お役立ち情報コラム
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ライフ 2024年2月
玄米
最近は健康意識の高まりから、玄米を食べる人が増えています。
しかし売る側からすると玄米を消費者に販売するのは、簡単なようでいて実はハードルが高いのです。
弊社の名前は「小池精米店」です。文字通り精米することを生業としている会社です。つまりお米を玄米として販売することはもともと想定していません。
通常、玄米の中には、石やもみなどの異物が混入しています。玄米をそのまま小分け販売するとそういった異物が混入している場合があるのです。
異物が入る理由の一つは、コンバインで稲刈りをする際に田んぼにある異物を巻き込んでしまうためです。そして異物が残ったまま流通する理由は、そもそも精米段階で異物を除去することを前提としているからです。そう、玄米段階で異物がある程度入っていることは、精米店にとって普通なのです。
玄米を白米に仕立てるには、弊社のような小さな精米店でも、工場のようにさまざまな機械を組み合わせてラインを組んでいます。その過程で異物を除去しているのです。あくまでも白米を仕立てるためであり、玄米を売るためではありません。もし玄米を売るのであれば別途玄米用のラインを組むか、きちんと異物まで丁寧に除去している農家から玄米を購入する必要があります。
そのため、弊社が購入している玄米は50種類以上ありますが、全てを玄米で売ることはできません。そして玄米のまま販売できるお米とは、農家の段階でイレギュラーなもうひと手間をかけているお米であるため、実は比較的高値の場合が多いのです。
このように玄米で購入することはあくまでもイレギュラーケースであることは覚えておいてください。皆さんがもし玄米を購入される場合は、きちんと石抜き済みなのかどうか、ぜひともご確認ください。
五ツ星お米マイスター●小池理雄
牛乳を「食べる」
消費期限や賞味期限の迫った牛乳が冷蔵庫にあるときには、牛乳を「食べる」発想で、ヨーグルトやプリン、チーズなどを作ってみませんか。
牛から搾ったばかりの「生乳」が余ってしまうので1人1本飲んでください、と農林水産省が呼びかけたことがありました。たくさん消費したいときには牛乳を食べるのもお勧めです。
■ ヨーグルト作り
私がコロナ禍以降続けているのがヨーグルト作りです。消費期限の短い低温殺菌牛乳や賞味期限の近づいた高温殺菌牛乳が値引きされていたら、使い切れる分だけ買ってきます。
ヨーグルト50gに対して牛乳500mlの割合で、ガラス容器に入れて混ぜ、常温に置いておきます。24時間前後で出来上がり。固まったら冷蔵庫に入れて、ジャムやシリアルを加えて毎朝食べています。
■ 簡単でおいしい牛乳プリン
1Lの牛乳パックで作ります。
牛乳400mlを耐熱性の器に入れ、ゼラチン20gと砂糖20gを加え、電子レンジで2分30秒ほどかけてゼラチンと砂糖を溶かします。底にたまることがあるので、泡立て器などを使ってしっかり溶かします。
1Lの牛乳パックに500mlの牛乳を入れておき、注ぎ口を上から見て正方形になるよう開けておきます。そこに先ほどのゼラチンと砂糖を溶かした牛乳を注ぎ、上の口を閉じて、冷蔵庫で冷やし固めるだけ。固まったら食べやすい大きさに切れば出来上がりです。
■ インドのチーズ「パニール」
牛乳を火にかけてレモン汁を加え、ゆっくりかき混ぜます。レモン汁は、牛乳1Lに対して大さじ2杯ほどです。分離してきたらキッチンペーパーを敷いたざるでこして搾って出来上がり。カッテージチーズをさっぱりさせたような味わいでサラダにもぴったりです。
インドのチーズ「パニール」を使ったサラダ
食品ロス問題ジャーナリスト●井出留美
おいしく食べて美しく 食べ物で紫外線対策
紫外線量が増え始める春からしっかりと対策を行うことが美しい肌への近道です。日焼け止めクリームなどの紫外線対策は必須ですが、普段の食事を意識し内側からケアをするとさらに美しい肌になれるでしょう。今回は、春の紫外線対策にお薦めの栄養素を三つお伝えします。
■ ビタミンA
ニンジンなどの緑黄色野菜、レバーなどに含まれるビタミンAには、紫外線でダメージを受けた肌を修復する働きがあります。ビタミンAは、抗酸化作用があるため美肌づくりには欠かせない栄養素です。緑黄色野菜に含まれるベータカロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変わります。油と一緒に取ると吸収がされやすくなるため、炒め物にしたり、ドレッシングをかけると良いでしょう。今が旬の、甘くてジューシーな春ニンジンにマヨネーズを付けて食べるのもお勧めです。
■ ビタミンC
野菜、イチゴなどの果物に含まれるビタミンCには、染みのもとになるメラニンの生成を抑える働きがあります。染みを防ぐには、食事からビタミンCを取り、メラニンを過剰に作らせないことが重要ですが、ビタミンCは、体内に蓄えられないため、小まめに取るようにしましょう。しかし、余過剰分は尿中に排出されるため、一度に過剰に取るのは控えてください。間食や食後のおやつに果物を食べると手軽にビタミンCが取れます。
■ ビタミンE
ゴマ、ナッツなどに含まれるビタミンEには、血行を促進し、肌の代謝を高める働きがあります。肌の代謝が高まると染みのもとになるメラニンの排出が促されるため、紫外線対策には、ビタミンEは欠かせない栄養素です。ビタミンCと一緒に取ると抗酸化作用が高まるのでサラダにナッツをトッピングして食べると良いでしょう。
食べ物で紫外線から肌を守り、美しい肌を保ちたいですね。
栄養士●吉田理江
ナバナはビタミンCが豊富
季節の変わり目にはとかく体調を崩しがちです。それを防ぐために、日本人は季節を先取りする意味で、春だったら春に先駆けて芽を出したり、花を付ける若菜や野菜を食べて、体のコンディションを整えてきました。
その一つが、寒気が緩み始めるとスーパーなどに出回るナバナです。「菜の花」のことで、アブラナの若いつぼみを中心に摘んだものです。 ナバナはいかにも季節感を大切にする日本人らしい呼び方ですが、ほろ苦さの中にかすかな甘みがあって、春先の若野菜らしい独特のおいしさが楽しめます。
ナバナで驚くのはビタミンCの多さで、ホウレンソウの3倍以上も含まれているのです。ビタミンCというと、お肌の染みを防いだり、風邪からがんまで予防するビタミンとしても注目されていますが、体細胞の酸化、つまり老化を防いだり、ウイルスに対する免疫力を強化する働きまであるのです。
ストレスに弱い人は、ビタミンCが不足しているのかもしれません。ストレスを跳ね返すホルモンの生成には、ビタミンCが欠かせないからです。
もう一つは、ビタミンCをコンスタントに取っている人ほど不老長寿という研究もあり、ナバナは「人生100年時代」の理想食といっても良いでしょう。
春に増える紫外線の害から健康をガードするベータカロテンも豊富。さらに若返り作用のビタミンEや骨を丈夫にするカルシウムやビタミンKまで含まれています。
食べ方も簡単で、ゆでておひたしに。かつお節をかけるとタンパク質も一緒に取れて素朴なおいしさに。あえ物にしても美味。ほろっとした春先のほろ苦さがあり、軟らかい歯触りが春めいた気分にぴったりです。吸い物やスープに使うのも彩りが美しいです。
食文化史研究家・日本の長寿食研究家●永山久夫
