして茎を斜めに細長く切ります。切り口の中の白い綿のような繊維も取り除くと水がよく上がります。切り口を焼くとさらに水が上がりますよ。ガラスや陶器でできたカエルやカタツムリの置物を飾ったり、ミニ傘を添えたりするのもいいですね。外は雨でも工夫して楽しみましょう。

和文化講師●滝井ひかる


上へジャンプ